【アメリカの謎】非常時に銃の売上が倍増するのはなぜなのか

【アメリカの謎】非常時に銃の売上が倍増するのはなぜなのか

 

「コロナウイルス」の影響もあり、(2020年3月)現在世界で混乱が起きています。

アメリカでも例外ではなく、筆者が通う大学もすべての授業がオンラインに切り替え、多くの飲食店は通常営業してなく、お店も限られた時間しか開いていない、こんな状況が続いています。

 

先日近所のモールに行ってきましたが、人はほとんどいなく、ガラガラの状態です。

普段では考えられない光景ですね。

 

あの「ウォルマート」ですら、多くの食品や生活必需品(トイレットペーパーや石鹸など)が売り切れています。

マスクや消毒薬がないのはわかりますが、なぜか風邪薬や痛み止めまで売り切れの状態となっています。

 

そんな中、今全米で売上が倍増しているものがあります。

 

銃ですね。

 

「アメリカでは、ハリケーン、地震、銃乱射が起きると銃の売上が上がる」

 

こんなことが言われていますが、「コロナウイルス」も例外ではありません。

本記事ではそんなアメリカの「お決まり」でもある、このへんの謎に関して「なんでなの?」ということをアメリカの文化とともに詳しく解説していきます。

 

非常事態宣言発令

 

アメリカ国内で「コロナウイルス」の拡大を受け、3月13日トランプ大統領は「国家非常事態宣言」を発令しました。

これにより、各州や自治体は「緊急用」の国の資金にアクセスが可能となり、国を挙げてウイルスと戦うことが明確となりました。

 

感染者の多い一部の都市(ニューヨーク州、ワシントン州)などでは、遠隔医療サービスの提供を可能にしたり、車に乗りながら検査ができる「ドライブスルー方式」の臨時の検査場が設置されたりもしています。

上でも書きましたが、多くの大学ではオンラインクラスに切り替えられ、小中高は休校、教会などの人が集まる施設などは閉鎖して日曜日の礼拝が中止になっています。

 

繰り返しになりますが、筆者の住んでいる地域はかなり田舎ですが、ここではもはや「ゴーストタウン」のような様相になりつつあります。

どこに行っても人がいなく、人が大勢いるのはウォルマートなどのスーパーマーケットのみで、そのスーパーマーケットでは食品や生活必需品が売り切れの状態となっています。

 

「カオス」です。

 

銃の売上倍増

 

そして食品や生活必需品に相して売上が倍増しているのは「銃」です。

 

 

こちらの記事によると、オンライン上で弾薬の販売を行っている「ワイドナーズ・リローディング&シューティングサプライ」では、2月23日から25日にかけてのアクセス数が昨年に比べて99.7%増加し、売上もほぼ倍増しているとしています。

ミシガン州で566%増加、コネチカット州で390%増加、フロリダ州で383%増加、ケンタッキー州で304%増加、ニュージャージー州で241%増加と驚異的な注文があったとのことです。

 

日本人からしてみると「意味がわからない行動」でもありますが、アメリカ人にとっては「銃&銃弾を備える=災害対策」でもあるからですね。

実際にアメリカでハリケーンや地震などが起きると、缶詰やサバイバル道具とともに銃の売上も上がるという統計があります。

 

一体なぜ?

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B00FHQ1HQS

 

「ウォーキング・デッド」というアメリカでは超有名なテレビドラマがあります。

こちらのテレビドラマ、いわゆる「ゾンビ作品」と呼ばれるものなのですが、ゾンビを超越して最終的には人VSゾンビではなく、人VS人になっていくのがこのドラマのポイントなのですが、登場人物はまず最初に銃を手に入れます。

 

最初は「ゾンビ対策」としての銃だったはずなのですが、次第にゾンビによって崩壊した経済、混沌とした日常で、他人の略奪から身を守るものとして銃が使われるようになっていきます。

そこから人間同士が戦争していくというものです。

 

あくまで「フィクション」の世界ですが、これはわりと現実味があるものとして評価されています。

実際にアメリカでは災害のたびに略奪が起こります。

 

2005年に起きたハリケーン「カトリーナ」のときには、市民生活が停止し無法地帯となった場所で、略奪や医療、救援物資を運ぶトラックが襲われたり、放火まで起きました。

これはなにもアメリカだけでなく、中国やハイチの大地震のときにも同じように犯罪が横行しました。

 

考えてみればこれが人間心理なのかもしれませんね。

自分や自分の家族が死の危機に直面すれば、「なんでもする」という人が多いのかもしれません。

 

だからこそ「東日本大震災」の時に、あれだけ市民生活がストップしたのにも関わらず、暴動が起きなかった日本は世界から称賛されました。

つまりアメリカ人が非常事態に銃を買うのは、「暴動や略奪から身を守るため」という切実な理由からです。

 

【結論】人間が一番怖い

 

また「ウォーキング・デッド」の話に戻ってしまいますが、このドラマを見ていると「人間が一番怖いな」とつくづく思います。

実際そうなのかもしれませんね。

 

特に多種多様な人種がいて、「Individualism(個人主義)」の強い国では、まさにこのドラマのようなことが起きかねないとも言えますね。

実際にこのコロナウイルスの件を経て、アジア人に対する差別が増えてもいます。

 

そんなことから、普段銃を買わないアジア系や日系アメリカ人も銃弾や銃を買いにショップに走っているという報道もあります。

差別やヘイトクライムから身を守るためですね。

 

 

こちらはトランプ大統領のツイートです。

このツイートでは「コロナウイルス」のことを「チャイニーズウイルス」と呼んでいることから、「大統領が差別を助長している」と色々な方が批判しています。

 

筆者も「アメリカに住んでいるアジア人」として、個人的に差別をされたことはまだありませんが、これからこの状況がひどくなると少し怖くもあります。