【農耕民族&狩猟民族】文明から見る欧米と日本文化の違い

【農耕民族&狩猟民族】文明から見る欧米と日本文化の違い

 

「農耕民族」「狩猟民族」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

その昔、文明は稲作や農業作業によって成り立っていた「農耕民族」と、狩猟によって生活をする「狩猟民族」の2つがあったと言われています。

 

この「農耕民族」と「狩猟民族」の違いが現在でも未だにある「日本(アジア)と欧米の文化の違い」にとても似ているので、本記事ではそのへんを詳しく解説していきます。

 

農耕民族と狩猟民族

 

農耕民族とは主に稲作や農業作業によって社会が成り立っていた文明、民族のことを指します。

日本に農耕が根付いたのは今から3000年前の弥生時代の頃だといわれているので、日本人は主に「農耕民族」だと言われています。

 

この日本史の例のように、主に河川流域に住みながら麦や稲を育てて日々の生活を送っていた民族はたくさんありました。

中国や朝鮮半島、東南アジアの国々やエジプト、メソポタミア、そしてスペインなどのヨーロッパの一部の国ですね。

 

日本でもお米が食べられるようになったのは、中国大陸から稲の栽培の知識や技術が伝わってからだと言われています。

それから作物や知識を独占するヒエラルキーが生まれ、次第に集団は国家へと変化していきました。

 

主に一箇所に集団で定住し、天候による河川の増水や季節の変化などによる収穫時期なども予期しなければならないので、天文学や地政学が発達しました。

 

一方で狩猟民族とは、「一箇所に集団で定住」というよりも、少数の部族で行動しその日その日の食料を狩猟によってまかないます。

将来的な収穫の見通しや食料保存もできないため、不安定な生活でもありますね。

 

そのため「計画力」よりも「行動力」が試され、集団生活よりも個人主義的な文化が根強くなっていきます。

これらは主にゲルマンやスラブ、アフリカの民族が分類されます。

 

集団主義と個人主義

 

集団主義(Collectivism)個人主義(Individualism)という言葉がありますね。

筆者は現在アメリカの大学に通っているのですが、大学の授業でこれらの用語が出てくるたびに日本が「集団主義」の一例として引き合いに出されます。

 

つまり日本は「集団主義社会」の代表例でもあるわけですね。

聖徳太子の「和を以って貴しとなす」という言葉がありますが、それこそ集団で協力しなければ次の収穫がないので必死ですね。

 

逆に言えば、上でも書いていますが狩猟民族はその日その日の食料は「運任せ」でもあります。

狩りができなければ生きていけないので、全ては「自分次第」です。

 

なので、「狩猟民族=個人主義」に当てはまります。

欧米社会、主に英語圏の国々やヨーロッパなどは個人主義社会とも言われていますが、もとを辿るとこの辺の文明の違いから来るのかもしれません。

 

計算型と行動型

 

農耕民族と狩猟民族の違いは現代における「行動パターン」にも大きく関係していると言われています。

上でも書きましたが、農耕民族は季節の変化や天候などの自然変化を計算しなければなりません。

 

そのため地政学や天文学という学問が発達したというのがありますが、現代のビジネスや投資などにおいても先行き不安と思うものには手を出さないという人が日本には多い傾向にあるかと思います。

もちろんこれは人にもよりますが、アメリカや欧米社会では「計算」よりもまずは「行動」をしている人が多いかなという印象があります。

 

というのも、狩猟文明では計算よりも、まずは資金調達⇨出資⇨行動というパターンですね。

行動するのが早いほどその分「経験値」も増えるので、行動は早ければ早いほど良しとされているのが欧米文化です。

 

「アジア人は数字の計算が得意」

「欧米人は行動力がすごい」

 

こんなことも言われますが、大昔の文明や生活の違いから来るなにか「遺伝」的なものが、現代にも影響を与えているのかもしれませんね。

 

農耕=戦争

 

一概には言えませんが、人類の軍事技術は農耕の発展ともに発達していったとも言われています。

一見「狩猟民族」の方が活発で、いつも戦ってそうなイメージですが、彼らの敵はあくまで動物です。

 

農耕文明というのは「人VS人」の構図を作り出しました。

人は個人よりも集団になったときの方が怖いですからね。

 

海外ドラマで有名な「ウォーキング・デッド」を見たことがある人ならわかるかもしれませんね。

「集団で暮らす」というのは同時に「他者=敵」という意味でもあります。

 

干ばつや自然災害などにより、食料が手に入らなかった場合一緒に住んでいる人たちは全滅してしまいます。

そのため集団で武装し、隣の人の作物を奪います。

 

こんなことからいつも戦争が始まります。

 

【例外】全てに当てはまらない

 

実際のところですが、現代にもこの「農耕民族と狩猟民族の違い」を当てはめるとなるとかなり無理があるのも現実です。

というのも、「日本は昔から農耕文明だった」と言っても、海に囲まれた地形から魚を捕まえたり漁業が盛んでもあります。

 

また、森や山に囲まれている地域ではうさぎやイノシシを捕まえたりもしています。

逆に言えばアメリカなんかは、昔から今でも農業大国です。

 

多様化が進んでいる現代で、このように地域や国だけで分類するのは不可能でもありますね。

ですが、古くからの文化や「DNA的なもの」が現在にも影響を与えている部分は大いにあるのかなと思います。

 

「他にも日本と欧米の文化の違いを知りたいな」

こんな方、以下の記事では「武士道と騎士道の違い」について詳しく解説しています⇩