アメリカの人たちはマスクをするのを極端に嫌がります。
筆者は現在アメリカ在住ですが、「なにか因縁でもあるんじゃないか」というレベルです。
マスクをするのが日常的であるアジア圏の人たちからしたら「意味不明」でもありますね。
本記事ではそんな「謎」に関して、文化的な側面から解説していきます。
アメリカ人とマスク
こちらの動画はフロリダ州に住む住人たちが、「マスク着用の義務」を呼びかける議会に対して抗議をしているものです。
残念ながら日本語字幕はついていないのですが、彼らの主張は「まさにアメリカ人」と思ってしまうものなので、ここでシェアしたいと思います。
「私はアメリカにある憲法を守るためには命も惜しまない」
最初の男性はこう言いつつ、「国民の自由を奪うな」ということで「マスク着用の義務」に反対しています。
つまり、「マスクを着用することを義務付けるのは憲法違反だ」ということですね。
さらに二人目の女性は、「同じ人間に対してマスクを着けさせ、呼吸困難にさせるなんていうことはあってはならない」とし、「私たちには酸素を吸う権利がある」と主張します。
「神様が作ってくださったこの呼吸法、酸素のシステムに対しての冒涜だ」
こういった主張もありましたね。
一見ふざけているようにも聞こえますが、動画を見てもわかるように、彼らは大まじめです。
なぜこのような主張になってしまったのでしょうか。
日本に住んで、日常的にマスクをしている人たちにとっては理解しがたいですが、そもそものアメリカの文化や考え方の違いを見ていけば紐解けます。
①個人主義VS集団主義
英語では「Individualism VS Collectivism」とも言いますが、この概念でいうと日本とアメリカは対極にあります。
日本は極端な「集団主義社会」、一方でアメリカはというと極端な個人主義社会だと言えます。
「これがマスクとなんの関係があるの?」
こんな疑問ですが、これはわりと大きく関係しているとも言えます。
日本でマスクをするタイミングと言えば、風邪をひいたときはもちろん、会社を風邪で休んだ次の日、完治していても「気まずいからマスクをする」という方も多いのではないのでしょか。
また、「スッピンだから」とか、「人に見られたくないから」というような理由でマスクをする人もいますね。
このように極端に「他人に気を配る」という文化が日本の集団主義の特徴でもあります。
一方でアメリカは真逆ですね。
上記の動画でもわかりますが、個人の権利が全てでもあります。
昨日「インフル発症した」って言って授業休んだアメリカ人の友達が次の日に普通に学校来た時はビビった。
(アメリカなので)マスクなんてしてるはずもなく、「大丈夫なん?」って聞いたら「大丈夫じゃない」とのこと。
まじで来ないでほしいと思ったし、意地でもマスクしないアメリカ人本当わからん😭
— マサヤ🇺🇸ミナトのすゝめ (@masaya_minato) January 20, 2020
こちらのツイートは「コロナウイルス」が流行る直前ですが、このアメリカ人の友達はインフルにかかった次の日でもマスクをしませんでしたね。
正直ドン引きしました。
②文化の違い
こちらの記事でも似たように、「欧米の人たちがマスクをしない理由」というのを書きましたが、アメリカなどの欧米諸国では「マスクをしている人=奇妙」という印象があります。
例えば、イギリスでは小学校でマスクの着用を禁止しているというところもあるように、顔を隠して人と会話することは基本的に失礼にあたることもあります。
また、日本でよく使われている「白いマスク」というのは、英語では「Surgical Mask」と呼ばれます。
直訳すると「手術用マスク」ですね。
つまり名前のように、病院からそのまま出てきた人みたいな感覚です。
前にアメリカ人の友人に「日本人はなんでマスクをするの?」と聞かれたことがありました。
「風邪を他の人にうつさないためっていう理由で着けてる人も多いんだよ」というのを言ったら、結構驚いていましたが、「マスク=感染防止」という感覚があまりないのが現実です。
コロナウイルスを機にこのへんの考え方、意識も変わりつつあります。
③”表情”の違い
出典:https://togetter.com/li/1490459
欧米文化⇨「口元が表情の中心」
日本、アジア文化⇨「目元が表情の中心」
日本や「美容大国」で有名な韓国では、整形の部位で最も人気なのが「目元」ともいわれています。
日本に長く住んでいる人ならわかるかもしれませんが、二重の人はうらやましがられたり、化粧で無理やり二重にする人も結構いますね。
逆に欧米諸国ではどうでしょうか。
欧米、特にアメリカでは「歯が命」です。
日本では人気の八重歯やアヒル口なんかは、アメリカだと不人気です。
八重歯のある人は子供のうちからすぐに矯正ですね。
実際に住んでみるとわかりますが、アメリカは歯が綺麗な人が多いです。
このように口元が命の欧米社会では、マスクというのは表情を失うに等しいものでもあります。
日本でもサングラスはなんだか「怖いイメージ」があるように、欧米ではそれがマスクになります。
アメコミのヒーローは大体目元を隠しますが、ギャングなどは口元を隠します。
出典:https://theriver.jp/avengers-e3-announcement/
出典:https://ameblo.jp/urbanhype/entry-12581945297.html
こんなところの違いから、アメリカ人は意地でもマスクをしないのかもしれませんね。
ということで、本記事でも「アメリカと日本の文化の違い」に関する記事を書いてきました。
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