こんにちは。本記事はミナトのすゝめ「アメリカ史」に関しての記事になります。
アメリカが建国されたのはわずか250年足らずで、その前のアメリカの地には「インディアン」、つまり先住民が住んでいました。
イギリスからの移民がアメリカ大陸に渡り、アメリカを建国、新しい土地を開拓すると同時に先住民の虐殺が行われました。
その悲劇的な歴史から現在でもアメリカには問題があります。
本記事ではそのへんの歴史を詳しく書いていきながら、現在の政治問題までを解説していきます。
インディアンとは?
上でも書いてあるように、アメリカが建国されたのはわずか250年前の1776年のことです。
というのも、アメリカは元を辿るとイギリスからの移民、つまり白人から成っている国です。
しかし現在のアメリカを見てみると白人だけでなく、黒人、ヒスパニック系、アジア人、日系の人まで様々な人種が暮らしていますね。
つまり世界の至るところからの移民でアメリカは成り立っています。
しかしこれら「外国人」がアメリカに来る前までは当然ながら先住民の方々がいました。
これら先住民の方々を「インディアン」と言います。
ややこしいですが、「インディアン」というのは、「インド人」のことではありません。
インディアンは白人でも黒人でもなく、どちらかと言うとアジア系に近い人種です。
最近では「ネイティブ・アメリカン」とも言います。
ではここからアメリカ史の基本情報を見ていきましょう。
アメリカ大陸発見
15世紀半ばからヨーロッパでは「大航海時代」というのが始まります。
大航海時代とはヨーロッパ人によるアフリカ、アジア、アメリカ大陸などへの大規模な航海を行っていた時代ですね。
日本にも「鉄砲」や「キリスト教」など西洋の文化がポルトガルから伝わった時代でもあります。
戦国時代のことですね。
実際にポルトガルの歴史年表には「1541年 日本発見」というのがあります。
当時すでにそこには日本人がいたのに「発見」という言葉を使うのはおかしい気もしますが、これは「ヨーロッパ人が日本を見つけた年」ということになっています。
ここで話を戻しますが、この時の本当の大発見は「アメリカ大陸」でした。
というのも、当時はまだ「地球は平面である」というのが定説でした。
ヨーロッパよりも西、つまり大西洋を横断することは「不可能」と信じられていました。
世界地図を見てみるとわかりますが、日本が「Far East Asia(極東アジア)」と言われるように、文明は東にしかないとみんな信じていたわけですね。
しかしここで「地球は球体なのではないか」という概念がヨーロッパで生まれ始めます。
「球体だったとすれば、東側に行くよりも西側から行ったほうがアジアに行くのに便利じゃないか」ということですね。
というのも、当時ヨーロッパではインドとの交易を盛んに行っていました。
「インドに行くのにあまりにも時間がかかる」ということで、「じゃあ反対側から行ってみよう」と西側にある大西洋を人類で初めて越えることになりました。
これが「クリストファー・コロンブス」という人物ですね。
「海を超えればアジアに着く」と信じて大西洋を越えた「コロンブス」でしたが、当時は「GPS」のようなものはあるはずもないので、「陸地に着いたは良いけどここがどこだかわからない」という現象が起きます。
そもそもアジアを目的地として海を越えていたので、コロンブスはアメリカ大陸を「インド」と勘違いしてしまいます。
ここからアメリカ大陸にいた人たち(先住民)を「インディアン」と呼ぶようになるわけですね。
しかし「ここはアジアではない」ということが次第にわかるようになります。
つまりこれが「アメリカ大陸が発見された瞬間」です。
ヨーロッパでもアジアでも、アフリカでもない「新天地」が発見されました。
インディアンの虐殺
もともと住んでいた土地に見ず知らずの白人が急に来て、ドカドカと入植を始めたら腹が立つのは当然と言えば当時ですね。
次第にインディアン(先住民)と入植者(ヨーロッパ人)の間で争いが起き始めます。
しかし当時の文明で言えばアメリカ大陸とヨーロッパでは天と地ほど離れていました。
当時のアメリカ大陸には組織化された軍隊など無かったので、ヨーロッパから来た人間から土地を守れず、クリストファー・コロンブスを始めとした入植者たちは先住民に対して殺人、窃盗、強姦、拷問を繰り返しました。
「まるでスポーツのようにインディアン、動物、鳥を殺していった」と伝えられています。
またアメリカ大陸には「金」があったので、黄金採取のために先住民を奴隷化し、中にはヨーロッパ本土まで送られヨーロッパで奴隷とされました。
このようにしてアメリカ大陸はヨーロッパ人によって侵略されました。
現在のアメリカ、カナダはイギリス&フランス、中南米はスペイン&ポルトガルによって支配されるようになります。
今でもこれらの国々が英語やスペイン語、カナダの一部ではフランス語を話すのはこのような歴史からですね。
アメリカ建国まで
「無事に入植を成功させた」イギリス人の移民はアメリカにおいてさらなる「植民地政策」を行っていきます。
当時はすでに銃もあったので、先住民を銃器で圧倒しました。
想像してみるとすごいですね。
「バン!」という音だけで人が死んでしまう見たこともない武器を使うヨーロッパ人を、先住民の方々は「魔法使い」や「悪魔だ」と信じました。
そしてヨーロッパから人が来たことにより、アメリカ大陸では疫病が蔓延し、生活権を奪われたことにより先住民は飢饉に陥ります。
そして最後の「武器」としてイギリス人は宗教を利用していきます。
ヨーロッパの宗教はキリスト教なので、アメリカにおいてキリスト教を布教させていきます。
キリスト教=絶対、キリスト教の宣教師の国=ヨーロッパ、ヨーロッパ人に逆らうもの=朝敵、という構図を作り、宗教を用いて先住民の方々を「飼いならして」いったわけですね。
イギリス人は銃、疫病、飢饉、宗教を利用してアメリカ植民地政策を「成功」させました。
建国から西部開拓
アメリカ建国前である1622年から1890年の間にイギリス人入植者とインディアンの間では果てしないほどの紛争が続きました。
これを「インディアン戦争」と言います。
当時は1000万人ほどのインディアンの人工があったとされるアメリカも徐々にその数は減っていきました。
アメリカ政府の方針に反逆するものは虐殺していったわけですね。
もともとそこに住んでいたインディアンたちは土地を追われ、アメリカ政府が管理する「インディアン居留地」という場所に押し込められました。
この「インディアン居留地(Indian Reservation)」という制度は現在でも存在し、これが現在におけるアメリカの社会問題になっているのですが、これに関しては次の項目で詳しく書いていきます。
さて、アメリカ政府の「民族浄化」はさらに続いていきます。
19世紀の半ばから「ゴールドラッシュ」というのが始まります。
「西にはまだ未開拓の土地と金がある」
これを知ったアメリカ人は現在のカリフォルニアを開拓し始めます。
この開拓は同時にインディアンに対しての「土地の没収」でもありました。
アメリカ西部にすでに住んでいたネイティブ・アメリカンの人たちはこの時に迫害され、「ヤナ族」などはアメリカ人に絶滅させられてしまいます。
最終的にインディアンの人工の95%が亡くなったと言われ、「世界史における最も悲惨な虐殺の一つ」と知られています。
そして現在
現在でもアメリカにはインディアン、先住民の方々がいます。
割合にするとわずか0.9%ほどという統計があるように、その数はかなり減ってしまいました。
上でも書いてあるように今でもアメリカには「インディアン居留地」という場所があり、インディアンの方々の大半はそこで生活しています。
しかし、よくあるような「アメリカの生活」とはかけ離れています。
馬に乗って生活をしていたり、独自の軍隊を持っていたり、交易所(Trading Post)という場所で物々交換をしていたりなどなど、昔ながらの文明を未だに引き継いでいます。
しかしそこで問題になってくるのが「貧困の問題」です。
インディアン居留地には十分な仕事がないため、アメリカ政府が支援せざる終えません。
これまでやってきたことを考えると当然と言えば当然かもしれませんが、若いアメリカ人の中には「なんで僕たちの税金から…」という人も中にはいます。
現代に生きる人たちにとっては「歴史の中の話」であって、あまり実感が沸かないのもわからなくもないですね。
さらに言うと、インディアン居留地の中では「独自の政府」が存在し、アメリカの法律が通用しない場合もあります。
ということで、未成年が飲酒をしていたり、ギャンブル・カジノが合法であったり、中には仕事をせずにアルコールに浸っているインディアンの方々もいます。
インディアン居留地があるアメリカの田舎などでは、やはりインディアンに対しての評判があまり良くないのが現実です。
「仕事もしないでお酒ばかり飲んでいる人たちを国が税金で養っている」ということですね。
余談になりますが、アメリカで本格的なカジノがしたい人はラスベガス以外ではインディアン居留地に行けばできます。
インディアン居留地は一般の人でも問題なく入れますが、治安があまり良くない場所もあり、夜はギャング活動が活発な場所もあるので夜遅くの外出は気をつけましょう。
つまりアメリカ人が不満に思う点はこういうところですね。
「働きもしないのに遊んでばかり…」というフラストレーションがたまって現在に至っています。
ということで、本記事では「インディアン」の歴史と現在の社会問題まで詳しく書いていきましたが、これに関してどう思うかはこれを読んでいる方々次第です。
歴史と現在の社会問題を照らし合わせるとかなり難しい問題でもありますが、悲惨な歴史があって今に至るということですね。
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