アファーマティブ・アクションとは?〜アメリカに逆差別は存在するのか〜

アファーマティブ・アクションとは?〜アメリカに逆差別は存在するのか〜

 

アメリカは「移民の国」なので、様々な国籍や人種の人達が暮らしています。

しかし、昔からアメリカ=白人の国というイメージがあるように、大多数の人がヨーロッパからの移民、つまり白人の数が圧倒的に多いです。

 

今まで当ブログでもアメリカの歴史や人種差別などをよく取り上げてきましたが、本記事では「アファーマティブ・アクション」についての解説も兼ねて、「アメリカに逆差別は存在するの?」という点について詳しく書いていきます。

 

「アファーマティブ・アクションってなに?」

「アメリカでは白人も差別されるの?」

 

このような疑問にお答えしていきます。

 

 

アメリカの歴史

 

上でも書いてあるように、アメリカの歴史はまだ浅く「移民でできた国」として知られていますが、アメリカ人の4人に3人は白人であるのが現実です。

前大統領のオバマ氏が有名ですが、アメリカの歴代大統領はオバマ氏以外全員白人です。

 

アメリカに黒人が多いのは、かつて「労働力」として連れてこられた人たちのほとんどがアフリカ大陸からで、黒人はかつて「奴隷」という身分でした。

「南北戦争」を経て奴隷制度が廃止されるも、白人による黒人差別がなくならず現在に至っています。

 

また、黒人に対してだけでなく、アジア系やヒスパニック系に対しての差別も存在し、「白人至上主義者」などの「白人が最も優位な人種である」という信念を持った人たちもアメリカにいるのも現実です。(アメリカだけではないですが)

 

歴史的に「アメリカは白人による人種差別がひどい」というイメージがアメリカにはありますが、逆の立場ではどうなのでしょうか。

ここから詳しく見ていきましょう。

 

アメリカの差別に関しては以下の記事に詳しく書いています⇩

 

 

 

 

アファーマティブ・アクションとは?

 

アメリカには「White Privilege (白人の特権)」という言葉があります。

これはそのまま「白人であることで有利になっている」という意味で、主にマイノリティ(黒人など)の人たちが白人に対して使います。

 

「Affirmative Action (アファーマティブ・アクション)」とはその逆で、「マイノリティや社会的立場が弱いからこそ有利になること」を指します。

わかりやすい例で言えば、日本の電車でよく見る「女性専用車両」もアファーマティブ・アクションによるものです。

 

アメリカではこのようなものがたくさんあります。

例えば、入試の際に黒人の学生を優遇する大学が多くあります。

 

白人の学生と黒人の学生が同じ点数だったとしたら、黒人の学生に入学許可がおります。

また、ヒスパニック系だからという理由で奨学金がおりやすいということもあります。

 

これは「多様性を促進する」というのが本来の狙いでもありますが、そもそも白人を取ってしまったら「人種差別」のレッテルを張られかねないので安全策でマイノリティを取るケースもあります。

 

つまりこれが「白人に対する差別なのでは?」という意見の原因にもなっています。

 

アメリカに逆差別は存在します

 

結論から言うと、アメリカでは少数派が優遇されることがかなりあり、これが白人への逆差別になっています。

さらにひどい例で言えば、「白人だから」という理由だけで犯罪に直面するケースもあります。

 

その昔白人が政権を握っていた南アフリカでは黒人による白人差別・迫害が横行しています。

かつて、白人と黒人の人種を完全に分離していた南アフリカですが、「アパルトヘイト廃止 (人種隔離廃止)」から、黒人が政権を握りました。

 

現在では白人が殺害されるニュースが南アフリカでは相次いでいて、「地球上で最も白人が差別されている場所」として知られています。

これはかなり極端な例ではありますが、このように白人と黒人の立場が逆転した瞬間に差別が「ひどくなってしまう」というケースがあります。

 

例えば、エミネムも今では有名なラッパーとして世界で知られていますが、昔は「白人がラップをやっている」ということで差別されていました。

 

Hip Hop=黒人の音楽

 

この概念が強かった時代は「白人のくせにラップをしている」ということでひどい差別にあっていたという話をしています。

 

またこのYouTubeのビデオでもあるような「黒人だけの大学」がアメリカに存在するのも現実です。

 

 

この動画では「Morehouse College」というアトランタにある大学に「唯一の白人」として通っている学生の生活を密着しています。

動画の中で黒人の学生が「もしこの大学に白人が入ってきたら不愉快だ」と言っていて、白人をこの大学に入学させること自体が大学内では賛否両論になるみたいです。

 

今日のアメリカでこれと全く同じことを白人がやったらどうなるでしょうか。

アメリカ国内で大問題になるだけでなく国際的にニュースになりかねません。

 

白人が孤立している地域では「白人という理由だけで」差別されている人がいるのが現状です。

 

アメリカの人種差別=白人

 

このようなレッテルを張られている国で「白人として」生きるのは大変でもあります。

歴史的に見れば白人がアメリカ大陸を侵略し、奴隷制度を作り上げ、マイノリティを迫害してきたのは事実です。

 

しかし、これを現在アメリカに住んでいる白人の人がやったわけではありません。

 

「アファーマティブ・アクションは白人に対して不公平だ!!」

 

かつては白人がこれを公の場で言ったら、ブーイングが飛ぶレベルでした。

この常識をくつがえしたのはトランプ大統領でもあります。

 

トランプ大統領が良いか悪いかという話ではなく、今ではブーイングどころか歓声が上がります。

つまりそれだけ白人の人の不満が溜まっていたのがアメリカの現実です。

 

人種問題は難しいですが、多民族国家であるがゆえんの問題でもありますね。

 

 

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