【アメリカの国旗】国旗から見るアメリカの歴史と文化

【アメリカの国旗】国旗から見るアメリカの歴史と文化

 

アメリカでは祝日になるとあちらこちらでアメリカの国旗(星条旗)をたてます。

家によっては普通の日でも玄関に飾っていたりもして、最初アメリカに来た時は、「日本ではなかなか見ない光景だなぁ」なんて思ったりもしました。

 

特に独立記念日にはパーティーに国旗を持参し、「ステレオでアメリカの国歌をガンガン流しながらお酒を飲んで騒ぐ」こんな光景も目にします。

本記事ではアメリカ人にとってアメリカの国旗とはどのような存在なのか、アメリカ国旗から見える歴史と文化の違いについて解説しています。

 

アメリカ国旗と愛国心

 

前述したように、アメリカの人はなんだかんだで愛国精神がとても強いです。

 

 

こちらの記事でも書きましたが、国旗を侮辱する行為はもちろんのことNGです。

 

昔アメリカ国内でデモの一環として、アメリカの国旗を燃やした人がいました。

これを「表現の自由」として認めるのか、「立派な犯罪行為」とするのか、かなり波紋をよんだことがあります。

 

最近では、フットボールの試合でデモの一環として国歌を歌わない選手に対してトランプ大統領が演説でブチ切れていました。

このようなデモの仕方はアメリカ国内でも度々問題になります。

 

ちなみに日本の法律では、他国の国旗を燃やすことは犯罪とされています(外国国章損壊罪)。

それと同様に、自国の国旗を燃やすのもモラル的にNGですね(世界共通)。

 

とうことで、次は実際にアメリカの国旗の変遷を見ていきましょう。

 

アメリカの国旗 (イギリス植民地時代〜1777年)

 

出典:アメリカの国旗

 

独立前は「イギリスの植民地」ということで、イギリスの国旗でもある「ユニオンジャック」が左上にあります。

この13本の赤と白のストライプは当時の13州を表しています(これは現在でも同様)。

 

このユニオンジャックの旗はアメリカだけでなく、イギリスの植民地であった他の国々も同様に使用しています。

オーストラリアとニュージーランドが有名ですが、これらの国旗は現在でも左上にユニオンジャックが入ってますね。

 

オーストラリアの国旗

 

ニュージーランドの国旗

 

このユニオンジャックの紋章は過去にイギリスの植民地やCommon Wealth (イギリス連邦)だった国が使っていて、宗主国であるイギリスに忠誠を誓う意味で使われていました。

現在、オーストラリアやニュージーランドが国旗を変えない理由は、「イギリスへの忠誠」ではなく、単に国民投票で「このままでいいよ」という意見が多かったので未だにユニオンジャックを使っています。

 

 

アメリカの国旗 (1777年〜1795年)

 

出典:アメリカの国旗

 

ユニオンジャックがなくなり星になりました。

この星の数は13個、つまり当時の州の数です。

 

これから分かるように、アメリカの独立を表しています。

ちなみにですが、初代アメリカ合衆国大統領であるジョージ・ワシントンは当時のアメリカ国旗をこのように表現しています。

 

「星は天を、赤は母国なるイギリスを、赤地を横切る白い条は母国イギリスからの独立を表す」

引用:George Washington

 

アメリカの国旗 (1795年〜1818年)

 

出典:アメリカの国旗

 

ケンタッキー州とバーモント州が追加されて、星の数が15個になりました。

以前は丸を作っていた星が羅列されるようになりました。

 

この時から州が追加されるごとに星を一つずつ追加していきました。

 

 

アメリカの国旗 (1960年〜現在)

 

 

最後に星が追加されたのは1960年にハワイが州に登録されたときです。

現在は50の州とともに星が50個あります。

 

13のストライプは独立当初から変わりません。

今後もしアメリカの州が増減した時は、同時に星の数も変わって国旗も変更するかと思います。

 

 

アメリカ連合国国旗

 

出典:アメリカ連合国の国旗

 

この国旗はアメリカの南北戦争時に南部の州(アメリカ連合国)に使われた国旗です。

正式名称は「スターズ・アンド・バーズ」とも呼ばれていて、今でもアメリカ南部の州の人の誇りになっています。

 

左上の7つの星は当時アメリカ合衆国(北部の州)から離脱した7つの州を意味しています。

 

ドイツ系移民であるニコラ・マーシャルという人物がこの旗をデザインしました。

マーシャルになじみのあったオーストリア帝国の国旗がデザインに影響を与えているとも言われていることから、オーストリアの国旗と類似しています。

 

オーストリアの国旗

 

 

アメリカ連合国南軍旗

 

こちらは今でも問題となる旗ですが、もとはアメリカ連合国の「南軍旗」として使われていました。

アメリカでこの旗はダブーです。

 

というのも、南北戦争時の南部連合=奴隷賛成論者だったため、現在ではこの旗を掲げる=人種差別主義者として見られることがあるので注意が必要です。

 

 

サウスカロライナ州とアメリカ連合国旗

 

 

サウスカロライナの市庁舎では2015年までこのアメリカ連合国の国旗が掲げられていました。

サウスカロライナ州はもともと南北戦争時も、「南部の州として北部と戦った」という歴史があるため、この旗を市庁舎で掲揚するのは「戦争で戦った祖先に敬意を表する」という意味でした。

 

しかし前述したように、アメリカの一般的な認識として南北戦争時の南部の州=奴隷制賛成論者というイメージが非常に強いため何度も撤去を求める声が上がっていました。

この他にもアフリカ系アメリカ人の権利拡大に反対する人々(主にKKKなど)が度々敬称しているのがこの旗というのもあり、非常にイメージが悪いんですね。

 

そして、2015年6月にサウスカロライナ州のアフリカ系アメリカ人が通う教会で銃乱射事件が起きました。

その犯人は21歳の白人でアメリカ連合国を信奉していて、「白人至上主義」的な思想があったことから、サウスカロライナの市庁舎に掲げられていたアメリカ連合国旗の撤去デモが行われました。

 

要するに、サウスカロライナの市庁舎で掲げている連合国旗が若者の「白人至上主義」思想を助長しているという主張です。

この事件をキッカケにサウスカロライナ議会は「旗の撤去」にふみきりました。

 

現在アメリカではこのアメリカ連合国の国旗は、ナチス・ドイツの「ハーケンクロイツ」と同じような認識です。

 

ナチス・ドイツ=反ユダヤ思想=人種差別主義者

アメリカ連合国=奴隷賛成論者=人種差別主義者

 

こんな感じですね。

 

 

国旗は慎重に

 

こうやって、インターネットで国旗をご紹介している僕が言うのもあれですが、笑

中には国旗に関して非常に敏感に反応する人もいるので取り扱いには気をつけましょう。

 

特に最近ではSNSなんかで知らず知らずに国旗を敬称して他人を傷つけてしまったり、ひどい時には炎上してしまうなんてこともあるので注意が必要です。

日本でも度々「旭日旗」で韓国や中国と問題になったりしますが、留学先で韓国人や中国人がいる場合には「自分はそんなつもりはないのに」相手を傷つけてしまう場合があります。

 

国旗というのは歴史が詰まっている反面、問題を起こす火種にもなりかねませんので注意が必要ですね。