本記事ではアメリカと日本のイデオロギーの違いについて徹底比較していきます。
各国の政治において人々の考え方には様々な違いがあります。
ここでは何が正しいとか、何が間違っているのか、というわけでなく純粋に日本とアメリカの「ナショナリズム」または、「愛国心の概念」の比較をしていきながら文化&歴史の違いを読者の方と共に見ていこうかと思います。
「日本ではちょっと過激な思想とか、「街宣右翼」とか、「ネトウヨ」みたいな言葉があるんだけど、アメリカではどうなの?」
このような疑問にお答えします。
イデオロギーって?
イデオロギーとは英語の「Ideology」という言葉を指します。
ちなみに英語発音はカタカナとは大きく異なるので注意(「アイディアロジー」と読みます)。
観念の体系である。文脈によりその意味するところは異なり、主に以下のような意味で使用される。観念形態、思想形態とも呼ばれる。意味内容の詳細については定義と特徴の項目を参照。
通常は、政治や宗教における観念を指しており、政治的意味や宗教的意味が含まれている。
引用:イデオロギー
つまり政治や宗教、または社会のあり方などに関して、「自分の考え方」や「思想」のことですね。
これは大きく右(保守)と左(革新)に別れます。
右派(保守)⇨歴史や伝統を重んじ、上流&支配階級の利益に重きを置く
左派(リベラル)⇨革新的&理想的な政策を掲げ、主に経済的&社会的下層階級の利益に重きを置く
国や政党によっても異なりますが、ざっくり言うとこのような判別の仕方でいいかと。
この思想が極端に偏ると、右翼(極右)とか左翼(極左)とも呼ばれます。
ナショナリズムって?
ナショナリズムというのも英語の「Nationalism」からきています。
国家という統一、独立した共同体を一般的には自己の所属する民族のもと形成する政治思想や運動を指す用語。日本語では内容や解釈により民族主義、国家主義、国民主義、国粋主義などとも訳されている。
引用:ナショナリズム
つまり愛国心ということです。
このナショナリズムの代表例としてよく言われるのが、第二次世界大戦中の「アドルフ・ヒトラー」の根本的な思想で最終的に他者を迫害する、という結果になりましたが、極端なナショナリズムにはそのような危険性も含まれています。
したがって、日本含む世界ではこのナショナリズムの考え方には賛否両論があります。
アメリカのナショナリズムについて
アメリカにも当然のことながらナショナリズムは存在します。
歴史的には「アメリカ独立戦争」から始まる国家の団結を「国の理想」とし、「言論の自由」、「武器の保持の自由」、「資本主義経済」といったアメリカ特有の価値観に重きをおきます。
ですがここで問題なのが、このナショナリズムの根本自体が「アメリカ独立戦争」の理想から始まるものであることです。
つまりアメリカの独立戦争というのは「イギリスからアメリカ大陸に渡って来た人達」が団結して戦って勝ち取ったものです。
言うなればあくまで「白人の理想」であります。
アメリカは多民族国家で様々な人種の人達が暮らしていますが、このアメリカのナショナリズムの思想は必然的に白人の人達に限られてきます。
したがって、
アメリカのナショナリズム=白人至上主義
という構造になることがしばしば(全てではない)。
独立当初、先住民は迫害され、アフリカから連れてこられた黒人は奴隷だったので、現在でもこのような見られ方をされがちというのはしょうがないと言えます。
トランプ大統領から見る米国のナショナリズム
トランプ大統領は「ナショナリズム」の思想を持った人物と言えます。
例を上げるとしたらキリがありませんが、
EXAMPLE
- 移民制度の改革
- メキシコとの国境に壁を建設→国家の団結
- 自国の利益がなければ他国に干渉しない→反グローバリズム
- 自国優先主義
- 国家権威に対しての忠誠(警察官、軍隊など)
- 統一(Unify)という言葉を大統領選の時に多用する
- 国歌を敬称しない人に対して怒る
- 右翼団体から支持されがち
これらはトランプ大統領の基本概念と言えますが、どれをとっても「ナショナリズム」的ということが言えますね。
何度も言うように、「国を愛する」という感覚は誰しもが持つべきものでありますが、それが他者を排除するようになってしまうとそれは危険な思想とも取られてしまうこともあります。
アメリカの極端な思想
ではアメリカにおいての極右とはどのような思想でしょうか。
どの国でも極端な考えを持った人は存在します。
ここではそのような政治思想から文化の違いを学ぼう、ということでご紹介していきます。
白人至上主義
上でも書いたように「白人至上主義」は極右の代表例です。
ちなみに白人至上主義とは白人を他の人種と比べ優位だと信じる概念のことを言います。
EXAMPLE
- アメリカ連合国(南北戦争時)の旗を敬称する(しばしば)
- アメリカの独立は白人がやったもの→アメリカは白人のものだ
- かつての奴隷制度はむしろ黒人を守っていた
- 南北戦争は奴隷廃止のためではなく、経済的な意味合いが強かっただけ
- 「ネオナチ」とも言われ、ヒトラーを熱狂的に支持する
- リー将軍(南北戦争時)を称える
- KKKに属する
- トランプ大統領の政策を支持
この辺が基本的なアメリカの白人至上主義の概念かと思います。
もちろんこれらの考えには色々な経緯(言い分)があると思いますので、詳しくはググってみるのをおすすめします。
マルコムXについて
1960年代にはアメリカ公民権運動というものが起きます。
当時アメリカで黒人に対する差別が社会問題となっており、差別撤廃を求める声が全米で高まりました。
代表的な例が「マーティー・ルーサー・キング・ジュニア」という人物がワシントンDCで大行進&演説をしてノーベル平和賞を受賞しました。
しかし、後日テネシー州で暗殺されてしまいます。
今でもアメリカでは「Martin Luther King Jr. Day」として彼の誕生日である1月の第三月曜日は国民の祝日となっております。
この公民権運動を指導した人物にもう一人有名なのが「マルコムX」という人物です。
マルコムXの思想は「白人至上主義」の正反対、つまり生涯「アフリカ系アメリカ人の原理主義」を唱えていました。したがってここでちょっと紹介します。
EXAMPLE
- 防衛のための暴力はOK
- アフリカ系アメリカ人は”故郷(アフリカの地)”へ帰るべきである
- アメリカに黒人のための未来はない
- アメリカ政府では国内の差別問題は解決できない
- 非暴力で解決しないのだから、暴力で対処するのみ
- 自由のためならなんでもしろ
- 黒人は白人よりも美しく優位だ
このマルコムXという人物は自由&黒人差別と戦った素晴らしい人で世界で有名な偉人ですが、思想的には「極端」だということが言えます。
現在のアメリカでもマルコムXを称えるアフリカ系アメリカ人は多く、近年の過激なデモでもマルコムXを極端に支持する者が暴徒化するということが起きているのも事実です(もちろん限りなく少数の方ですよ)。
日本のナショナリズム
では一方、日本ではどうでしょうか。
日本のナショナリズムというのはわかりやすく、「民族主義」ということが真っ先にくるのではないでしょうか。
最もわかりやすい例で言うと、「移民or外国人労働者絶対反対」の姿勢を取っていたり、「自国の憲法を作ろう」というような思想が日本においてのナショナリズムと言えます。
世界から見た日本のナショナリズム
外国から見た日本は99%「保守の国」という認識があります。
そもそも日本は移民を受け入れませんので、保守的な印象が強いと言えます。
また、アジアの国からは度々避難されることがありますね。
日本においての極端な思想
では実際に日本の極右と呼ばれる考え方はなんなのか、というのを見ていきましょう。
何度も言うようにここでは考え方の是非や何が正しいというのを判別するのが目的ではなく、アメリカと日本の思想の違いを見ていき文化&歴史の違いを学んでいこう、というのが大本の趣旨でございますのでご了承ください。
EXAMPLE
- 日本民族至上主義
- 「旭日旗」を敬称する(たびたび)
- 第二次世界大戦時の日本を極端に美化
- 総理大臣の靖国神社参拝を極端に賛同
- 中国よりもアメリカ寄り(または自国自尊)
- 極端な反中国・韓国・北朝鮮思想
- 「中国脅威論」を主張or極端に煽る
- 安倍政権を熱狂的に支持→憲法改正
- 各種メディア(特に朝日&フジテレビ)は徹底否定
といった具合でしょうか。これらも同様、詳しい論点に関してはググってみることをおすすめします。
日本ではよく、「ネトウヨ(ネット右翼)」や「パヨク(左翼の卑語)」という感じに表現されることがありますが、英語ではネット上で極端な政治思想についての攻撃をする人を「Cyber Nationalism(サイバーナショナリズム)」や「Cyber Warrior(サイバーウォーリアー)」、最近では「Trumpist(トランプ大統領支持者)」というふうに表現します。
ナショナリズムは世界共通
このような違いを見てみてどうでしょうか。
ナショナリズムは言うまでもなく世界共通であり、どこにでも極端な思想を持った人はいるということが言えます。
大事なのは意見も聞かずに否定するのではなく、まずは「知る」ことや「学ぶ」ことが大事かなと、個人的には思います。
違う文化や歴史を持った中で意見が合わないのも当然のことですね。
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