アメリカ人の愛国心はすごいです。
結構前ですが、同じ大学に通うアメリカ人の友達と会話していた時に、「日本に帰りたいかい?」と聞かれたことがありました。
「家族もいるし、食べ物美味しいし、そりゃたまには帰りたいよ」と言ったら、「でもアメリカは自由の国だぜ!」と返ってきたことがありました。
「どういう意味?」と聞いたら、「だって君の国は自由じゃないでしょ」と当然のごとく返ってきたのを覚えています。
これに関して、後々説明していこうかと思いますが、このような「勘違い」はアメリカ人の「愛国心」をすごく表していると思います。
実際にアメリカ人の愛国心はすごいものがあります。
ということで、本記事では「アメリカ人の愛国心・日本との違い」に関して詳しく解説していきます。
アメリカ人の愛国心
「広島・長崎への原爆投下は正しかった」
悲しいですが、アメリカにはこのように考えている人も多くいるのが現実でもあります。
これに関して、こちらの記事で詳しく書いていますが、アメリカの歴史教育では「原爆投下は正しかった」とは教えていません。
アメリカの歴史の授業は、日本とは違い、議論を徹底的にします。
先生が一方的に、「〜年にこういうことが起こった」というのを教えるのではなく、「なぜこんなことが起こったのか」というのをクラスメートと議論をするのが、アメリカの学校の日常です。
それを踏まえても、「原爆投下は正しかったんだ」というアメリカ人が多くいます。
不思議な話ですね。
愛国心ランキング
「あなたは国のために戦いますか?」
こんな問に対して、「はい」と答えた割合をランキング形式にしたものがあります。
言うまでもなく、アメリカは先進国ではダントツトップの44%をマークしました。
100人中44人が「戦う」と答えたということになります。
つづいて徴兵制のある韓国が42%、カナダは30%で、イギリスが27%、ドイツやフランスなどの他のヨーロッパの国々はそれよりも低く、最後に日本の11%で、最下位となっています。
参考:Gallup global survey – “Would you fight for your country?” Australia ranked very, very poorly.
日本との違い
「具合的に日本とはなにがどう違うの?」
こんな疑問ですが、現在アメリカに住んでいる身として、「アメリカと日本の違い」というのを目の当たりにすることが多々あります。
例えば、車を運転していれば、街の至るところで星条旗が掲げてあるのを見ます。
役所や警察署はもちろん、学校、病院、銀行などなど、そういった建物でもアメリカの国旗が掲げられているのがアメリカです。
住宅街を歩いていれば、普通の家庭でも玄関に星条旗を掲げているのは珍しくありません。
祝日の違い
祝日のあり方も違います。
特に7月4日の独立記念日は国を挙げて祝います。
その日はテレビのニュースなどで、軍人さんなどをたたえたり、国歌斉唱などもします。
祝日なので、ほとんどの仕事は休みになり、お店は閉まって、夜になると花火を上げます。
日本にも「建国記念日」というのが、2月11日にありますが、その日はあまり祝われないどころか、その日の存在すら知らない日本人も結構いますね。
独立記念日を知らないアメリカ人は (ほとんど) いません。
戦争関連の記念日も同じような感覚です。
あの有名なノルマンディー上陸作戦の日は、「D-Day」と言ったりしますが、その日になると第二次世界大戦の特集などが多くなります。
あとは、「真珠湾攻撃」の日も同じですね。
毎年退役軍人さんをたたえたり、戦争の経緯に関してなどをよく報道したりしてます。
これは8月の「終戦記念日」に近づくと、第二次世界大戦に関する特集が増える日本と同じですね。
スポーツの違い
日本では「阪神VS巨人」のような対立構造で、スポーツが盛り上がったりしますが、これはアメリカでも同じです。
野球で言えば、メジャーリーグの「ニューヨークVSボストン」ですね。
しかも、これは日本のものとは比較にならないほどエグいです。
高校野球でも、「自分の母校が甲子園に行った」となると、「愛校心」というようなものが少なからず生まれてくると思いますが、そのへんアメリカはすごいです。
自分の大学のスポーツは「死ぬ気」で応援します。
アメリカの「国技」でもあるアメフトの試合(スーパボウル)は、毎年ほぼ全員のアメリカ人が観ると言っても過言ではありません。
実際にテレビ離れが騒がれているこのご時世でも、スーパーボウルの試合になると全米で視聴率50%近くを叩きます。
それくらいアメリカの「スポーツ熱」はすごいのですが、「これが愛国心となにが関係あるの?」というと、この熱気がそのままアメリカという「国」に注がれてもいるからです。
実際にアメリカが危機に面したときは、一つになって「戦う」というのがアメリカ人です。
これは政治やビジネスでも同じことが言えますね。
自分が応援している政党のステッカーを車に貼ったりするのも、アメリカではあるあるです。
教育の違い
そして最後に「教育の違い」です。
冒頭にも書きましたが、不思議なことに「アメリカ以外の国には自由なんて存在しない」、「アメリカは世界で最も自由な国」と思っているアメリカ人はかなり多くいます。
最終的に「アメリカは世界で最も素晴らしい国」と勘違いしてしまうパターンですね。
僕も日本で生まれ育った日本人ですが、「日本が世界で最も良い国」とは思いません。
ですが、少なくとも「日本がアメリカよりも自由がない国」とは一切思いません。
アメリカもアメリカで自由がないです。
ですが、愛国心の強いアメリカ人はそうは思いません。
これはアメリカの「教育の違い」が生んでいるものでもあります。
例えば、アメリカでは小学校から「自由」を徹底的に教えます。
アメリカの建国や歴史を説明する時に、「イギリスから自由を求めて大陸にやってきた」からそもそもが始まるので、当然といえば当然ですね。
「政治、宗教の自由はゼッタイ」
これを徹底的に叩き込みます。
日本とは少し違いますね。
日本の場合、「建国」といえば、大化の改新や聖徳太子から始まり、戦国時代、徳川将軍、明治維新⇨富国強兵、と続きます。
どっちかと言うと、自由(Liberty)よりも団結・統一(Unity)といった概念に価値を置きます。
したがって、アメリカは(名目上)自由な国だからこそ、愛国心がなければ成り立たない、一致団結できない、ということでもあるというのが結論です。
ということで、これが「アメリカ人の愛国心・日本との違い」になります。
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