アメリカには「新卒一括採用」なるものは存在しません。
大学を卒業したての人も、社会人を何年も経験している人も同じ土俵で戦います。
だからこそ、アメリカの学生は意識が高い人が多いです。
「アメリカの就活、転職ってどんな感じなの?」
本記事ではこんな疑問に、大学のシステムの説明も加えつつ、詳しく解説していきます。
アメリカの就活事情
繰り返しになってしまいますが、アメリカには日本のような「新卒一括採用」というものはありません。
例えば、日本では大学四年生になると、企業説明会、セミナーやインターンなど、いわゆる就職活動を一斉に始めます。
そして、冬くらいになるとみなさん就職先を決め、4月に一斉入社、企業側はみんなまとめてトレーニング、教育ができるから便利、といったシステムですね。
これはある意味で日本特有です。
日本の就職活動の様子は一歩外から見てみると異様な光景でもあります。
みんな同じ黒のリクルートスーツに黒髪、黒い鞄に黒い靴…
就活性にとって、これは「無難」を選んだものなのですがなかなか異様ですね。
80年代くらいまではもっと個性豊かだった就職活動の光景も、今では「みんな同じ=無難」、こういったものになってしまいました。
これは就職エージェンシーやリクルートスーツ関連の会社に責任がある気もします。
さてさて、日本の就職活動のお話はこのへんにして、「じゃあアメリカではどうなの?」というのを見ていきましょう。
学歴がすべてのアメリカ
アメリカは「超学歴社会」です。
日本企業の採用スタイルでいうと、「ポテンシャルを見極める」というのが一般的でもあります。
というのも、日本では基本的に「終身雇用制度」があるので、長く企業に貢献してくれる人材が大前提です。
なので、企業側は「ロイヤルティ」、つまり「忠誠心」を大事にしていきます。
そこで見られるのは、「弊社のことをしっかり勉強しているか」「コミュ力はあるのか」このへんが最も評価されます。
悪い言い方かもしれませんが、「社畜」を求めているのが現実でもあります。
「アメリカでは企業のこと知らなかったり、コミュ力なくても入社できるの?」
必ずしもそうではありません。
むしろこのへんはどこへ行っても大事なことですね。
しかし、一番に注目するのはここではないということです。
「じゃあアメリカの企業はどこを重要視するの?」というと、学歴がすべての判断基準になります。
「大学名」
「成績 (GPA)」
「専攻」
「スカラシップ (奨学金)」
「ボランティア経験」
「インターン経験」
「実務経験」
このへんがすべてです。
即戦力が求められる
全員が中途採用枠なので当然ですね。
だからこそ、大学在学中の学生は必死です。
卒業すれば実務経験がある「社会人」と一緒の土俵になるので、学生のうちから実務経験を積んでいきます。
その代表例がインターンシップやボランティア活動です。
大学四年生になり、地元にある企業で数か月インターンシップ、またはボランティアを行い、卒業と同時にその企業に就職、またはそのライバル企業に就職というパターンが一般的な道でもあります。
そうすれば入社時からある程度の実務がこなせますね。
そのうえで、学校の成績も「ほぼオールA」みたいなGPAをキープしていかないといけないので、遊ぶ時間がありません。
このへんは「卒業するのが難しい」と言われるアメリカの大学所以でもありますね。
自分でなんとかするパターン
これだけ厳しい競争を強いられているのがアメリカの学生です。
だからこそ、「自分でなんとかするパターン」の学生もアメリカには多くいます。
つまり学生のうちに起業する人たちです。
日本の感覚で「起業」というと、大そうなものに聞こえるかもしれませんが、本当に小さなビジネスでも実務経験になります。
自分で作った絵やCDを販売したり、服をデザインしたり、フリーランスとして記事を書いたり、個人でウェブサイトを開設したり、自分の専門分野、将来働きたい分野に合わせた実務経験を自分で考え、自分で積み上げていきます。
こんな経験が、アメリカの就職活動においての評価基準となります。
コネを作る人
超学歴社会のアメリカにおいて、もう一つの就活手段は「コネを作ること」です。
「全然知らない人」よりも、多少知ってる人を選ぶのは当然と言えば当然ですね。
サークルやクラブ活動などを通じて、人脈を増やしていき、インターンシップや、将来のビジネスなどにおいて有効にしていくというパターンですね。
例えばビジネス系のクラブであれば、定期的にプレゼン大会などがあり、そこで色々な地元の企業さんたちと知り合えることができます。
「動物愛護クラブ」のようなサークルであれば、地元の動物園に通って、お手伝いやボランティアをしていくうちにコネクションを作っておくということもできます。
こんなのは一例にすぎませんが、こんなやり方もアメリカにはあります。
少し余談になりますが、アメリカにいる中国人コミュニティーが強いのもこんなことからです。
彼らはそれこそ「街にいる中国人全員知り合い」みたいな状態です。
そこからお互いに仕事を紹介しあったり、ビジネス経営などもお互いに支えあっています。
こんなこともあり、アメリカにおいての中国語の需要は半端ないです。
それこそ中国語が話せるだけで就職があります。
あともう一つコネを作る手段として、SNSを活用するというのもアリです。
その代表例が「LinkeIn」というアプリですね。
これはFacebookの就活・転職版のようなもので、ここからどんどんコネクション広げていくことも可能です。
これですね⇩
【結論】アメリカでの就職は難しい
今のご時世アメリカとかカナダで働きたい人は、
日本の高校卒業⇨数年日本で働く⇨スキルつける⇨現地の大学⇨OPT、またはワーキングホリデーとか⇨現地就職、または大学院⇨現地就職
これが一番近道なのかな〜
— マサヤ🇺🇸自宅で就活中 (@masaya_minato) April 29, 2020
ツイッターでは、いつもこんな感じでつぶやかせてもらっていますが、日本人留学生が新卒でアメリカ企業に採用というのは至難のわざです。
本当に運がいいか、ものすごい実績がある人くらいではないと、正直厳しいのが現実です。
というのも、アメリカでは新卒一括採用がないのと同時に、VISAの制約まで入ってくる超ハードモードです。
これから、アメリカの就職事情に関して、当ブログでももっと取り上げていこうかなと考えているので、今後ともよろしくお願いします。
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