
先日KKK(クー・クラックス・クラン)についての記事を書きましたが、本記事では「ネオナチ」について詳しく解説していきます。
結論から言うと、アメリカにはネオナチやKKKと言った白人至上主義を主張する団体は今でも存在します。
個人のレベルで言うと、このような思想を持った人は数えきれないほどいます。
本記事ではネオナチとはそもそも何なのか、白人至上主義の実態を詳しくご説明していき、日本とアメリカの文化&歴史の違いを見ていきます。
ネオナチとは?
「ネオナチ」とは英語の“Neo-Nazism”のことを言います。
“Neo”というのは「新しい」という意味を持ち、“Nazism”というのはかつてのドイツ・ヒトラーの「ナチス党」から来ています。
つまり、「新しいナチス党」=「かつてのナチスを復興しよう」という思想のことを言います。
ナチス・ドイツの指導者アドルフ・ヒトラーを崇拝しているので、ヒトラーの誕生日になると盛大にパーティーをやることもあります。
この思想は主に「白人至上主義」という思想から来ています。
白人至上主義=英語では“White Supremacy”と書きますが、「白人こそが他の人種よりも優れている」という思想のことですね。
最近ではトランプ大統領の「移民制度改革」で移民を排除or厳しく取り締まることに強く賛成しているように、時に「排他的」「ナショナリズム」と表現されることもあります。
ナチスドイツ
ナチスドイツとはアドルフ・ヒトラーを指導者とし、第二次世界大戦時には欧州制圧を目指し世界を相手に戦争をしました。
大日本帝国とも同盟を組んでいたことから日本とも深い関係があります。
最も悪名高いとされる歴史的事件は「ユダヤ人強制収容所」での残酷な迫害ですが、それはドイツ同一化・外国人排斥というヒトラー&ナチスの思想から来たものでした。
このような歴史からわかるように、
ナチスドイツを崇拝すること=外国人排斥主義・国粋主義・全体主義
このようになります。
ネオナチの現在
出典:Gigazine
「ネオナチって今でもいるの?」
ネオナチは今でも世界中に存在します。
かつてアメリカでは「アメリカ・ナチ党」という政治団体もいました。
ヨーロッパにもネオナチ党という政党が地方議会に進出した例もあります。
こちらの動画では日本のネオナチについて詳しく取り上げられています⇩
上の動画を見ていただければネオナチorナチスドイツを崇拝する方々の主張するところはある程度分かるかと思います。
このように現在でもネオナチを称する団体はわりと結構あります。
アメリカのネオナチ
では実際にアメリカのネオナチについて詳しく見ていきましょう。
当ブログでもさんざん書いていますが、アメリカは「移民の国」です。
移民の国だからこその人種間の問題がアメリカでは絶えません。
以下がアメリカのネオナチ団体が主張するものです⇩
EXAMPLE
白人こそが優位だと主張
移民反対
外国人・非白人の権利を反対
同性愛者の主張に反対
フェミニズムの主張に反対
ヒトラーを熱狂的に支持
反共産主義
トランプ大統領の政策を支持
これが全てではないですが、「大体こんな感じの主張なんだな」というように見ていただければ間違いありません。
実際のところ…
結局のところ、白人の方々が主張していることは「白人の権利を守りたい」ということです。
逆を言えば「白人の権利を奪われるのが怖い」ということでもあります。
最近ではヒスパニック系をはじめ、アジア系、アフリカ系などアメリカには様々な人種の方々が入ってきて地域によっては白人がマイノリティになっているケースもあります。
そういった地域では逆に白人が差別されるなんて言うケースもあります。
例えば、有名なラッパーであるEminemも出身であるデトロイトで「白人であることから」差別を受けてきました。
ラップ=黒人のもの
この概念を覆した白人の第一人者でもありますが、昔は白人がラップをしているということから壮絶な差別を受けていたという事実もあります。
また国は変わりますが、南アフリカではアパルトヘイト(人種的分離)を廃止して「人種間の平等」と「黒人の権利」を与えた途端に白人がマイノリティになり、現在では白人が黒人に迫害されてしまっているというケースも起こっています。
実際に南アフリカは「地球上で最も白人が差別されている国」とも言われるようになっています。
このような反動があるからこそアメリカはいつまでも「白人の国」であり続けたいということでもあります。
アメリカでは白人も生きづらい?
アメリカに行くとよくわかりますが、「多文化の国」だからこそ色々な場所にマイノリティのコミュニティが存在します。
ヒスパニックの地域では英語は一切話さずスペイン語のみで生活している人もいれば、チャイナタウン、リトルトーキョーなど、それぞれの文化を形成しながら生活している人もいます。
一方で白人が独自のコミュニティを作ると「白人至上主義」というレッテルをはられたり、あまり良い目で見られないというのが現実です。
つまり黒人やアジア人、ヒスパニックなどの少数派の人達が権利を主張しても支持をする人がたくさんいる。
一方で、白人が自分たちの権利を主張した瞬間に「白人至上主義」「ナチス」「人種差別主義者」このようなレッテルをはられてしまう。
これが多くの人達が過激になる原因でもあります。
白人の人も自分たちの文化を守りたいのは当然ですね。
メデイアの責任
アメリカで白人の人たちが過激になっている&人種間の分裂を引き起こしているのはメデイアの責任でもあります。
例えば、去年の年末の「ガキの使い」でダウンタウンの浜ちゃんが顔を黒塗りにして「エディ・マーフィー」になりきったことをメデイアは一斉に「人種差別」として批判しました。
あれを人種差別かそうでなかったかは受け取り方次第ですが、この例のようにメデイアは「人種差別」に対して「過剰に反応しがち」というのがあります。
特にアメリカのメデイアはすごいです。
人種問題は特に感情的な問題なので、より多くの注目を集めることが出来ます。
結果的にメデイアは多少の人種の問題でも過剰に報道します。
例えば、下の動画にある「ダブ」のCMです。
ダブは日本でも人気の洗顔やシャンプーなどを売る会社ですが、一年ほど前にこのダブが作ったCMが「人種差別」として報道されました。
内容としては、黒人の女性が服を脱いだら白人になっているというものですが、これを少数の方々が「人種差別だ」としたのをメデイアは一斉に「ダブのCMは人種差別だ」として報道しました。
しかし、実際にフタを開けてみると「これは全く人種差別ではない」という人が大半でした。
実際にこのCMに出演している女性の方も「これは人種差別ではないよ」というふうに反論しています。
このようにメデイアが一方的に「人種差別」というフレーズに盛り上がって炎上させてしまうケースがアメリカには多々あります。
これがトランプ大統領をはじめ白人の方々が気に入らない、過激になってしまう要因でもあります。
【結論】人種問題は難しい
結局のところ多くのネオナチの方々、極右と呼ばれている方々が口を揃えることは「人種の問題はなくならない」ということです。
だからこそ「違う人種同士は分離しよう」という考えでもあります。
かつて黒人指導者でもあった「マルコムX」も黒人原理主義を唱え、「人種差別はなくならないから黒人はアフリカに帰るべきだ」と主張しました。
その一方で“平和的な”人種差別撤廃&平等を主張したキング牧師やネルソン・マンデラはノーベル平和賞を受賞しています。
このへんの違いから、「結局は長い目で見て努力をすることが大事なのかな」とも思います。
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