【日本人が知らない】アメリカは都会と地方では文化が全く違う件

【日本人が知らない】アメリカは都会と地方では文化が全く違う件

 

筆者は現在アメリカ・ノースダコタ州の田舎に住んでいます。

当サイト「ミナトのすゝめ」ではアメリカの文化、歴史、政治に特化した記事を多数発信しています。

 

ということで、先日ツイッターでこんなことをつぶやきました⇩

 

 

「アメリカ」と言えばニューヨークやカリフォルニアなどの大都市の街並みを思い浮かべる方も多いと思います。

しかし、実際のところではニューヨークやロサンゼルスは「本当のアメリカの文化」とは大きく異なります。

 

本記事ではアメリカの都会と地方を比較しながら「どのくらい文化や社会構造が違うのか」ということについて日本と比較しながら詳しく解説していきます。

 

①「上京」という概念

 

東京は基本的に地方から上京してきた人たちで経済が成り立っていますね。

高校卒業と同時に東京の大学に進学し、そのまま東京で就職なんて人も一般的ですね。

 

しかしアメリカには「上京」という概念はそもそもありません。

ではニューヨークやカリフォルニアには誰が住んでいてなぜあんなに経済が潤っているのかと言うと移民や外国人が来るからです。

 

つまり東京は地方からの日本人を受け入れている一方で、ニューヨークは世界中から外国人を受け入れています。

したがって、アメリカでは大都市と田舎では文化や住んでいる人種さえも違います。

 

例えば日本では地方から東京の大学に進学し卒業後はまた実家に帰り、地方都市で就職する人も多いですね。

このように日本では都市と地方の流動がまだあります。

 

一方でアメリカ人はと言うと、「ハリウッドを目指してロサンゼルスに行く」という方や、「音楽で成功するためにニューヨークに行く」という方も中にはいます。

しかし、家族と離れるし、物価も高く、治安の悪い都市には基本的に行きたがりません。

 

地元の大学を出たらそのまま同じ州で就職するのが一般的です。

 

都会と田舎では常識が違う

 

よく地方から東京に来ている人は、「東京の人は冷たい」とか「電車のマナーがわからない」などのことで困っている人も多いのではないでしょうか。

アメリカではこれ以上に都会と地方では常識が異なります。

 

ニューヨークに旅行で行ったことのある方ならわりとわかると思いますが、地下鉄でギターを引いていたり、電車の中でダンスをしていたり、街中で喧嘩をしていたりするのもめずしくありませんね。

筆者も初めてのアメリカがニューヨークだったので、「アメリカってすごいな」なんて圧倒されたりもしましたがこれは大都市ならではの光景です。

 

アメリカの他の地域では「公共の場で騒ぐのはマナー違反」というのは常識です。

「人種のるつぼ」と言われるように、移民が多く様々な文化が存在するニューヨークやロサンゼルスならではの光景です。

 

このようにアメリカも都市圏と地方ではマナーや常識などが全く違います。

 

 

②中央集権制ではない

 

「東京一極集中」と言われているように日本は東京に統治機構が集まっている「中央集権国家」です。

一方でアメリカは「連邦制」なので各州に統治機構が存在します。

 

つまり、日本とは違い、それぞれの州が「国」のような構造となっています。

 

「アメリカ人に出身地を聞くと必ず州の名前が返ってくる」

よくこのように言われることもありますが、つまりアメリカ人は自分の出身を「アメリカ(国)」ではなく、「テキサス」や「ワシントン」といった「州」で答えることが基本です。

 

つまりそれだけ州の概念が強いということかもしれませんね。

 

そもそも法律が違う

 

「州の概念が強い」ということですが、というのも州によってそもそも法律が違います。

例えば都市部では銃を使った犯罪が多発しているので、銃規制に関してはかなり厳しくなっています。

 

一方で地方や田舎などの州や地域では農村部での鳥獣被害や野生動物から自己防衛のためなどで銃に対してかなり寛容です。

田舎ではスーパーマーケットで銃が買えるほどです。

 

いくら同じアメリカと言えど、これは都会の人たちからしてみれば考えられません。

また、環境問題に対しての「意識の違い」も都会と地方では圧倒的に異なります。

 

例えばカリフォルニアでは飲食店で「ストロー」を提供するのが法律によって禁止になりました。

これはカリフォルニアで環境問題が深刻になってきたことを表していますね。

 

地方では環境汚染や温暖化問題も「身近なもの」ではありません。

むしろ地方では重工業、石油産業、石炭産業が経済を支えているので、環境問題も「アメリカの問題」というよりも「それぞれの州の問題」として捉えられています。

 

Advertisement

 

③メディアの違い

 

アメリカに比べ日本の都市部と地方ではメディアの分裂構造が少ないです。

朝日新聞・読売新聞・毎日新聞・日本経済新聞・産経新聞の5紙がいわゆる「全国紙」と言われていますが、都会の人も地方の人も多くがこれら全国紙を読みますね。

 

一方でアメリカはというと全国紙よりも地方紙が好まれます。

日本で言う「神奈川新聞」のようなものですが、アメリカ人はその地域に特化した新聞を読みます。

 

「ニューヨーク・タイムズ」が地方紙では最も有名ですが、それぞれの州や地域の新聞を読み、「より身近な」情報を得ます。

 

これはTV番組やテレビのニュースでも同じことが言えます。

よく言われるのが、リベラルメディアの代表とも言える「CNN」は都市部でよく見られていて、保守メディアの代表である「Fox News」は地方で人気があります。

 

都市部と地方では聞く音楽さえも異なります。

「HipHop」や「Rock」など過激で、自由と平等、政権批判、社会に訴えるような都会的でリベラルな音楽がまさに日本のなかでの「アメリカ音楽」の代表格ですが、田舎では全く違います。

 

アメリカの田舎では昔から「カントリーミュージック」が好まれます。

 

政治的分断がひどい

 

ここまででわかるように、アメリカでは日本と比べ物にならないほど都市部と地方では文化が異なります。

ここで昨今問題になっているのが「政治的分断」です。

 

冒頭にも言っているように、アメリカの都市と地方では読む新聞や見るテレビも違ければ、音楽、法律、マナー、常識も違います。

逆に言えばこれだけ違うのに「一つの国」として成り立っているのがすごいですよね。

 

まさにこの問題こそがトランプ氏が大統領になったことによってより明るみになったと言えます。

トランプ大統領の政策から見る「アメリカ国内の都市と地方の違い」は以下の記事でも詳しく書いています⇩