ファストファッションとは?〜ユニクロ、H&Mが安い理由〜

ファストファッションとは?〜ユニクロ、H&Mが安い理由〜

 

ファッションブランドのユニクロやH&M、好きな方も多いと思いますが、品質が良いのに安いですよね。

日本のブランドで言えば「ユニクロ」「GU」、アメリカで言えば「Old Navy」「Forever21」「Abercrombie&Fitch」などが一般的に「ファストファッション」と呼ばれるジャンルの洋服です。

 

これらの「ファストファッション」はなぜ高品質なのに低価格で売れるのでしょうか。

このへんを見ると現代の「グローバリズム」の実態と、「国際問題」が見えてきます。

 

ということで、本記事では「ファストファッションってなんなの?」ということに関して詳しく解説していきます。

 

ファストファッションとは?

ジーンズ2000円、セーター3000円、ブルゾン5000円、ダウンジャケット9000円などなど。

普通に考えればありえないほどの低価格を実現しているファストファッション業界ですが、我々消費者にとってみればとても嬉しい限りですね。

 

買い手にとっては「なんでこんなに安いの?」「安さの裏側」をわざわざ知ろうとはならないかと思います。

この低価格は単純に「品質の差」によるものではなく、現代の「グローバル化」の問題点を浮き彫りにしています。

 

人権問題

 

少し前にニュースになったりもしましたが、今問題になっているのが「人権問題」に関してですね。

ファストファッションなどのブランド服の生産は主に東南アジアや中国で行われています。

 

実際に日本企業である「ユニクロ」や「GU」も、中国、カンボジア、ベトナム、インドネシアなどに多くの工場を持っています。

それは「人件費が安いから」ですね。

 

例えば東南アジアの国々の最低賃金は100円程度です。

このように日本企業や先進国であるアメリカなどの企業は、途上国に工場を作れば人件費を抑えながら大量生産が可能になります。

 

もちろんこのような先進国の企業が東南アジアなどの国に工場を作ることによって、現地の雇用が増えたり経済が潤ったりもします。

しかし日本の労働基準に比べあまりにも劣悪だったり、残業代がものすごく少ないなんていう「人権問題」もあるのも事実です。

 

ユニクロなどのファストファッションは途上国で生産するだけでなく販売もしています。

物価の違いもあるので、日本では激安のユニクロも、ベトナムでは「ハイブランド」です。

 

皮肉ですね。

途上国の安い人件費で生産された洋服は先進国で安く売られ、途上国で高く売られているという状況です。

 

「資本主義なんだからしょうがないよ」とも言えますが、これがグローバル化が生んだ「不公平」な実態です。

 

環境問題

 

人権問題に続いて現在問題になっているのが、「環境汚染」に関してです。

数千円で買ったジーパンを消費者は何年着るでしょうか。

 

「2000円で買ったから1年保てば良いや」くらいの感覚だと思います。

僕もそうです。

 

逆に数万円出して買った洋服は下手すれば5年〜10年は着続けます。

このようなことから、ファストファッションとして安く買われた洋服はすぐに廃棄されているのが現実です。

 

「大量生産」⇨「大量消費」

 

この循環で利益を出している企業ですが、大量生産の過程が環境汚染の原因ともなっています。

この環境汚染の被害になるのは、当然工場のある途上国です。

 

「アパレル・ファッション業界は石油業界に次いで二番目に環境汚染を生み出している産業」

 

こうも言われています。

 

「寄付」の弊害

 

「大量生産」⇨「大量消費」

 

繰り返しますが、このように途上国で「大量生産」された洋服は先進国で「大量消費」されます。

上でも書いていますが、その後に売れ残った洋服は「大量廃棄」されます。

 

その大量廃棄された洋服は最終的に回り回って途上国に「寄付」されます。

 

「大量生産」⇨「大量消費」⇨「大量廃棄」⇨「途上国に寄付」

 

こんな流れですね。

 

フィリピンなどのローカルな古着屋、リサイクルショップなどに行くと、まさにユニクロやH&M、Old Navyなどの洋服が100円ほどで大量に売っています。

中には本当に「無料」で途上国の人に配ってたりもします。

 

「寄付がなんで問題なの?」

 

 

こちらの記事にも書きましたが、途上国に「寄付」をすることによって現地のビジネスを潰しているのが現実です。

つまり無料で物を手に入れられる時に人はわざわざお金を出してまで物を買おうとはしません。

 

ここで困るのは現地のアパレル業界です。

先進国から洋服が渡るたびに現地のアパレル産業はお客さんを失うことになります。

 

このようにして途上国のビジネスは一向に伸びないということが起きています。

それもそうですね。

 

国連や日本を含む先進国は数十年に渡り、途上国に対して寄付をしていますが途上国の貧困はなくなっていません。

これは寄付自体が間違っているということになります。

 

その寄付を促進しているのはファストファッション業界による大量消費&大量廃棄なのは明らかですね。

 

【結論】知ることが大事

 

ということで、本記事ではファストファッション業界に対してちょっとした「メス」をうっていますが、これはなにも「ファストファッションは買うべきではない」という主張ではありません。

むしろファストファッションは便利ですし、何を着ようと「個人の自由」ですね。

 

しかし最低でもこういった現状を知ることが大事でもあります。

安い人件費でも労働環境を見直したり、安く手に入った洋服も何年も着れば環境問題になることはありません。

 

筆者もユニクロのジーパンを3年前に買いましたが、今でも問題なく着ています。

ということで、ユニクロはおすすめです。