当ブログ「ミナトのすゝめ」では日本とアメリカの文化比較をしています。
ということで、先日このようなツイートをしました⇩
https://twitter.com/masaya_minato/status/1108079931378917377
アメリカのテレビ、ニュースをよく見る方はこれわかってもらえるかもしれませんね。
本記事ではアメリカと日本においての「テレビ番組」の違いに関して詳しく解説していきます。
近年日本では若者の「テレビ離れ」がよく言われてますが、アメリカではどうなのでしょうか。
「テレビはつまらない」という声が日本の中で結構ありますが、アメリカ人はテレビに対してどのように思っているのでしょうか。
「アメリカのドラマや映画は見たことあるけど普通のテレビ番組って日本とどう違うの?」
このような疑問にお答えしていきます。
アメリカのテレビの基本情報
https://twitter.com/masaya_minato/status/1061183041643507713
アメリカでは4大ネットワークとその他のローカルチャンネルやケーブルチャンネルに別れます。
アメリカではケーブルチャンネルの加入率が圧倒的に多く、国民の60%〜70%が加入していると言われています。
したがって、アメリカではテレビ=ケーブルチャンネルを含めたテレビというのが前提となりますね。
ABC (主な番組: オスカー)
CBS (主な番組: ビックバンセオリー)
NBC (主な番組: Saturday Night Live)
FOX (主な番組: スーパーボウル)
アメリカにおけるテレビ離れ
日本同様アメリカでも多くの人(特に若い人)がテレビを見なくなってきてます。
その原因は言うまでもなくインターネットです。
多くの家庭では日本同様にネット通信可能なテレビがあり、お茶の間ではテレビ番組ではなくYouTubeやNetflixなどのコンテンツを中心に観ている家庭もあります。
スポーツ中継は例外
テレビ離れが叫ばれる一方、アメリカが日本と大きく違うのは「スポーツ中継」です。
例えば、スーパーボウル(アメリカンフットボールの優勝決定戦)では毎年全米で50%以上の視聴率が取れます。
また、メジャーリーグの優勝決定戦である「ワールドシリーズ」でも同じくらい、またはそれ以上の視聴率を叩き出すことがあります。
日本でスポーツ中継が視聴率を取れるのは主にオリンピックやワールドカップです。
あとは日本シリーズ、タイトルマッチ(ボクシング)くらいでしょうか。
そのプロ野球でさえも近年ファン減少が叫ばれています。
ということで次にアメリカと日本のスポーツ中継の違いをみていきましょう。
スポーツ中継の違い
日本のテレビに関して、よく不満の元として言われるのが「スポーツ中継の少なさ」です。
日本ではテレビをつけてスポーツ中継を観ようと思ったら野球くらいしか選択肢がありません。(近年では野球中継もかなり停滞気味ですが)
あとはたまに見れるのはメジャーなスポーツ、駅伝、相撲、テニス、ゴルフ、サッカー、フィギアスケート、バレー、などなど。
これらも全て、ワールドカップやWBC、オリンピックなどと同様で「大きな大会」のみでしか、取り扱われません(相撲は例外)。
アメリカでは「4大スポーツ」と呼ばれる、野球、アメフト、バスケ、アイスホッケーの主流なスポーツを含め、サッカー、ゴルフ、ボクシングなどのスポーツ中継が常に見れます。
というのも、前述したようにアメリカではローカルチャンネルやケーブルテレビの量が日本とは比べ物にならなく、加入率も圧倒的に多いです。なのでスポーツ中継だけでなく他のテレビ番組も多様でニッチなものが多くあります。
釣り専門チャンネルや24時間料理の紹介しかしない番組などもあります。
また、近年ではFacebookがアメリカのサッカーリーグの中継を始めたということでさらに選択肢が増えそうですね。
お笑い番組の違い
日本とアメリカの「お笑い」の違いを比較するにはあまりにも違いがあるので歴史的背景から見ていかなければなりません。
日本ではお笑いの原型と言えば、「落語」や「漫才」、「喜劇」、「紙切り」などの「演芸」から始まり、近年では「コント」や「大喜利」などが人気ですが、これはボケやツッコミがいたり、「オチ」が存在する前提でことが進んでいきます。
ではアメリカのお笑い番組はどうでしょうか。
アメリカのお笑いと言えば「スタンドアップコメディ」が主に思いつきますが、日本のお笑いと大きく違うのが、一人の芸人がステージで数十分もの間ネタをやる(話す)、という点です。
また、主に笑いのネタにするのは、政治や性的なものです。
そして、芸人は「常に人気者」であり、日本の芸人さんがキャラづくりでよくやるような「バカ」や「ブサイク」ネタで笑いはあまりとりません。
ということで、日本とアメリカのお笑いでは大きく違うのが分かります。
日本の多くの方がアメリカや英語圏のお笑いを理解できないのが現実であります。
筆者も未だにスタンドアップコメディの面白さがわかりません…
シットコムについて
アメリカのお笑いを語る上で欠かせないのがシットコムについてです。
シットコムとはSituation Comedyの略でドラマ形式のコメディ番組です。
日常の何気ないシーンをドラマにして笑いを取る、という手法です。
主なドラマを上げると、「フレンズ」や「フルハウス」などがありますが、アメリカだけでなく日本を含む多くの国で大人気ですね。
日本でこの形式のコメディドラマはあまり見ませんが、志村けんさんがたまにやっていたりしますね。
一応「バカ殿」もシットコムのジャンルで良いかと思います。
シットコムは面白いのでおすすめです。
バラエティ番組の違い
バラエティ番組においても大きな違いがあります。
日本のバラエティ番組では、ひな壇にタレント&芸人(数十人)が座ってトークをしたり、VTRを見たりするのが一般的ですが、アメリカでは出ている演者の数がもっと少ないです。
「いいとも」のテレホンショッキングや「徹子の部屋」などが良い例かもしれませんね。
あんな感じで司会の人とゲストが二人で話すタイプのトーク番組がアメリカでは主流です。
クイズ番組やゲームをみんなでやる(Game Show)形式のバラエティー番組はアメリカにもあります。
ここで大きく違うのが、アメリカでは「負けたら罰ゲーム」ではなく、「勝ったら賞金」という点です。
負けたら罰ゲームをやるというのは世界でも非常に珍しく、「Batsu Game」という言葉が英語版Wikipediaで「日本のお笑いやバラエティでは主流の番組構成である」というふうに紹介されているほどです。
ドラマの違い
ドラマは言うまでもないかもしれませんね。
日本とアメリカでは圧倒的に違います。
そもそもスケールが違うというふうに言ってしまえばおしまいですが、具体的な違いを出すとすれば、
日本は俳優や女優重視(ジャニーズばかり)でそのキャラクター中心の構成ですが、アメリカはあくまで演者ではなくストーリー中心の構成です。
また、日本のドラマは「感動モノ」、「学園モノ」、「医療系」のジャンルに偏っていて、内容もコミカル&視聴率重視な作品が多いですね。
また、規制が厳しすぎるという点も言えます。
これはどっちが良いかとか、どっちの方が優れているとかではなく、「比べる対象がそもそも違いすぎる」と言えるくらい、日本とアメリカのドラマは別物です。
まとめ
ということでまとめると、アメリカと日本のテレビには大きな違いが多数あると言えますね。
テレビというのは国の文化に大きく影響するのでテレビの違い&特徴を知っていると、アメリカに旅行や留学する際に便利かと思います。
NPOブロードバンドスクール協会の事務局を担当しております。30年ほど高齢者や視聴覚障害のある人のICT利用支援活動、情報格差の解消に取り組んでおります。
アメリカと日本のテレビ事情 特にスポーツ中継の違い 大変興味深く読ませていただきました。
今 日本の総務省で放送をめぐる諸課題検討会に参加していることから、民放という雑誌に、これからのテレビについて提言するための原稿を書く機会をいただきました。
よろしければ ぜひ ミナトさんのご意見を紹介させていただきたいのですが、アメリカでは、高齢者や障碍者の放送視聴に関連した工夫、たとえば 目の不自由な人むけの解説放送技術や 字幕などについて、いいなあと思うところがあれば教えていただきたくご連絡もうしあげます もし、原稿作成にご協力いただけるようでしたら原稿料もお支払いします。お返事をいただけましたら幸いです。
近藤様
コメントを頂きたいへん嬉しく思います。
日本でも最近では字幕をつけることのできるTV番組が増えてきていますが、アメリカやイギリスに比べるとまだ遅れていると言えます。
というのも、アメリカでは1990年に「テレビ字幕表示装置法」(Disorder Circuit Act)というのが制定されて以来、ほとんどのTV番組で字幕をつけることが義務付けられています。
つまり、テレビを視聴中にリモコンの「Closed Caption」をONにすれば英語の字幕がつけることができます。これは生放送でもつけることが可能です。
これは耳の不自由な方のためというのはもちろんですが、英語は世界共通語であり、アメリカは特に「移民の国」ということもあり、第二言語として英語を話す人のためのものでもあります。
実際に外国人である僕も現地のテレビを見る際にとても助かっています。
アメリカのテレビ放送においての高齢者・障碍者の放送視聴に関連した工夫で僕が思いつくのはこの「字幕」に関してに限られるので、大変恐縮ですが原稿執筆に関してはご協力できかねます。
今後ともよろしくお願いします。
さっそくにお返事をいただき本当にありがとうございます。
「テレビ字幕表示装置法」(Disorder Circuit Act)のことを教えていただきありがとうございます。
アメリカにはアメリカ障碍者法やリハビリテーション法など、格差解消のいろいろな制度があるのですが、日本では 努力しましょうレベルです。
視覚障碍者むけに 副音声による解説放送というサービスがあります。ご存知でしょうか?
ドラマなどで、主人公たちがセリフのない場面での状況説明をするサービスです。
日本では 聴覚障碍者の有志が視覚障碍者の友達たちのためにネットで手作りの解説放送もどき?サービスを行って助け合っているという話をきいたことがあります。
アメリカのテレビのリモコンには多言語の選択の他に解説放送はあるのでしょうか? もし わかるようであれば ご教示くださいませ
我が家でも アマゾンプライムやネットフリックスでドラマをみていますが、米国発のスポーツ中継はメジャーの野球、テニス ゴルフの大きな大会といった高額な広告がつきそうなものに(^^)限られています。
2020年のオリンピック パラリンピックの中継や視聴方法も、大きく変わる時代になりそうですので、改善の良い機会になるといいなと思うのです