アメリカは元々はイギリスの植民地であったことからアメリカとイギリスは同じ「英語圏の国」です。
文化も習慣もかなり似ているということで知られていますが、日本と韓国の文化が全然違うように、アメリカとイギリスの文化もかなり違います。
本記事では「アメリカとイギリスの文化的な10の違い」ということで詳しく解説していきます。
アメリカとイギリスの歴史
まずは両国の歴史をカンタンに見ていきましょう。
前述したように、アメリカは元々はイギリスの植民地でした。
18世紀、当時植民地であったアメリカはイギリスと戦争をして独立を果たします。
したがって、アメリカはまだ建国してから250年程度ということになります。
一方でイギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド(北アイルランド)の「連合国家」で王室が存在します。
島国であり、(立憲)君主制ということでは、日本と近い部分があります。
①王室・君主制への考え方
イギリス人は王室の歴史や伝統に対して少なからず「誇り」を持っています。
一方でアメリカ人は君主制や伝統というものを極端に嫌います。
この違いは上記で書いている歴史的背景を参照すればわかります。
アメリカは元々はイギリスの植民地でした。
アメリカ大陸に渡ってきた人たちは「君主制の縛り」から自由と平等を求めてアメリカ合衆国を建国します。
合衆国初代大統領のジョージ・ワシントンは「キングや皇帝という立場ではなくあくまで民衆に選ばれたリーダー」という現在の大統領の位置づけを確実なものにしました。
だからこそアメリカでは「ジョージ・ワシントンは偉人」として認識されていますが、今でもアメリカ人は「世襲制」や「独裁政治」というものを嫌います。
イギリスではエリザベス女王が愛されているように、君主制に対しての価値観がアメリカ人とは違います。
②国旗に対する価値観
アメリカに住んでいると家の前にアメリカの国旗が掲げられているのをよく目にします。
独立記念日である7月4日になるとパーティーで国旗を振り回している人もいるくらいアメリカ人は星条旗が好きですが、これはイギリスではなかなか考えられないものです。
イギリスの国旗である「ユニオンジャック」は右翼団体や政党のシンボルに使われているので、基本的に国旗を掲げるのは自重します。(特別な行事以外では)
③銃の所持
アメリカはよく言われるように「銃社会」です。
銃を所持することは憲法で認められています。
この銃文化に関して、日本人からしたら到底理解できないものですが、これはイギリスを含むヨーロッパでも同様です。
特にイギリスではアメリカで銃乱射事件が起こる度に改善をしようとしないアメリカを避難します。
さらにイギリスでは警察官すらも銃を持っていないので、アメリカ人からしたら「不思議」ということになっています。
④接し方の違い
アメリカ人⇨フレンドリー
イギリス人⇨マナー&謙遜
アメリカ人はとにかく本心で人と向き合うことが多いですが、イギリス人は相手を傷つけないようにまずは様子を見ます。
このへん、日本の「本音と建前」の文化はイギリスと近いものがあるかもしれませんね。
イギリス人はとにかく天気の話が好きです。(スモールトーク)
⑤笑いの違い
アメリカ⇨ストレートな笑い
イギリス⇨皮肉&ブラックユーモア
アメリカ人の笑いは直接的でわかりやすいものが多いです。
性的なものをネタにしたり、体を使ったものが多いのが特徴です。
逆にイギリス人は風刺やブラックジョークを多彩に使います。
なので、わかりやすいアメリカのコメディーを「子供っぽい」と思います。
例えば、イギリスのコメディーでは少し度が行き過ぎたものも笑いになりますが、アメリカではそのような笑いは「可哀相、不謹慎だ」と思う人が多いので成立しません。
また、イギリス人はイギリスのことを皮肉って馬鹿にすることもありますが、アメリカで同じことをやろうとしてアメリカのことをバカにしようもんならみんな激怒します。
⑥労働の違い(有給)
労働に対しての価値観も異なります。
日本では「欧米の人は長時間労働しない」という認識がありますが、アメリカ人はヨーロッパに比べ労働環境は良くないです。
有給に関してもアメリカ人はイギリス人に比べ圧倒的に少ないのが現実です。
各国の有給の日数
この表を見てもわかりますが、アメリカは他の国に比べ圧倒的に有給の数が少ないのがわかります。
これは日本も同じですが、「ヨーロッパを見習うべきだ」という声がアメリカにあるのが現状です。
⑦アメリカ⇨コーヒー イギリス⇨紅茶
アメリカ人はコーヒーが大好きです。
一方でイギリス人は紅茶(ティー)を好みます。
これは歴史的背景によるものです。
まだイギリスの植民地だった頃のアメリカはイギリスから多額の関税を紅茶にかけられていました。
つまり紅茶を飲むのに多額の税金をイギリス政府に払わなければなりませんでした。
そこでイギリスの圧政に反発した植民地の人々が「紅茶不買運動」を始めます。
さらにイギリスからボストン港に送られてきた大量の紅茶をボストン港の海に大量に投棄します。(ボストンティーパーティー)
これをきっかけにアメリカ人は紅茶の代替品としてコーヒーを飲むようになりました。
⑧チップの違い
アメリカでは何らかのサービスを受けたときにはチップを渡さなければなりません。
イギリスのチップの文化は少し違います。
イギリスではチップは「ゼッタイ」というわけでなく、「渡したら喜んでくれる」程度のものです。
レストランでは10%ほどのチップを渡すのがマナーですが、お会計に含まれている場合もあるので、アメリカほど「チップ社会」ではありません。
⑨世界観の違い
アメリカ人とイギリス人では世界観や国際感覚にも違いがあります。
これは地理や国土に関係してきます。
アメリカは領土も広く、50の州からなる「合衆国」のため、「旅行に行く」と言えばアメリカ国内の旅行が多いです。
多くのアメリカ人は「どこから来たの?」という問いに対して州の名前を答えます。
このように、「州の外=海外」みたいな感覚が多少なりともあるのも事実です。
したがって、「パスポートを持ったことがない」というアメリカ人は結構多いです。
それに対しイギリスはヨーロッパに位置しているので、電車に乗って海外に行けます。
アメリカに比べ多言語を話す人もいれば、違う文化を深く理解している人も多いです。
「アメリカ人は世界を知らない」
「アメリカ人はアメリカが世界の中心だと思っている」
このようにイギリス人が言うのはこのような背景があります。
⑩アメリカ人⇨楽観的 イギリス人⇨悲観的
アメリカ人は何事にもポジティブな人が多いです。
これは移民や起業家などが多い「自由の国アメリカ」ならではでもありますね。
逆にイギリス人は物事を悲観的に見る傾向にあります。
「無理だと思ったら無理」
アメリカ人に比べネガティブなのがイギリスの特徴です。
【結論】百人十色です
ここまで、アメリカとイギリスの文化の違いをカンタンに書いてきましたが、「大体こんな感じなんだな」程度に受け取っていただくと幸いです。
もちろん人や地域によっても違うので、一概には言えませんがこれがアメリカとイギリスの文化の違いでもあります。
海外に留学や旅行などで外国の人と会話してみると、「日本と韓国って同じような国でしょ」という人が多いです。
「全然違うよ!!」という気持ちになったりもしますが、アジアに住んでいるの人の中には「ヨーロッパの国の違いが分からない」という人も多いので、このような無関心は「しょうがいない」と受け流しています。
「日本と韓国、文化の違い10選」の記事でも書きましたが、アメリカとイギリスも日本と韓国同様に「似て非なる国」です。
そのへんの違いを理解しておけば海外でもっと話を膨らませることができるのかなと思います。
「他にももっと文化の違いについての記事を読みたいな」
という人は以下の記事がオススメです⇩
イギリスとアメリカの国旗に関することが書かれてましたが、少し違うと思います。
イギリス人とアメリカ人、どちらが自国の国旗を崇拝し愛しているかと言われると、イギリス人の方だと思います。
もちろんアメリカ人は星条旗を愛していますが、時にはアメリカ人は星条旗を燃やして反政府デモをやりますし、外国人がアメリカ人の前で星条旗を燃やしてもあまり強く怒りません!
逆にイギリス人はユニオンジャックを燃やしたりしませんし、外国人がイギリス人の前でユニオンジャックを燃やそうなら間違いなく殴り殺されます。
それにイギリス人はアメリカ人以上に自国の国旗を誇りに思っていましアメリカ人以上にイギリス人の中には狂信的な愛国主義者が多いです。
それと国旗に対する忠誠心もアメリカ人よりイギリス人の方がかなり強いです。
イギリスのロックスターはユニオンジャックを着て歌います!
アメリカではユニオンジャックはロックスターのTシャツだと揶揄されています。
それにイギリス人は必ずというほど相手がアメリカ人になるとユニオンジャックを全面に出し対抗して来ます!
その他に関しても星条旗よりユニオンジャックの方が上だと思います!
コメント&素晴らしいご指摘ありがとうございます!
記事にも書いてありますが、確かにアメリカでは国旗を家の前に掲揚していたり、星条旗のステッカーを車に貼っていたりと何かと主張しますが、もっとこう「ファッション性」が強い気もしますね。
一方でイギリスは王室の関わりもありユニオンジャックはもっと「神聖なもの」という意識が強いのも事実ですね。