【日本だけです】クリスマスにケンタッキーを食べるという謎の文化

【日本だけです】クリスマスにケンタッキーを食べるという謎の文化

出典:KFC Japan

 

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アメリカ人「日本にもクリスマスを祝う習慣はあるの?」

筆者「一応あるよ」

アメリカ人「七面鳥を食べるの?」

筆者「七面鳥は食べないけど、クリスマスにケンタッキーを頼む人ならたくさんいる」

アメリカ人「は??」

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当ブログ「ミナトのすゝめ」では海外と日本の文化を比較した記事などを中心にご紹介しています。

ということで、先日ツイッターにてこんなことをつぶやきました⇩

 

 

日本ではある意味「クリスマス=ケンタッキー」という習慣が根付いているのではないでしょうか。

実際にクリスマスにケンタッキーを食べる(食べる人が多い)のは日本だけです。

 

海外ではクリスマスにファストフードなど眼中にもありません。

結論から言うと、これはケンタッキーのマーケティング戦略によるものです。

 

本記事ではそんな海外と日本のクリスマスを比較しながら「ケンタッキーはどのようにして日本にクリスマスの文化を根付かせたのか」というのを解説していきます。

 

日本と海外のクリスマス違い

 

まずは日本と海外のクリスマスの違いについて見ていきましょう。

 

日本のクリスマス

 

 

11月後半くらいになるとこのおなじみのCMが流れ始めるのが毎年恒例でもありますね。

同時に「クリスマスパック」の予約が開始され、クリスマスイヴにかけて予約が殺到します。

 

かなり余談になりますが、筆者も高校生の頃ケンタッキーでアルバイトをしていました。

 

本当です。笑

 

12月23日から25日にかけては正社員&バイト総動員で働きます。

この3日間はすべてチキンを作る作業です。

 

店長&副店長は寝てないんじゃないかというくらい早朝から夜中まで働いていたのを覚えています。

そのかわりクリスマス明けた26日はほとんどお客さんが来ません。

 

それほどクリスマスのケンタッキーは大人気なわけですが、日本ケンタッキーの1年間の売上の約10%がこの3日間によるものです。

日本の総世帯数は5400万ほどと言われていて、そのうちクリスマスにケンタッキーを食べるのは360万世帯です。

 

これはある意味で現代日本の「文化」ともいえるかもしれませんね。

 

海外のクリスマス

 

クリスマスはキリスト教の「宗教行事」です。

ヨーロッパやアメリカをはじめとするキリスト教の国々ではクリスマスが祝われています。

 

日本ではクリスマスの時期が近づいてくると街中はイルミネーションで色づき、クリスマスイヴは恋人と過ごすという人も多いのではないでしょうか。

海外のクリスマスは恋人と過ごすのではなく家族で過ごすのが一般的です。

 

日本のお正月やお盆を想像していただくと良いかもしれません。

 

こちらの記事でも書いていますが、クリスマスの日はほとんどのお店や企業が休みます。

 

「クリスマスディナー」も日本とは大きく異なります。

キリスト教の国々では日本のようにフライドチキンを食べるのは一般的ではありません。

 

では何を食べるのかというと「七面鳥」がメインです。

他にも羊肉だったり、バターケーキなどを食べる家庭が多いです。

 

このように海外のクリスマスは日本とはかなり違うのがわかりますね。

 

 

「クリスマスにチキン」は大嘘

 

筆者は今アメリカに住んでいるのですが、アメリカに来る前は海外でもクリスマスにはフライドチキンを食べるのかとばかり思っていました。

こんな方も多いと思います。

 

日本はキリスト教の国ではないのでこんな勘違いもしょうがない気もしますね。

そもそも日本のキリスト教徒の人工は全体の2%にすぎないので、クリスマスの文化がもともと定着していませんでした。

 

そんな時にアメリカからケンタッキーが上陸してきます。

1970年日本にケンタッキー1号店ができ、大河原毅氏という人物が店長になりました。

 

「日本にはクリスマスに七面鳥を食べる習慣がない」ということを逆手にとりマーケティング戦略を考えた結果「クリスマスにはケンタッキー」というフレーズが生まれます。

その後カーネル・サンダースの人形にサンタクロースの格好をさせ当時は日本中で話題になりました。

 

ビジネス戦略ですね。

 

つまり、大河原氏は「海外ではクリスマスはこういうふうに祝うんですよ」とあたかも「クリスマス=フライドチキン」というありもしない文化を広めました。

実際に大河原氏はNHKのインタビューで嘘をついています。

 

「西洋のクリスマスではフライドチキンは一般的なのですか?」

 

このような問いにはっきりと「はい」と答えました。

後日大河原氏本人が「これが嘘をついた瞬間です。今でも後悔しています。」と冗談混じりに言っていますが、こんなことから筆者のように「クリスマスは世界中でフライドチキンを食べる」というような「勘違い」が増えてしまった原因でもありますね。

 

なにはともわれ、厳しい状況からケンタッキーを大成功に導いた素晴らしい戦略だったことは確かですね。