真珠湾攻撃、ケネディ暗殺、同時多発テロなどなど、アメリカには数多くの陰謀論が存在しますが、1969年に人類が初めて月面着陸したとされているアポロ計画に関しても例外ではありません。
本記事ではそんな「宇宙開発」の歴史を振り返っていきながら、その陰謀論について、そしてこれはどこから来たものなのか?ということに関して詳しく解説していきます。
宇宙開発競争
第二次世界大戦後、アメリカとソ連の間で「冷戦」が起きます。
これはつまり、資本主義と共産主義の対立という構造となっていました。
そこで、アメリカとソ連は宇宙に目をつけます。
この「宇宙開発競争」というのは、1957年から1975年まで続きました。
アメリカ対ソ連
「なんで宇宙なの?」ということですが、軍事力と宇宙開発は密接な関係があるからですね。
もともとは軍備の拡張競争だったのですが、次第に軍備よりも宇宙のほうがメインになってきて最終的に「宇宙競争」と呼ばれるようになりました。
国の技術力、科学力を世界にアピールするためのものだったということですね。
1957年にソ連が世界で初めて人工衛星を地球周回軌道に送り込むことに成功しました。
これは世界に衝撃を与えました。
特に当時ソ連と対立していた西側諸国は、すぐにさらなる宇宙開発に乗り出します。
これを「スプートニクショック」といいます。
「スプートニク」というのはソ連の人工衛星の名前です。
そんなこともあり、アメリカは翌年の1958年には人工衛星、続いて世界で初めて通信衛星の打ち上げに成功します。
それに対しソ連は1960年に世界で初めて2匹の犬を宇宙に送り帰還させ、翌年61年に有人宇宙飛行を成功、65年には宇宙遊泳もします。
「地球は青かった」という有名な言葉はこのときに初めて宇宙飛行をした「ガガーリン」という宇宙飛行士の言葉です。
そして1969年7月に人類で初めての月面着陸にアメリカが成功させます。
アポロ計画
出典:アポロ計画
「私が知っているすべてのもの、私の人生、私が愛したもの、海、それらすべての世界が、いま私の親指の後ろに隠れてしまう」
これは宇宙飛行士ジェームズ・ラヴェルという方の言葉です。
アポロ計画の総予算は現在の日本にしてなんと「13兆円から14兆円」と言われています。
ちなみにですが、2020年の東京オリンピックの総費用が約3兆円と言われています。
アポロ計画陰謀論
ではここからが本記事の本題となりますが、アメリカや世界ではこのアポロ計画を「アメリカの捏造だ」とする声もかなりあるのが現実です。
これに関してはフィクションやジョークではなく、わりと著名な方なども主張していたり多くの出版物もあります。
中でも1974年に出版された「We Never Went to the Moon(我々は月になど行っていない)」という本は当時かなり売れました。
「マジで??」と思う方も多いかと思いますが、アメリカは「キリスト教国家」です。
「地球は平面である」と本気で信じている人が未だにいます。
「平面地球協会」という団体もあるほどです。
これらの団体はアポロ計画はアメリカ政府の壮大な「捏造だ」と主張しています。
捏造派の主張
「月面で撮影した写真に月が一つも写っていない」
「月面は真空なのにアメリカ国旗がはためいている」
「月から持ち帰った「月の石」は地球の石と何も変わらなかったのはなぜか」
などなどこのような主張がありますが、もともと当時のアメリカでは月面着陸はそこまで信じられていませんでした。
というのも、当時の国内情勢を見てみると、ベトナム戦争やウォーターゲート事件など政府に対する不信感が吹き荒れていた時代でした。
そんな時に陰謀論を唱える本が出版されたものだから、「これだからアメリカ政府の言うことなんか信用できない」という声が大きく上がりました。
実際にギャロップが世論調査を行った結果国民の約3割が「月面着陸を信じない」と回答しているほどです。
参考:https://www.newspapers.com/newspage/253808603/
日本ではアメリカの陰謀論は度々「反米主義」や「政治的イデオロギー」とつながることが多いのですが、アメリカでこのような陰謀論が上がるのは大体キリスト教関係でもあります。
上でも書いていますが、現在でもキリスト教根本主義の方々からは「月面着陸=捏造」という声が上がっているのが現実です。
ですが、同時多発テロに関しても月面着陸に関しても「実際に関わった方々に不敬だ」という人ももちろんですが多くいるので、公の場で冗談混じりに発言するのもよくありませんね。
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