【現代のシリコンバレー】ゴールドラッシュとは何だったのか

【現代のシリコンバレー】ゴールドラッシュとは何だったのか

 

「ゴールドラッシュ」というハンバーグ屋さんが日本にはありますが、本記事ではハンバーグではなく「カリフォルニア・ゴールドラッシュ」というアメリカの歴史に関して書いていきます。

というのも、「ゴールドラッシュ」はアメリカ社会に多大な影響を与えました。

 

移民や民族浄化、現代のカリフォルニア州の経済の基盤を作ったのもこの「ゴールドラッシュ」からです。

ということで、「ゴールドラッシュってなんなの?」という疑問にお答えしていきます。

 

ゴールドラッシュの始まり

 

「ゴールドラッシュ」をざっくり説明すると、現在のアメリカ・カリフォルニア州で一人の男性が農場で砂金の粒を発見したことから始まります。

1848年の出来事でした。

 

それを新聞記者に知られ、メディアの発表、最終的には大統領がそれに関して演説まで行いました。

それを機に全米どころか世界中からカリフォルニアに移民が押し寄せます。

 

この「金を求めてカリフォルニアに移民が押し寄せた」ことを「ゴールドラッシュ」と言います。

本記事の題名にもありますが、現代の「IT開発」を推し進めて様々なスタートアップ企業の起業家が「シリコンバレー」に行く様にとても似ていますね。

 

ここで巨万の富を築いた者たちがアメリカ経済を支えています。

 

当時のカリフォルニア

 

今となっては「世界の大都市」として知られる「ロサンゼルス」や「サンフランシスコ」、「サンディエゴ」や「サクラメント」などがあることで有名なカリフォルニア州ですね。

全人工は3700万人以上(東京の人工が1400万人弱)で、全米第一位となっています。

 

ですが、金が発見された1848年当時は現在のカリフォルニアの面影など全くなく、サンフランシスコの人工はたったの200人程度でした。

人工200人と言えばまさに「小さな町」にも満たないただの開拓地ですね。

 

それが数年後の1852年には3万6000人にも人工が膨らみます。

 

ゴールドラッシュの影響

 

「カリフォルニアには金がある」

 

これを聞いたアメリカ人や海外からの移民はカリフォルニアに向かいます。

 

中国系の移民

このときに移住してきた人たちの割合を見てみると中国系の移民がこの時多くアメリカに渡ってきました。

 

今でもわりとそうで「さすが中国人」という感じでもありますが、当時はちょうど「アヘン戦争」で清がイギリスに負けたという世界情勢でした。

そんな状況で、当時の中国は開国した直後、香港やマカオが欧州列強に割譲され、それらの地域の帰属であった広東省から多くの労働者が海外へ目に向けました。

 

そんなこともあり、アジアからは中国人がこの時多くアメリカへ移民しました。

今でもカリフォルニアに行くと中国系やアジア人が他の州よりも圧倒的に多い比率でいます。

 

街に行けば「英語よりも中国語の方が多いんじゃないか」と思ってしまうほどですが、これは「アメリカ西海岸=アジアから海を渡ってすぐ」という地形の問題もあり、ゴールドラッシュの頃からカリフォルニアには中国人を始め、多くのアジア人が移住してきました。

 

ビジネスチャンス

ゴールドラッシュによってカリフォルニアに押し寄せたのは「採掘目的」の人たちばかりではありません。

 

「これにより人工が増えるだろう」と見た人たちはビジネスチャンスを求めてカリフォルニアに向かいます。

鉱夫を対象としたサービスや採掘した金をお金に換金する銀行マン、住居などを提供する不動産、鉱山の利権トラブルを解消するための弁護士、様々な人々がカリフォルニアに移住してきました。

 

この代表例でもあるのが「リーバイス」かもしれませんね。

言うまでもないかもしれませんが、採掘は過酷です。

 

そんな作業員の服は「すぐボロボロになってしまう」というのに目をつけた「リーバイス」という人物は、「丈夫な作業着」である「リーバイスのジーンズ」を提供し始めました。

これがあの有名なアパレルブランド「リーバイス」の始まりです。

 

ジョン万次郎

ジョン万次郎がアメリカにいたのもこの頃でした。

 

ジョン万次郎は高知県の足摺岬というところで遭難し、アメリカの捕鯨船に救出、その後ハワイ⇨マサチューセッツに行き、その後ゴールドラッシュのことを聞きつけカリフォルニアに向かいました。

「行動力の塊」みたいな人ですね。

 

これにより帰国資金を調達したジョン万次郎はこのあと無事に幕末の日本に帰国します。

その後は江戸幕府に仕え、日本の「文明開化」に大きく貢献しました。

 

インフラの整備

人工が大きく増えたことによってカリフォルニアは「都市」としての様相を見せ始めます。

 

上でも書きましたが、まず銀行ができ、弁護士事務所、道路、教会、学校までもができ始めます。

日本の江戸時代初期、幕府による江戸城の外堀の拡張、道路整備、河川の整備などの目的で多くの作業員が江戸に引っ越してきました。

 

これらの作業員が現地で家族を形成し定住、最終的に人工が爆発的に増え経済が発展し現代の東京の基盤を作りました。

かなり話がそれてますが、ゴールドラッシュというのはまさにこれと同じような感覚で、外的要因でカリフォルニアの経済に大きなインパクトを与えました。

 

民族の迫害

ここまで「ゴールドラッシュ」の良い面ばかりを書いてきましたが、カリフォルニアに移民が押し寄せたのと同時に少数民族への迫害が激化しました。

 

原住民からしてみれば「ゴールドラッシュ=土地の没収」でもありました。

アメリカ西部にすでに住んでいたネイティブ・アメリカンの人たちはこの時に迫害され、「ヤナ族」などはアメリカ人に絶滅させられてしまいます。

 

最終的にインディアンの人工の95%が亡くなったと言われ、「世界史における最も悲惨な虐殺の一つ」と知られています。

さらに上でも書きましたが、このとき移住してきた多くの中国人も白人(アメリカ政府)により迫害されます。

 

金の資源がなくなってくるのと同時に、「俺らの資源を奪っているのはあいつらだ」ということで高い税金を課せられたり、強制的に帰国させられたりなどひどい仕打ちを受けました。

今でも多少ありますが、「アメリカ=白人(アメリカ人)の国だ」という意識があるんだなぁと感じさせる代表的な例のひとつがこれかもしれませんね。

 

アメリカンドリーム

 

さて本記事では「ゴールドラッシュ」について詳しく書いてきましたが、まさに「アメリカンドリーム」みたいな歴史ですね。

今でも「ビジネスで成功をおさめるんだ」と野望を持ったスタートアップの起業家たちがシリコンバレーに集っていますが、ゴールドラッシュはまさにその始まりでもあります。

 

西で金が見つかれば死ぬ覚悟で採掘に行ったり、そこにビジネスチャンスがあると見て移住したり、そんな人たちの集まりがアメリカなのかもしれませんね。

しかし、それによって少数民族への迫害や差別が起こるのもまたアメリカです。