こんにちは。筆者は現在アメリカに住んでいます。
当サイト「ミナトのすゝめ」を通じて英語学習やアメリカの文化をはじめ、政治、歴史に関して幅広く情報を発信しています。
8月15日という日は日本人にとって特別な日でもありますね。
1945年の8月15日正午に昭和天皇が玉音放送を通して日本国民に「日本の敗戦」を伝えました。
つまり日本がポツダム宣言を受け入れ、第二次世界大戦が終結した日です。
本記事ではそんな8月15日という日はアメリカにとってはどういった意味があるのか、「アメリカではこの日はどのようにして覚えられているのか」というのを詳しく解説しています。
アメリカの終戦記念日
こちらの写真はアメリカでは超有名です。
日本が降伏したあと、アメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアでは人々が「勝利」を喜びました。
出典:温故知新(旅・花)日記
こちらが当時の日本です。
天皇陛下の玉音放送を聞きながら泣きじゃくる人々の写真です。
当然ですが、日本とアメリカではこの8月15日・終戦の意味合いが全く違いますね。
8月14日
実際に日本がポツダム宣言を受け入れ世界に公表したのは8月14日でした。
天皇陛下が玉音放送で日本国民に「敗戦」を伝えるのは8月15日の正午のことになりますが、時差の関係もあり、実際にはアメリカでは8月14日の時点で終戦が知られていました。
上のニューヨークの写真も8月14日の出来事です。
こんなこともあり、アメリカでは「日本がポツダム宣言を受け入れた日」というのを8月14日としています。
誰も知らない?
結論から言うと、アメリカでは8月15日、または8月14日に日本がポツダム宣言を受け入れて第二次世界大戦が終結したというのを知っている人は皆無です。
中には知っている人もいると思いますが、それはよっぽど歴史が好きな人になるかと思います。
少なくとも筆者の周りでは終戦記念日を知っているアメリカ人はいませんね。
ちなみにキリスト教では8月15日は「Assumption of Mary」というカトリック教会の祭日でもあります。
この日アメリカでは教会に人が絶えないのですが、これは終戦とは関係なく、キリスト教のお祝いの日ということですね。
9月2日
アメリカを含む、他の連合国だった多くの国々では9月2日を「Victory Over Japan Day(対日戦勝記念日)」としています。
この日は一般的に「V-J デー」と言われています。
というのも、日本が降伏文書調印したのが9月2日で、この日にトルーマン大統領がラジオ放送でアメリカ国民に「戦争の勝利」を伝えた日になります。
同様に中国、ソ連でも9月2日を「対日戦勝記念日」としています。
ベトナムでは9月2日を「独立記念日」としています。
5月8日
1945年5月8日はナチスドイツが無条件降伏を受け入れた日になります。
つまりこの日にヨーロッパでの戦争が終わりました。
したがって、ドイツを含む他のヨーロッパの国々ではこの日が「終戦の日」でもあります。
英語では「Victory In Europe Day」と言われ、主に「V-E デー」 と知られています。
「終戦」の意味
アメリカやヨーロッパに「これから住むよ」という方々はこれらの「終戦の日」を覚えておいて損はないかと思います。
というのも、国や歴史が違えば物事に対する見方自体も変わります。
日本で「終戦記念日」というのは、「戦争で亡くなった方々を追悼する日」という意味合いが強いと思います。
毎年8月になれば新聞やテレビは戦争特集が連日放送され、「絶対に繰り返してはいけない戦争」ということで再確認している気もしますね。
一方で当時連合国だった国々、主にアメリカやイギリスなどですが、これらの国々では「終戦記念日」とは「お祝いの日」です。
「ナチス、ファシズム、独裁主義から自由を勝ち取った日」ということですね。
変わりつつある意識
日本の総理大臣の靖国神社参拝に関して、議論になることが多々ありますね。
特に8月15日の終戦の日に関しては昔は総理大臣も「公式参拝」としてよく靖国神社を訪れていたのですが、近年ではそれも難しくなってきました。
というのも、中国や韓国などの間で政治的摩擦になるからです。
「近隣諸国への配慮」ということで、最近では総理大臣が靖国神社参拝をすることはありません。
これと同じようなことがアメリカでも起きています。
例えば、上でご紹介している「Victory Over Japan Day」は「対日戦勝記念日」ですが、最近ではこれを「Victory Day(戦勝記念日)」としています。
日系アメリカ人やアメリカにいる日本人に配慮をするようにした結果ですね。
また、1975年まではこの9月2日を「連邦政府の祝日」としていましたが、最近では祝われることもなくなってきました。
どちらかと言うと、アメリカではこの「戦勝記念日」よりも、真珠湾攻撃の日(12月7日)やノルマンディー上陸作戦が行われた6月6日に犠牲者を追悼するニュースや報道が毎年やっています。
つまり「戦勝記念日」として祝うことはアメリカでも少なくなってきているということですね。
「アメリカではどのように歴史を教えているの?」
こんな疑問をお持ちの方、以下の記事もあわせておすすめです⇩
コメントを書く