出典:https://qz.com/1220104/gap-inc-should-just-be-renamed-old-navy-inc/
筆者は現在アメリカに住んでいます。
日本に帰った時はいつも羽田か成田空港を利用し、その後電車を使って都内に行くのですが、東京に行くと毎回驚くのが「みんなおしゃれ」ということですね。
住んでいるとあまり意識しないと思いますが、東京は「おしゃれ最先端の地」でもあります。
そんな日本に先日アメリカからのファストファッションブランド「オールドネイビー」が日本上陸し、残念ながら数年足らずで撤退してしまったわけですが、本記事ではそのへんの理由を深堀していきながら「アメリカのファッション文化」に関して詳しく解説していきます。
オールドネイビーとは
「オールドネイビー」日本でも好きな人はわりと多かったかと思います。
特に主婦の方々の間なんかでは「子供服が可愛いし安い」ということで、人気もありました。
オールドネイビーとはアパレル小売店で、世界に3000店舗以上を構えるアメリカ発の代表ファストファッションブランドです。
「GAP」も知っている人は多いかと思いますが、オールドネイビーもGAPの系列ブランドですね。
つまりGAPもオールドネイビーもアメリカのアパレルブランドということになります。
ユニクロとGUが「同じ系列のブランド」ということと同じと思っていただけると良いかと思います。
日本市場⇨魅力がない?
オールドネイビーはGAPが展開しているブランドの中でも最も業績を残しているブランドとも言われています。
実際に本国アメリカでは大人気で、筆者が住んでいる街にもありますし、大きいモールに行けば大体オールドネイビーのお店が入っています。
まさに日本で言う「ユニクロ」のような存在かもしれませんね。
ですが前述しているように、オールドネイビーが日本に上陸したのは2012年のことで、そのわずか4年後の2016年には「日本撤退」を発表しました。
その理由として「日本市場は他のアジアのマーケットに比べ魅力がないと判断したため」とも言われていますが実際どうなのでしょうか。
このように聞くと「日本の全体の購買力が落ちているのか…」と思いがちですが、ただ単に日本撤退は経営ミス、計算ミスに他なりません。
ということで、ここからその撤退理由に関して詳しく見ていきましょう。
①日本市場⇨成熟している
日本にはすでにユニクロをはじめ、GU、ライトオン、しまむらなどの人気ブランドがファストファッション業界にあります。
海外ブランドで言えばH&M、ZARAなどでしょうか、このへんは上記の日本ブランドとは違い「トレンド」に力を入れた戦略が特徴でもあります。
つまり今はもう「安いから売れる」という時代ではないということですね。
ユニクロを見るとわかりますが、例えばヒートテックといった「機能性素材」だったり、日本人(アジア人)の体格を徹底的に考えて作られているジーンズやパンツなど、そのへんの付加価値がなければ日本では到底売れません。
やはり日本では「国産ブランド=質が良い」という消費者意識が高い、というかユニクロに関してはこれは事実なのでどうしても日本市場では成功しなかったと言えます。
※ユニクロを特別押しているわけではありません(笑)
逆に言えば日本以外でのアジアの市場、中国などではオールドネイビーは好調です。
中国ではまだまだ「安ければOK」という消費者意識が強いからこそ成り立っているとも言えます。
②文化的要因
上でも少し書いていますが、ユニクロやGUといった国産ブランドは「日本人向け」に作られています。
筆者もファストファッションがわりと好きで、服を買うのは大体このへんの国産ブランドなのですが、これは「サイズ感」が自分の体格に合うからでもあります。
逆に言えば北米の雰囲気をそのまま取り入れ、サイズ感、デザイン、トレンドに関してもオールドネイビーは日本の消費者向けではなかったことが要因でもあります。
当ブログで以前も「ウォルマートが日本で成功しない理由」や「アメ車が日本では人気がない理由」などの記事を書きましたが、これらと全く同じですね。
日本車メーカー、トヨタやホンダなどですが、これらのメーカーがアメリカに車を輸出する際はアメリカの道路状況、消費者の好みや車自体の大きさまで徹底して現地の文化に適応するよう変えています。
一方でアメリカ車メーカーは未だに右ハンドル、日本の道路では不便すぎる超デカイ車体の車を日本で売っています。
だからこそアメ車は日本では売れないのですが、これはアメリカのファストファッションブランド、オールドネイビーの撤退理由にも同じことが言えるかもしれませんね。
③単純にダサい
アメリカに住んでいると痛いほどわかりますが、アメリカ人の9割ほどはファッションがダサいです。
特に田舎に行くとひどいものですよ。
日本人がイメージする「アメリカ」のイメージが「ニューヨーク」や「ロサンゼルス」であれば、それがアメリカの1割に過ぎません。
その他はみんなダサいです。
だからこそ当記事の冒頭でも書いたように、日本に帰ってくるとみんな洋服に気を配っていて驚くのですが、日本はみんなしておしゃれです。
実際にアメリカのファッションブランドと言えばGAPやアメリカンイーグル、アバクロなどですがどれも落ちています。
ナイキなどのスポーツ系アパレルは別としても、昔からファッションはヨーロッパからのものが強いのが現実でもあります。
では話をオールドネイビーに戻しますが、オールドネイビーが日本に来た際に本国アメリカ同様の店内ディスプレイを日本に導入し、「かっこいいショッピング体験」というのをコンセプトにしました。
しかし、こちらの記事(https://www.mag2.com/p/news/215289/3)で著書の方が述べているように、日本の消費者にかっこいい体験だったと感じさせることができなかったのが最大の撤退要因になりました。
ユニクロなどの日本のファストファッションブランドで言えば、「かっこいい」というよりも「機能性」や「毎日着れる」というのをむしろ重視していますね。
つまり「かっこいい体験」はなにもファストファッションでなくて、ミドルレンジやハイブランドのお買い物でするのが日本の消費者です。
ということで、本記事では「オールドネイビー日本撤退の理由⇨アメリカ人のファッションセンス」ということで詳しく書いてきました。
「アメリカ人のファッションはダサい」と言ってしまいましたが、逆に言えばそのダサさがかっこよくもあるのかもしれませんね。
僕もここでは基本的にスウェットパンツにパーカーですが、誰もジャッジする人はいません。
だからこそアメリカでの生活は楽ですね。
以下の記事ではそんなアメリカの「ダサかっこよさ」を徹底解説しているのでおすすめです⇩
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