出典:日本の入社式は気持ち悪い?「同じ髪型、靴、スーツを揃え、個性がなくなっている」
[su_box title=”はじめに” style=”glass” box_color=”#6d001d” radius=”10″]
アメリカ人「高校の時クラブ活動とかしてた?」
僕「野球部だった」
アメリカ人「そうなんだ!」
僕「うん、朝練のために5時に家出て夜10時まで練習してた」
アメリカ人「…..」
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「文化の違い」というのは面白いもので、海外に行けば誰もが経験するものかと思います。
国が違えば文化や伝統、生活様式、考え方の違いなども異なるのが当たり前で、違うからこそ面白いのかもしれませんが、中にはどう考えても「時代遅れ」と思うものや、「改善すべき」と思うものもたくさんあります。
これは日本に限らずどこの国でもそうですが、本記事は海外に住む日本人の一人として「海外にいるからこそ気付く日本のちょっと変なところ」というものを詳しくまとめています。
本記事を読む前に…
まずはじめにはっきりさせておかなければならないのが、本記事は現政権や政治家などを批判するものでも海外移住を一方的に推奨するような内容でもありません。
上でも書きましたが、海外に住む一人として気付いた日本と海外の文化の違いをまとめているものです。
当ブログをいつも読んでいただいている方々はわかってくださるかと思いますが、筆者は日本が大好きです。
しかし、日本は完璧ではありません。
改善すべきところもたくさんあるのも現実です。
19世紀に生きた日本の偉人は日本の開国後、欧州に留学し明治維新を成功させました。
福沢諭吉著の「学問のすゝめ」は当時の日本を徹底的に批判した名著です。
しかしこのような「違う視点から見た批判」があったからこそ明治維新は成功したとも言えます。
ではさっそく「日本の少しおかしなところ」を見ていきましょう。
①労働環境
「1分1秒でも遅刻は遅刻」と出勤段階では当然のごとく厳しく1秒単位の時刻オーバーでも罪やら恥やらと見なされるのに、「1分1秒でも残業は残業」とはならずに退勤段階では突然時間管理が一気に曖昧になって多少の時刻オーバーでは黙殺されたりもするという理不尽かつ不思議な現実。
— Childish Teacher (@TeacherChildish) February 21, 2018
英語には「Karoshi」という言葉があります。
これは言うまでもなく日本語の「過労死」が基となっています。
重労働、長時間労働、または仕事のストレスによる過労死や自殺は海外の多くの国ではなかなかありません。
そもそも「Karoshi」という言葉が生まれたのも日本ということで、日本の労働環境はしばしば異常だとも言われています。
「資源が限られている日本では必死に働くしかない」
こんな意見もありますが、「長時間労働=頑張っている」という概念がそもそも間違いだとも言えます。
「新人が定時に帰るなんてありえない」
「誰よりも後に会社を出る」
「入社一年目は飲み会に必ず参加するべき」
このようなことが美化されているのもまた現実です。
長時間労働する人、ずっと会社にいる人、寝ない人、このような人が「頑張っている人」であり、仕事を早く切り上げてすぐに帰る人は日本ではむしろ非難されてしまいます。
つまり日本では仕事に対する「姿勢」や「過程」を重視されますが、海外の多くの国々では「結果」が全てです。
仕事において「効率」や「生産性」が良いのは果たしてどちらでしょうか。
また、多くの先進国では労働時間は徹底的に厳守されているのが基本です。
日本の労働の現場では始業時間に少しでも遅れれば怒られるわりに定時になっても当たり前のように仕事をさせられますね。
このような労働環境が「当たり前」のように今までまかり通ってしまっていたのは「異常」であり、今すぐにこの悪しき文化を変える意識を持つべきかもしれません。
②お客様は神様
ソフトバンクの代理店で従業員に向かって怒鳴り散らすおじさんが話題になっていますが、この店舗の責任者に限らず客商売する現場のえらい人はこの外資系の対応を見習ってほしい。 pic.twitter.com/6Eb5QTG6pR
— 匿名熊猫 (@marumarupanda14) December 7, 2018
①では「日本においての労働時間の異常さ」を書きましたが、実際に現場で働いている方からしてみれば「どうしようもないよ」という方もいると思います。
というのも、定時の時間内では到底終わらせることのできないほどの仕事量を課されるケースも稀ではないからです。
実際に現在では「残業禁止」を義務付けている会社がほとんどなので、結果的に会社ではなく家に帰って仕事をするだけの違いで、むしろ残業代すら支払われないというケースも多くあります。
つまり働く方にとってこの「残業禁止」こそがもっとタチの悪いものとも言えます。
この問題の原点にあるのは、日本においての行き過ぎた「過剰サービス」から来ているものです。
お客さん(顧客)との契約上の納期であったり、取引を延期してしまえば会社の信頼関係にも影響します。
サービス業であれば、お客さんがいる限り休めないのが基本とも言えます。
しかし、この「おもてなし」の文化が労働者にとってあまりにも厳しい社会を作り上げているのが現実です。
例えば、時間外で顧客から電話が来た場合、日本では当たり前のように担当者に繋ぎますが、先進国の多くの国では「〜は帰りましたので、また明日連絡してください」で終わります。
顧客側もなんの問題もなく、「それならしょうがないですね」で終わります。
つまりサービスにおいてそこまでの「ハイスタンダード」をお互いに求めていません。
時給900円程度のコンビニのアルバイトを相手でも「接客態度が悪い」というようなクレームをつけるお客さんが存在するのは日本だけだと言えます。
そして企業側も「労働者」よりも、「お客様」こそが第一というように考えるのでさらに高い接客態度をアルバイトに対しても求めるようになります。
このような循環で労働者にしわ寄せが来ているのが現実です。
効率が悪い理由
①と②では主に日本の会社の労働時間が長くなる理由について書いてきましたが、ここではさらにもう一つ海外の「分業制」について説明しながら日本の会社の効率が悪くなる理由について書いていきます。
日本の会社では自分の業務以外のこともやることがありますが、アメリカや欧州のような国の会社では「分業」が徹底されています。
例えば、営業職であれば営業のみをこなし、お客さんのクレーム対応は他の部がまかないます。
教育現場で見ればわかりやすいですが、日本の学校では生徒が掃除から給食当番までをこなしますが、海外では学校は「勉強をする場所」です。
つまり日本の会社では労働者は「何でもやるべき」という高い基準の中で働かされます。
しかし、海外の多くの国では分野毎のスペシャリスト体制が整っているのが基本です。
これは日本の「新卒一括採用制度」こそが原因とも言えますが、日本の会社では学部や専攻に関係なく入社一年目は営業職をやらされたり、電話対応をさせられたり、自分の専門分野以外のこともやって「教育」させるのが基本です。
これはあまりにも効率が悪いと言えますね。
海外の多くの国では大学卒業時の学部以外の仕事をやらせることはまずありえません。
③異常な上下関係
体育会系の部活なんかで上級生が下級生に雑用させたりするのが慣習だけど、逆にしたらすごい人間性育つと思うわ。上級生が水汲みしてあげたり、道具の片付けしたりすれば後輩は先輩をより尊敬できて、先輩は社会に出る準備もできるし思いやりを持てる。誰かにやらせるより誰かを思える選手になれる。。
— 武井壮 (@sosotakei) February 22, 2017
日本の小中高を経験した方ならわかるかと思いますが、日本では年齢によって上下関係が変わります。
特に部活などをやってきた人にとって年齢は全てであり、これは会社で働くようになっても同様です。
「海外では上下関係は存在しない」
こういう人もたまにいますがこれは間違いです。
アジアの国では当然ですが、アメリカですらも上下関係は存在しますし、当たり前ですが高齢者の方には最上の敬意を払って接します。
しかし、日本においての上下関係は時に「行き過ぎている」「本末転倒」とも言えます。
「実力」ではなく「年功序列」によって立場が決まったり、意味すらもない作法を強制したりなど、時代に合っていないと言えます。
もちろん上下関係があることによって人間関係が円滑に進んだり、上を頼れるという安心感や、責任・指示などを出す際に管理がしやすかったりなど良いことももちろんあります。
「上下関係はいらない」とはもちろん言いませんが、上下関係を利用して下の人間を搾取したりなど理不尽なことがあることも事実です。
また、韓国は儒教の国で有名ですが、韓国で電車に乗れば優先席はほとんどの確率で空いています。
日本の電車ではよく見ますが、若い人が優先席に座っているなんていうことはなかなかありません。
これはほんの一つの例にすぎませんが、日本では「年功序列」に厳しいわりにお年寄りに対して果たして本当に優しい国と言えるでしょうか。
④多様性 < 画一性
入社式、すげえな日本…
普通年が逆だろう pic.twitter.com/r4z8bnApMi— Tokkuns (@tokkuns1917) April 4, 2019
前に日本の私立学校の映像を見たアメリカ人の友人が「これ80年代のソビエトみたいだね」と僕に言ってきました。
というのも、みんな同じ髪型、同じ服装、同じカバンを持って登校している学生の様子が昔の共産主義時代のようだと言っていました。
「多様性」よりも「画一性」を重視し、全体主義的な日本社会では個性が尊重されない傾向にあります。
これは移民や外国人をもっと受け入れるべきだというような政治的な論争ではなく、単純に多様性・個性が受け入れられにくい日本社会は少し異常であるとも言えます。
例えば、企業において「多様性」は最も重要なものの一つですが、日本企業において多様性を理解している会社はどれほどあるでしょうか。
日本では「多様性のメリット・デメリット」が議論されていますが、他の先進国では多様性のメリット・デメリットではなく「多様性の中でどう上手くやっていくか」というのが議論されています。
つまり、多様性を受け入れること、多様性が企業や社会において大事なのが大前提です。
女性用の製品を売る会社に女性がいなければ話にならないのと同じで、様々な文化を持つ人や違った考え方・視点を持つ人がいればそれだけ企業の幅・チャンスが広がります。
⑤嘲笑文化
https://twitter.com/theonlyonekanta/status/1103067104801021952
日本のお笑い番組などを見ているとよくわかりますが、他人の容姿をバカにして笑ったり、落とし穴に落ちた人を笑う文化が日本にはあります。
これは「お笑い」にしか過ぎないので、あくまで個人の好みの問題ですが、海外の多くの国では他人の容姿で笑うことはありません。
これは教育現場にも悪い影響を与えていると間違いなく言えます。
このような嘲笑文化の中で育った子供は真似をして馬鹿にしたり、容姿に自信のない子はさらに臆病になります。
クラスで発言した人を笑ったり、間違えたことをバカにすることも少なくありません。
「こんなこと海外では起きない」とまでは言いませんが、日本において他人を嘲笑することは多くあるのが現実です。
特に教育環境において、「日本人は議論が弱い」「英語が話せない」と言われてしまうのはこの悪しき風習があるからとも言えます。
ここまで様々なことを書いてきましたが、海外に住んでいて気付くことは日本の悪い点だけでは決してありません。
むしろ日本の素晴らしいところの方が多くあります。
日本の教育水準は世界一を誇り、世界一の大都市である東京は同時に世界一安全な都市とも言われています。
2011年3月11日に起きた東日本大震災の時の被災者の方々の対応を見た海外の方々は日本文化に感嘆しました。
素晴らしい文化がある一方で、悪しき風習や時代に合っていない文化があるのもまた現実です。
このへんの社会問題も直視できるとまた良いかもしれませんね。
「他にも海外や日本の文化について詳しく知りたいな」
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