【1000万円以上です】アメリカの大学の学費が高い7つの理由

【1000万円以上です】アメリカの大学の学費が高い7つの理由

 

当ブログ「ミナトのすゝめ」では、主にアメリカの文化や歴史を発信しつつ、留学や英語の悩みを解決しています。

ということで、先日こんなことをツイッターでつぶやきました⇩

 

 

アメリカの学費の高さは異常なのですが、卒業するまでの4年間で「1000万円はくだらない」とも言われています。

ではこの学費の高騰はどこから来たのでしょう。

 

本記事ではそんな「アメリカ資本主義の闇」とともに、「留学費用を抑えるにはどうしたらいいの?」という疑問を解決していきます。

 

アメリカの大学の学費

 

繰り返しますが、アメリカの学費は異常レベルです。

私立の4年制大学ともなると、年間200万から300万円かかります。

 

学費の値段は1980年代から2倍以上に膨れ上がっているとも言われていて、現在は平均の年学費は私立で約400万円、州立で約110万円です。

 

出典:Business Insider

 

この学費の高騰に伴い、アメリカでは奨学金(正確には学生ローン)を借りるのですが、返済できない人が増えていて社会問題ともなっています。

これは日本でもしょっちゅう耳にしますね。

 

アメリカはもっと酷いのが現実です。

 

学費のシステム

 

アメリカの州立大学では「出身地」によって学費の値段が変わってきます。

つまり州内に本籍地がある学生は安いのですが、州外から来た学生(留学生含む)は高くなります。

 

「州立」なので、州内の生徒を優遇するのは当然と言えば当然ですね。

ですが、「州外から来た学生も同じ学費でいいですよ」という大学も中にはあります。

 

もちろん留学生も同じ値段になるので、できるだけ費用を抑えたい方や「アメリカに留学したいけど経済的にきつい…」という方はそのへんを調べてみると良いですね。

あと、アメリカの大学は費用が高い代わりに奨学金も充実しているので、奨学金をもらえるような大学を狙ってみるのがおすすめです。

 

このへんの情報は本記事の最後にまとめています。

 

生活費事情

 

留学するとなると、生活費も当然かかります。

アメリカの大学は寮や学食なども充実しているのですが、なんといってもかなり高いです。

 

「寮に住んでいる人は学食のプラン(ミールプラン)を必ず契約して学食を食べなければいけない」

 

こんなルールを設けている大学もかなり多いですね。

つまり寮に住む学生は寮費と一緒に「学食プラン」を払わないといけないので、寮費の他に食費が月々大体5万円ほどになります。

 

「月5万円ぶんも食べないよ」という方も寮に住むなら「払わないといけない」というルールです。

これは大学が他の会社と契約し学食を提供していて、その会社の「独占状態」となっているからですね。

 

このへんは大学にもよりますが、この「学食システム」はビジネスにおいての「競争」を阻害しているので、自然と食べ物の質も落ちます。

 

「寮に住まないで自炊する」となるとだいぶ節約できます。

 

しかし現在は円安ということもありアメリカは物価が高いです。

特に都市部やわりとよく知られているような州だと月々食費&生活費で10万はかかります。

 

 

アメリカの学費が高い理由

 

ではここからが本記事の本題となります。

そもそもですが、大学というのは「製品」ではなく「サービス」です。

 

したがって、いくら国の技術力が向上し、効率化しても「決して安くはならない」のが現実ですね。

これらをふまえると、大学の学費は今後も高騰していくと思われます。

 

①教育のインフレ

 

最大の理由として言えるのは、「教育のインフレ」です。

つまり現在は「大学に行くのが当たり前」となっています。

 

むしろアメリカで大学に出なかったら悲惨です。

将来自分のやりたい仕事をするために、それ以前に生きていくためには「大学卒業」という資格は喉から手が出るほど欲しいのは共通しています。

 

だからこそ大学の需要が大きいので、大学側はその需要に合わせて価格を上げているに過ぎないということですね。

このへんはマクロ経済学の基礎でもあるかもしれません。

 

②大学のビジネス化

 

次に大学の「ビジネス化」ということが言えます。

大学側は生徒が増えれば増えるほど、より良いビジネスができます。

 

そのためには「マーケティング」ですね。

ではなにを使って生徒を呼び込むのか、「マーケティング」するのかと言うと、最新の施設や寮を建てまくります。

 

オハイオ州立大学は一つの例ですが、もはやこの大学はリゾート地みたいになっているのが現実です。

 

出典:http://www.gundpartnership.com/William-Oxley-Thompson-Memorial-Library-Ohio

 

出典:https://radio.wosu.org/post/ohio-state-holds-open-football-practice-amid-urban-meyer-investigation#stream/0

 

出典:http://www.gundpartnership.com/William-Oxley-Thompson-Memorial-Library-Ohio

 

出典:http://www.gundpartnership.com/William-Oxley-Thompson-Memorial-Library-Ohio

 

これだけ広大で様々な施設がある大学は日本含め先進国でもアメリカだけです。

最新式の施設やキレイな寮を建てるのが、ある意味でアメリカの大学の「トレンド」となっています。

 

筆者がアメリカの大学に入学した時に、オリエンテーションで「大学内の施設はできる限り活用するように」と念を押されたのを覚えています。

つまりジムや図書館、プール、バスケットコート、コンピュータ室などなど、これら大学内の施設が無料なのは学費を払っているからということですね。

 

逆に言えば学費が高騰しているのはこれが理由です。

 

③スポーツ

 

では大学の「マーケティング」にはなにが一番有効かと言うと、スポーツに力を入れることですね。

全く関係ないですが、横浜高校の名前が日本のどこに行っても通じるのは「野球部」をはじめ、スポーツが強いからですね。

 

これと同じように大学のスポーツが強くなれば「大学のブランド名」が上がります。

なので大学側はスポーツ特待生をたくさん入れたり、コーチや施設などにお金を使います。

 

これにより全体の学費が増えています。

 

④研究費用と大学ランキング

 

大学のブランド名をあげる最大の手法として「大学ランキング」があります。

 

 

「世界大学ランキング」を見てもわかるように上位の大学ほとんどがアメリカです。

ではこのランキングを決める基準は何かと言うと、研究費や教員の質、留学生の豊富さで決まります。

 

したがって、大学はものすごい額の大金を研究費につぎ込んでいるのが現実です。

 

⑤教員の給料

 

ここまでの大金を払っている学生は、大学の「お客様」なのかと言えばそうではありません。

大学からしたら「お客様」というのは教員のことです。

 

つまりどういうことかと言うと、前述したように需要が高い分、いくら学費をあげようとも学生は入ってきます。

それよりも大学側は「優秀な教員」に来てほしいため、より高い給料を提示します。

 

したがって、近年学費の高騰に伴い、教員の給料も上がっています。

「良い大学」になるためには「良い教員」が必要なので当然ですね。

 

⑥連邦政府の援助

 

近年アメリカ連邦政府は「優秀だけど経済的に厳しい学生」に対し、より手厚い学費の援助を提供し始めました。

逆に言えば、「経済的にそんなに厳しくないけど裕福では決してない学生」の首を締めています。

 

学費援助の額を増やせば増やすほど、大学側の負担が増えます。

これにより大学は学費を高く設定するので、この学費援助は事実上無意味になります。

 

さらに言うと、一部の学生は援助を受けているので学費がいくら高騰しようと気になりません。

これにより、授業料価格に対して一切講義しないので大学のやりたい放題になるということが言えます。

 

⑦ドミノ効果

 

そしてこれが最後の理由となりますが、大学の学費にもビジネスにおいての「ドミノ効果」がかかっています。

つまり隣の大学が学費を値上げすれば、その隣の大学も学費を上げ、これが連鎖してアメリカ全体で「ドミノ」のように学費の高騰が起きている状態ですね。

 

何度も言うようですが、アメリカの大学の学費は「異常」です。

 

 

学費を安く済ませる方法

 

「じゃあどうすればいいの??」

 

こんなふうに思う方も多いはずです。

筆者も「アメリカの大学に行かないほうが良い」とは決して思っていません。

 

むしろ僕も現在実際にアメリカの大学に通っていますが、僕の大学は素晴らしいケアをしてくれて、授業の質もわりと高いです。

ここからは、そんな学費の高いアメリカの大学で「できるだけ費用を抑える方法」をさらっとご紹介していきます。

 

田舎がおすすめです

 

「アメリカは物価が高い」と前述しましたが、田舎ではそんなことありません。

「なぜ田舎なのか?」ということは、こちらの記事で詳しく書いています⇩

 

 

 

住む場所

 

 

学費が高ければ、生活費をできるだけ抑えたいのは当然ですね。

前述しましたが、アメリカの大学は寮費や学食プラン(ミールプラン)からもえげつない利益を得ています。

 

ということで、大学内に住むのと大学外に住むのとでは、誇張なしに年間50万円ほど出費が変わってきます。

というのも、ルームメイトとシェアすれば、家賃も月2万〜3万円ほどでアパートや一軒家を借りることもできます。

 

具体的に「シェアールームをする」ということに関して、詳しくはこちらの記事で書いています⇩

 

 

州内の学生と同じ学費

 

上でも書きましたが、中には「州内の学生と同じ学費」を設定している優しい大学もあります。

通常なら州外から来た学生は州内の学生よりも3倍から5倍の学費を払わないといけないので、かなり安くなります。

 

州外からの生徒や留学生を広く受け入れることによって、「この大学は多様性がある」ということで注目されるので、大学にとっても「マーケティング」になりますね。

実際に以前「Forbes」で、「州外の生徒を多く受け入れている大学」という記事で紹介されていました。

 

以下の記事ではそれらの大学をまとめています⇩

 

 

コミュニティカレッジ⇨4年制大学

 

アメリカの場合、4年制大学を卒業するのになにも4年間いる必要はありません。

というのも、アメリカは「編入制度」が充実しているので、最初の2年間はいわゆる「コミュニティカレッジ(短大)」に通って、そこを卒業したら4年制大学に行くというルートが一般的です。

 

コミュニティカレッジの値段は他の大学に比べ圧倒的に安いので、そこで2年間やってから本命の大学に編入するのもおすすめです。

この場合、授業内容もそこまで難しくなく、入学のハードルも低いので、「英語に慣れる期間」としては最適です。

 

さらに言えば、コミュニティカレッジで良い成績を維持すれば、編入する時に自分の武器になります。

つまり「無名のコミュニティカレッジで必死に頑張る⇨有名大学に編入」なんていう人も大勢いるので、このルートは節約にも自分のキャリアアップにもかなりいいと言えますね。

 

という感じで、本記事では「アメリカの大学の学費が高い7つの理由」と「できるだけ安く済ませる方法」をご紹介してきました。