冒頭から本記事の題名と矛盾するようですが、、アメリカは「自由の国」です。
だからといって、「自由に生きれる」というわけでもありません。
そんなことを思ったので、先日ツイッターにてこんなことをつぶやきました。
アメリカに住んでると基本的に自由ですが、だからこそ責任も常に伴う。
スラムダンクで矢沢が自由を求めてアメリカに行き「誰からも相手にされない」なんていうエピソードがありますが、まさにここでは自分から行動しないとそんな感じになります。
発言しないでも生きてける日本は逆に楽でもある。
— マサヤ🇺🇸ミナトのすゝめ (@masaya_minato) August 19, 2019
ということで、本記事ではアメリカの「自由の概念」を詳しく解説していきます。
アメリカの自由とは
アメリカはまだ建国から250年ほどです。
当時イギリスの宗教による格差、王政による君主制度から開放されるために「新しい土地」であったアメリカにたくさんの方々が「自由と平等」を求めて移住しました。
1776年にイギリスからの独立を果たし現在に至ります。
アメリカってすごい国ですね。
今では世界一の経済力と軍事力を誇っています。
そんな建国の歴史があるからこそ、アメリカでは「自由」という概念がかなり大切にされています。
投票で大統領を決めるのも、自由に銃が持てるのも、この「自由」を尊重しているからこそでもあります。
自由=責任
しかし実際はどうなのでしょうか。
よく日本では、「自由に生きるなんて甘ったれたこと言うな」なんて言われたりもしますが、アメリカで生活していると「自由に生きる」ことがどれだけ大変かわかります。
「自由には常に責任が伴う」
ホリエモンが「ゼロ」という著書でこんなこと言っていましたが、まさにこの通りかなと思います。
上のツイートでも言及していますが、自由だからこそ自分から行動しないと誰も相手にしてくれません。
「日本で最も読まれているマンガ」の一つでもある「スラムダンク」にも良い例がありますね。
大学生の矢沢が安西先生の指導や厳しすぎる練習に疑問を持ち渡米しますが、「自由の国・アメリカ」に行ったところで「チームメイトは誰も相手にしてくれなかった」と言っていましたね。
アメリカでは「チーム」よりも「個人」です。
「自由」ですが、そのかわり真摯に言ってくれる人なんていません。
やらなかったり、チームの足を引っ張っれば「アウト」です。
アメリカ=シビア
つまるところ、アメリカは「シビア」ということです。
わかりやすい比較で言えば「労働環境」でしょうか。
日本では寝坊して仕事に遅刻することがどれだけ「大事件」かわかりますね。
遅刻=みんなに迷惑かかると言われ、上司や先輩に怒られることもあるかと思います。
アメリカでは怒られることはめったにありません。
ましてやみんなの前で怒鳴られるなんてことありえないですね。
その代わりすぐにクビになります。
日本ではめったにクビにはなりませんが、アメリカではすぐにクビにできるのが現実で、そのへんは日米の法律そもそもが違います。
アメリカでは「みんなに迷惑かけないように」というよりも、「クビになりたくないから」時間に間に合わせます。
これは小学生から徹底して教育されています。
「アメリカの小学生はやりたいことを伸ばす」
有名な話ですが、これはまさにそのとおりです。
算数ができない子は無理して算数の成績を伸ばすのではなく、今できている音楽の成績をもっと伸ばすように教育されます。
しかしそれすらもやらなければ先生が直接指導するわけではなく、親に連絡がいきます。
さらにやらなければ留年です。
アメリカでは小学生から留年になることもあります。
アメリカ=自由ではない
「アメリカは日本人が思うような自由な国ではない」
ここまで読んでいただき、なんとなく「アメリカの自由の概念」というのをおわかりいただけたかと思います。
ここからは実際に「アメリカは自由ではない事例」を一つ一つ詳しく見ていきましょう。
①学歴社会
アメリカは資本主義社会です。
時に「行き過ぎた資本主義」として当ブログでもご紹介しているのですが、アメリカの格差は現在半端ないことになっています。
その代表例がアメリカの「学歴社会」でもあります。
昨今「教育のインフレ」が問題になっていて、大学を出ていないと就職が厳しいのが現実です。
大学を出ているだけでなく、学生時代の「実績」などもかなり重要視されるのがアメリカです。
逆に言えば日本のように「大学の名前」だけで判断されることはありません。
つまり「頑張った人」は優遇され、「頑張らなかった人」は弾かれます。
②上下関係
「アメリカには上限関係など存在しない」と思っている方は間違っています。
日本のような「年齢による」上下の関係はありませんが、職場での上下はものすごいものがあります。
ここでも上の「学歴社会」が効いてくるのですが、会社では上の立場の人に対しては敬語を使います。
以下の記事で「英語の敬語」を詳しく解説していますが、英語でも敬語はかなり使います。
例えば、大学の教授に対してもそうですね。
「Dr」という敬称を使うはずの人に対して、間違って「Mr」など使ってしまった時には「不快」と思う人も多いのが現実です。
それだけアメリカは学歴社会ということを表していますね。
③宗教
アメリカはキリスト教に対してはかなり熱心な国でもあります。
アメリカの硬貨には「In God We Trust(我らは神を信じる)」と刻まれ、大統領の就任式では新大統領は聖書に手を当て「忠誠」を誓います。
このようなことからもわかるように、アメリカは根っからの「キリスト教国家」です。
お酒は21歳になるまで飲めず、売春に関してもネバダ州以外全米で禁止されています。
アメリカで「私は無宗教です」なんてグループの中で言えば、面と向かって嫌な顔されることもあります。
このへんを見たら「日本の方が自由なんじゃない?」と思う人もいるのではないでしょうか。
④政治
前回の大統領選で「隠れトランプ」という言葉ができましたね。
選挙前アンケートではヒラリーが勝っていたのにも関わらず、実際の選挙になってみるとトランプが勝っていたということから、「トランプ支持者はアンケートでは”トランプを支持している”と言えなかった」ということからこの言葉ができました。
つまり「色々と問題発言をしているトランプを公で支持することができない」のがアメリカの現実です。
「トランプを支持している=差別主義者」と思われるからですね。
このようにアメリカにはえげつないほどの「ポリティカルコレクトネス」が存在します。
つまり、「どんな政治思想を持とうが自由」と表向きでは言っているのにも関わらず、実際は「集団圧力」がかかっているのも事実です。
だからこそ、「なんでもハッキリ言う」トランプ大統領が当選されたのかもしれませんね。
ということで、このへんで本記事の結論になります。
アメリカは「自由の国」ではありますが、それはあくまで「責任が伴う自由」でもあります。
まさに「スラムダンク」の矢沢のように「自由」だけを求めてアメリカに来ると絶望します。
「これからアメリカに留学してみたいな」
「将来アメリカで働きたいな」
こんな方はあらかじめこのへんを知っておくと良いのかなと思います。
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