「アメリカに行ったときに接客態度の悪さにびっくりしたよ」
こんな人も多いかと思います。
実際に筆者もアメリカに初めていったときはその雑さに驚いたのを覚えています。
しかし、そのあとアメリカ&日本に交互に住むにつれて、「あ、おかしかったのは日本のほうだったんだ」と気付かされましたね。
お叱りの声が飛んできそうですが、日本の接客が異常なだけでした。
ということで、本記事ではそのへんの真意、アメリカにおいての「接客文化」というものを詳しく解説していきます。
本記事の信頼性
さて、本記事では「個人的な見解」をただただ綴っているだけなので、「信頼性もなにも必要ないだろ」と言われそうですが、上でも書いたように「お叱りの声」が飛んできそうなので、「なんでそんなことが言えるの?」という疑問を最初に回答しておきたいと思います。
筆者は現在アメリカに住んでいます。
単身でアメリカに来たのがもうかれこれ6年前の話で、そこから一年半ほど大学でジャーナリズムを勉強した後、日本で数年働いて、現在復学という形でアメリカでマーケティングを勉強しています。
「マーケティング専攻」ということで、アメリカにおいての「ビジネスの理論」「消費者文化」などはある程度わかったつもりでいます。
当サイトでは、「アメリカにいるからこそわかる情報」というのを常に発信しています。
では、さっそく本記事の本題に入りましょう。
アメリカの接客
「アメリカの接客はひどい」
「アメリカの接客のほうが好き」
こればっかりは、個人の好みかもしれません。
筆者は個人的には後者の方です。
日本⇨店員とお客様|アメリカ⇨人と人
ニューヨークでは、アパレルショップに行くと店員が店内の音楽に合わせてダンスを踊っています。
それも一人ではなく、何人かで踊っています。
これは筆者が高校生の頃、「卒業旅行」ということで、友達とアルバイトで貯めたお金を使い、ニューヨークに旅行したときの光景です。
衝撃でしたね。
「あ、こんなのいいんだ」と思いました。
そこにいるお客さんも普通にお買い物を続けていました。
アパレルショップの店員さんで言えば、お客さんは「お客様」ではなく「友達感覚」です。
「今日の調子はどうですか」
「なんかあれば声をかけてくださいね」
これらの会話が始まり、試着のときは「似合ってるよ」とか、「こっちの色のほうが良いかもね」なんていう会話まで行き着きます。
「店員とお客様」ではなく、あくまで「人と人」という感覚です。
クレーム対策
留学して初めてアメリカのコンビニに行ったときも衝撃だったのを覚えています。
店員さんが電話しながら接客していたり、隣のレジにいる人と世間話をしながらレジを打っていたり。
筆者も日本で接客のアルバイトをしていましたが、日本でそんなことしてたら怒鳴られて終わるか、苦情が入ってクビになってゲームオーバーですね。
でもそもそもですが、コンビニの店員に「なにを求めているんだ」というのが疑問です。
接客になんの支障もないのに、「ずっと立っていないとダメだ」とか、「掃除をしていなければダメ」とか、そんな無駄なルールがたくさんありますね。
アルバイトをしたことがあれば、店長や上司に怒られたことがある人も多いと思います。
これは単純に「クレーム」が怖いからですね。
クレームが入らないための安全策として、「とりあえずやっとけ」となり、「無駄な仕事」がただただ増えていきます。
そうなった結果、さらに「お客様」からの要望・期待が高まり、現在ではサービスがインフレしている状態です。
この尻ぬぐいをしているのは、アルバイトなど、誰かの下で働いている方々です。
そもそもコンビニなど、時給1000円も満たないようなアルバイトから「素晴らしい接客」を求めるのもどうかしているんじゃないか、と筆者は思っていますね。
例えば、日本のコンビニでお弁当や飲み物を買えば何も言わずとも、袋の中にお箸やストローが一緒に入っているのが基本で、むしろ入っていなければ苦情が入ることもあります(筆者経験アリ)。
アメリカではどうでしょうか。
「なんでストローを入れてないの?」
こんな苦情を言ったとしても、「欲しければ言えば良かったじゃん」と言われて終わりです。
上でも書きましたが、店員はロボットではなく、人間です。
コミニュケーションをとるのが前提ですし、そもそも給料もそんなに高くないコンビニのアルバイトにお客さんも大したものを求めていません。
アメリカでは社員を守ります
さて、こちらの動画は少し前にツイッターで話題になった「私にも家族がいます」という悪質クレーム撲滅のためのものです。
こちらの動画の中では、担当者が悪質クレーマーに対して「店長を呼んできて」とあり、一緒に謝罪をしている場面もありますね。
日本では「とりあえず謝っておけ」という感覚からでしょうか、何かあればとりあえず謝っておきます。
相手は悪質クレーマーであり、そもそも言い分がおかしいはずなのに、謝るのはおかしな話ですね。
これがアメリカならどうでしょうか。
アメリカでは店長が出ていき、事情説明⇨説得、この流れが基本です。
もちろん明らかに企業側のミスであれば謝りますが、このような「意味不明」なクレームに対して謝ることはありません。
そもそも企業はスタッフを守るのが第一なのに、スタッフを代表して謝罪するのはおかしな話ですね。
アメリカ人の感覚で言えば、これは守っているのではありません。
チップ制度
アメリカの接客というのは、チップ制度を理解することですべて解決できます。
そもそも、「サービス=無料」ではありません。
「アメリカ人の接客態度とチップ制度が釣り合わない」
よくこんなこと言う人いるけど、僕からしたら店員になにを求めてるんだろうって感じで、なにかをやってもらった対価にお金を払うのは当たり前だと思うんだが。
サービス=無料ではない
— マサヤ🇺🇸自宅で就活中 (@masaya_minato) May 1, 2020
先日ツイッターにて、こんなことをつぶやきました。
こんなことを言うと、「いや、サービス料金は商品や食べ物などの料金に含まれているだろ」と言う人もいるかもしれません。
つまり、「お店側に払っているお金はサービス料も込み」という論理ですね。
では、そのお金は直接店員の手に届きますでしょうか。
届きません。
お客さん⇨お店⇨労働者
こういう流れでお金が回っていきます。
なので、「料金と一緒にサービス料も払っている」というのは間違いで、労働者にお客さんから直接お金が渡らなければ、「それはサービス料金」とは言いません。
つまり現状では、日本の労働者、アルバイトで働く人は「無料でサービスを提供している」ということになっています。
そもそもデフレで給料・賃金が下がっているのに、無駄なサービスやプレッシャーは増えているというのが今の現状です。
「お店側に払っている料金はサービス料も込み」というのであれば、お店側は労働者に対してもっと給料を払うべきではないでしょうか。
さて、本記事では「接客・サービス」に関して、かなり持論を書いてきました。
「アメリカのチップ文化についてもっと知りたいな」
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