こんにちは。現在筆者はアメリカに住んでいてよくわかるのですが、アメリカ人は全くと言っていいほど貯金しません。
むしろ「カード払い」などで買い物するので、普段から「マイナス」の人も結構います。
つまり借金しているということですね。
先日ツイッターにてこんなことをつぶやきました⇩
太平洋戦争にかかった軍事費は今の価値にして約4000兆円とかいう意味わからない桁になる
その時から「勝つために国民貯蓄」みたいな号令が始まり、そこから「貯金=美徳」という考えが日本に根付いた
アメリカでは5万円ほどの急な出費に耐えられる人が2割しかいない
アメリカ人は貯金をしない
— マサヤ🇺🇸ミナトのすゝめ (@masaya_minato) March 25, 2020
とまぁ、こんな具合に歴史的、文化的に日本とアメリカは違います。
ということで、本記事では「なぜアメリカ人は貯金をしないのか」「アメリカ人が貯金をしない5つの理由」ということで、詳しく解説していきます。
貯金をしないアメリカ人
繰り返しになりますが、アメリカ人は基本的に貯金をしません。
こちらの記事にありますが、アメリカ人の5人に一人は貯金0という調査結果もあるくらいです。
僕からしてみると「貯金0」というのは(将来的に)とても怖い感じもしますが、アメリカ人はなかなかの勇気があります。
他の調査結果では、「車が故障したら、その修理代を即決で払える人はほとんどいない」とも言われています。
「賃金の関係で貯金できないだけなの?」と思う方もいるかもしれませんが、アメリカの賃金はデフレに直面している日本よりも高いです。
なのでアメリカ人は日本人よりも(相対的に)給料を多くもらっていて、物価に関してもそこまで厳しいというわけでもありません。
では、なぜアメリカ人は貯金をできない、しないのでしょうか。
それには以下の理由があります。
①投資文化
こちらの記事で詳しく書いていますが、アメリカ人は基本的に「リスク」を恐れません。
実際にアメリカの起業率は日本に比べ圧倒的に高いのが現実です。
これに関しては、規制が緩かったり、歴史的なものであったり、日本と違い終身雇用制度がなかったりなどなど、様々な要因があります。
このような背景からアメリカには柔軟な考え方があります。
日本には「国民皆保険」という制度がありますが、アメリカにはこれがありません。
というのも、アメリカでは「治療費は自己責任だ」という考え方があるように、「将来は自分でなんとかする」という人が多いのかもしれませんね。
つまり国の公的年金などに頼るのではなく、自分で投資をするという人が多いです。
実際に「DIY」などがアメリカでかなり一般的なのも、「自分でなんとかする」という意識から来ているものなのかもしれませんね。
②信用とカード文化
アメリカは「カード社会」です。
未だに現金が主流な日本とは違い、アメリカではほとんどの買い物をクレジットカードで済ませます。
この「クレジット」を貯めることにより、将来家を借りたり、家や車など大きな買い物をする際にローンが組めるようになります。
中にはお金を持っていないのに、クレジットカードで買い物をして、次の給料日に間に合わせるという人も多くいます。
なので、貯金どころかマイナスですね。
そして貯めたクレジット(信用)を使い、学生ローンや車の購入、不動産投資などに使うローンを組みます。
つまり①で書いたものと似たように、アメリカ人は貯金ではなく、未来の投資に使う人が多い傾向にあります。
③日本⇨先行き不安
これもかなり大きな要因かもしれませんね。
「日本経済は先行き不安だ」と考える人が日本には多くいます。
これが事実かどうかはさておき、日本では30代であっても、老後の心配をする人もいます。
アメリカ人からしてみればこんなの驚きです。
「何十年後の話をしてるんだい?」
こういうことですね。
この「老後の心配」は、日本においての書籍やメディアが作り出した、一種の「幻想」でもあるのかもしれません。
実際にアメリカでは真逆です。
何十年もデフレが続いている日本とは違い、アメリカは正常にインフレを続けています。
「この間350円だった牛丼が290円になってる」というのが日本だとしたら、アメリカでは「15ドルだったランチが17ドルになってる」という感じです。
つまりコンスタントに値段が上がり続けています。
これは投資の世界でも同じで、バブル前の日本で信じられていた「土地の値段は下がらない」と同じように、現在のアメリカで「不動産投資をすれば必ず儲かる」みたいな幻想があります。
結果的に銀行にお金を置いておくよりも、投資をしたほうがお得ということになります。
④ローン返済
上でも書いていますが、アメリカ人は常に様々なローンを抱えています。
その最たるものが「学生ローン」ですね。
日本でも近年「学生ローン(奨学金)が払えず貧困に苦しむ若者」という感じで社会問題になっていますが、アメリカはもっと深刻です。
こちらの記事で詳しく書いていますが、アメリカの大学は「ふざけてるんじゃないか」と言いたいくらい高いのが現実です。
なので、一般的な学生はローンを組んで大学に通うほかありません。
そこで「未来への投資」ということで、ローンを組み大学を卒業します。
卒業後は学生ローンの返済に追われ、「貯金なんて不可能」という人がアメリカには多くいます。
⑤大量消費文化
「こんまりブーム」から始まって、ようやく今アメリカにも「片付け術」「収納術」が浸透してきてるけど、アメリカ人は基本的に物を買いすぎ。
でっかい家にモノが飽和状態になっててる家庭が結構ある。
この大量消費の文化は日本とは真逆で、大恐慌のあとに企業が消費を加速させたから。
— マサヤ🇺🇸ミナトのすゝめ (@masaya_minato) March 26, 2020
アメリカは「大量消費」の文化があり、行き過ぎた「資本主義国家」です。
つまり消費すればするほどお金になります。
例えば、アメリカで食べ放題式のレストランに行くと、みんな大量の食べ物を皿に盛り付けます。
大量に盛り付けた食事を最後まで食べずに、次の食事を持ってきます。
店員も何も言わずに終わったお皿を下げて、その食べ物はゴミ箱行きです。
日本の感覚からすると「もったいない」と感じますが、アメリカではこういった大量消費は日常です。
これは食べ物だけでなく、家具や電化製品なども同じで、車でアメリカの住宅街などを走っているとまだ使える物が大量に破棄されているのをしょっちゅう見ますね。
この文化が根付いたのは1930年代の「大恐慌」までさかのぼります。
大恐慌によってアメリカ経済が大ダメージを受けた後に、その再来を恐れた企業は、「計画的陳列化(Planned Obsolescence)」という計画を実行します。
これは製品の寿命を一定年数に抑えるもので、「買い替える必要がないモノを定期的に買わせるよう仕向けるマーケティング戦略」を行いました。
これが多くの市場に浸透していって、その大量消費の文化は未だにアメリカ社会に根付いています。
この大量消費文化は直接的ではないかもしれませんが、アメリカ人が貯金できない要因の一つになっているかもしれませんね。
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