【権限が強いのは?】米国大統領と日本の総理大臣の6つの違い

【権限が強いのは?】米国大統領と日本の総理大臣の6つの違い

 

 

はじめに▼

とある友人「大統領と総理大臣ってなにが違うの?」

僕「権限が違うよ」

とある友人「“大統領”のほうがなんとなく強そうだよね」

 

結論から言うと、アメリカの大統領と日本の総理大臣では権限が違います。

本記事ではアメリカと日本の政治においての本質的な違い、大統領と総理大臣の権限の違いについて詳しく解説していきます。

 

総理大臣と大統領の違い

 

日本もアメリカも民主制国家であり、法が支配する「法治国家」ということでは同じですが、政治のリーダーである「総理大臣」と「大統領」の権限において違いがあります。

 

「具体的にどのように違うの?」

 

このような疑問に一つ一つお答えしていきます。

 

①日本⇛立憲君主制 米国⇛連邦共和制

 

日本⇛天皇陛下を国の象徴とする法治国家

アメリカ⇛50の州からなる共和制国家

 

カンタンに言うとこのような違いがあります。

双方とも法律&憲法が治める民主制国家でありますが、微妙な違いがあります。

 

というのも、アメリカには建国当初から王様や皇帝のような身分がいません。

あくまで国民から選ばれた人間が大統領職を行う「共和制の国」ということですね。

 

一方で日本は天皇陛下があくまで国のシンボルであり、形式上で総理大臣を任命するという形で存在しています。

したがって、日本の国家元首は天皇陛下ですが、実質的には政治に関しては何も言いません。

 

総理大臣に対して「こういう政治をやれ」ということで命令はできない決まりになっているということですね。

 

天皇陛下⇛国家元首(形式上)

総理大臣⇛政治のリーダー

 

大統領⇛国家元首&政治のリーダー

 

このような違いがあります。

 

②選ばれ方の違い

 

総理大臣⇛国会で選ばれる

大統領⇛国民投票で選ばれる

 

日本の総理大臣とアメリカの大統領では選ばれ方も違います。

日本では国会議員が総理大臣を選ぶということになっているので、国民が総理大臣を直接選ぶことはできません。

 

「それって国民が総理大臣を選んでないから民主主義じゃなくない?」

 

総理大臣を選ぶ国会議員を直接選んでいるのは国民なので間接的に国民が総理大臣を選んでいるとも言えます。

なので日本は民主主義国家で間違いありませんが、アメリカではまた違います。

 

アメリカでは大統領を国民が直接投票して選びます。

したがって、実際に自分が投票した人が大統領になるのでアメリカでの大統領選挙は毎回盛り上がります。

 

③行政権の違い

 

日本国憲法⇛行政権は内閣に属する

合衆国憲法⇛行政権は大統領個人に属する

 

このように明記されています。

 

つまり日本では各省庁の大臣は内閣によって任命されます。

一方アメリカでは大統領一人が各省の長官とその幹部までもを決めることが可能です。

 

④法律案においての違い

 

総理大臣⇛法律案を提出することができる

大統領⇛教書を提出することができる&拒否権を発動することができる

 

例えば総理大臣が「こんな法律を作りたいな」と思えば議会に法律案を提出することができます。

一方で大統領は法律案を提出する権限はありません。

 

「どうしても通したい法律があるんだよね」という時は「教書」というものを出してその法律を作るように促すことができます。

さらに議会で成立した法律が気に入らない場合は「拒否権」というものを発動して、法律成立を防ぐことも可能です。

 

しかし、拒否権が発動された後、議会でもう一度同じ法律が通った場合は大統領の意思に関係なく成立します。

 

⑤議会との関係性の違い

 

日本の国会⇛不信任案を出して解散にすることができる

米国議会⇛不信任案を出すことはできないけど大統領を弾劾できる

 

「あぁこの総理大臣(内閣)はもうだめだな」と思ったら、「不信任決議案」というものを国会に提出することができます。

そこで可決されれば、内閣総理大臣は「内閣総辞職」か「衆議院解散」を選ぶことになります。

 

内閣総辞職の場合は「もうお手上げ状態」ということで自分たちの否を認めるということになりますが、衆議院解散の場合は「国民に選挙で決めてもらおう」ということです。

 

一方アメリカの議会ではこの不信任決議案を出せない代わりに「弾劾裁判」というのを行い、大統領を辞めさせることができます。

 

⑥米国大統領⇛軍の最高司令官

 

恐らく日本の首相とアメリカの大統領の大きな違いはココかと思います。

ご存知のように日本にはアメリカ軍が駐留しています。

 

これと同じようにアメリカは日本だけでなく、世界中に軍隊を持っています。

 

北軍(北米)

南軍(中南米)

欧州軍(ヨーロッパ)

アフリカ軍(アフリカ大陸)

中央軍(中東)

太平洋軍(アジア)

 

このようにアメリカは世界中に駐留している軍を6つの組織に分けて統括しています。

それぞれの地域に司令官がいるわけですが、このさらに上の最高司令官が大統領ということになっています。

 

つまり大統領一人でこの世界中にいる軍を動かせるということになっています。

 

「我々の核兵器の方がはるかに強大だ」

この前トランプ大統領が北朝鮮に対してこのような声明を出しましたが、これはわりとジョークではなく本気です。

 

大統領一人の意向で核兵器のボタンを押すことができるからこそ多方面から避難されていました。

※実際の核兵器の発射手続きは側近とのやり取りが必要で、宣戦布告は議会の権限になります。

 

 

【結論】大統領のほうが強い

 

世界には地位の呼称においてヒエラルキーが存在します。

 

皇帝(emperor)≧ 法王(Pope)> 王様(king)> 大統領(president)> 首相(premier)

 

このようなヒエラルキーになっています。

これを見ても分かるように首相よりも大統領のほうが地位的にも上の立場ではありますね。

 

ちなみにですが、天皇陛下は英語で「Emperor」と言います。

Emperor(皇帝)と呼ばれているのは世界で日本の天皇陛下だけです。

 

イギリスやオランダのような「国王」がいる先進国は、日本同様に立憲君主制・国王に政治的権限はないです。

なので現代においてこのヒエラルキーはあまり意味をなさないものかもしれませんが、「天皇陛下が世界で最も上の地位」というのは誇らしいものですね。

 

 

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