【文化の違い】アメリカから銃がなくならないのは何故か

【文化の違い】アメリカから銃がなくならないのは何故か

 

本記事では「何故アメリカから銃がなくならないの?」という疑問を答えるべく、アメリカの銃文化を徹底的に分析していきます。

またそれに伴う問題点もここでは書いていきたいと思います。

 

①歴史から見るアメリカの銃文化

 

アメリカ国内にある銃器はかなりの量になります。

その数は今現在内戦をしている国や戦争中の国よりも多いです。

 

「なんでなの?」という方も多いと思いますが、その謎を解くには歴史を知ることが前提となってきます。

アメリカとは元々移民の国で、イギリスから北アメリカに自由と平等を求めて移民した人達が作った人工国家です。

 

植民地アメリカとイギリスが戦争をした結果(厳密に言うとフランスもアメリカに加担した)、アメリカが勝って独立を果たしました。

このアメリカ独立戦争というのは、つまり革命戦争であり、市民が立ち上がって当時の世界最大権威でもあったイギリスから勝利を手にしたわけであります。

 

この勝利というものはしっかりと統率された軍隊というよりも自発的に立ち上がって戦った義勇軍の活躍によるものでした。当時から普通の市民でも自衛の目的で銃器を持っていた人達が戦ったから勝てたわけですね。

ということで銃というのはアメリカ独立を象徴するもので自由のシンボルでもあります。

 

 

②アメリカの自由の概念

 

アメリカは建国当初から常に民主主義を掲げています。

第二次世界大戦では、“打倒ファシズム”を謳い、冷戦中は“反共産主義”を徹底的に教え込みました。(プロバガンダ)

 

学校では小学生から憲法第一条の「言論の自由」を学び、そして議論をします。

ということから、アメリカの多くの方々は独裁主義や絶対主義、それに属した政治体制を根本から否定し嫌います。

 

銃規制は賛成・反対で分かれますが、この自由の概念に関しては圧倒的多数の方が総じて同じ考え方です。

ですからこれから先、政治家が独裁的に政治を進めたり、明らかに悪い方向に国を傾かせる独裁者がいるならば、「いつでも国民は銃を持って戦うよ」というプレッシャーを常に政府にかけていると言えます。

 

根本的にアメリカのメディアが大きな力を持っているのもこの考え方からです。

 

 

③すでに多くの銃器が国内にある

 

上記でも述べた通り、アメリカ国内には大量の銃器が存在します。その数は戦争中の国よりもはるかに上回ります。

 

僕もアメリカに行った時に驚いたのですが、お店で機関銃が買えます。

度重なる”Mass Shootings(銃乱射事件)”を受けて大手のウォルマートなどでは機関銃の取り扱いを中止しましたが、それも最近の話です。

 

ハンドガンなどは普通のデパートでも買えます。

また、小学生の子供の誕生日に(ハンティング用の)ライフルを買ってあげるということもあります。

 

それくらい簡単に手に入るものですので、今さら「無くそう!」といっても手遅れなわけで、「じゃあ銃器を売って生活している人はどうするの?」という声があるのが現実です。

 

 

④National Rifle Association(NRA)の存在

 

National Rifle Association(NRA)とは全米ライフル協会のことでアメリカ国内で非常に大きな力を持っています。

 

「人を殺すのは銃ではない。人だ。」

 

こんな有名な言葉がありますが、これは全米ライフル協会のスローガンです。

 

全米ライフル協会とは?

1970年代以降は膨大な会員数(2011年当時公称450万人)と資金力(予算2億3000万ドル)を背景に活動し、全米最強のロビー集団の一つと評されている。

出典:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/49557

 

全米ライフル協会にはこの資金力と権威があり、特に共和党には莫大な援助をしています。

これは、共和党は銃所有率が高く銃犯罪の低い農村地帯を基盤としている一方、民主党は銃犯罪が多く所持率が低い都市部を基盤にしているからです。

 

ですから必然的に「共和党が銃規制をするならば俺達は援助をやめるよ」ということになり、共和党はいつまでも銃規制に関する議論をしようとしません。

 

全米ライフル協会 ラピエール会長の見解

 

今年2月にフロリダ州の高校で起きた生徒・職員17人が犠牲となった銃乱射事件を受けてワシントンで開かれた保守派の会合で、ラピエール会長は「民主党のエリート達は我々の自由を奪う為にフロリダで起きたこの悲劇を利用している」と発言しています。

この事件は日本でも大騒ぎとなりました。

 

また、国営放送に出演したラピエール会長は、「ヨーロッパのリベラル層のスパイがアメリカ合衆国に入ってきて我々の自由を奪おうとしている」とも発言しています。

 

アメリカの保守派が主張するところによると

 

ここまで見てきてわかる通り、銃規制に反対しているのは総じて保守派の方々です。

トランプ大統領も根っからの銃規制反対派ですし、全米ライフル協会とも密接な関係を保っています。(最近は度重なる銃乱射事件により、規制を促す発言はしていますが)

 

「スイスを見習え」という主張

そこで保守派の方々の主張でよく出される例がスイスです。

スイスというのは政治的に「永世中立国」を掲げていますので、歴史的にも「世界のどの争いにも関わりませんよ」というスタンスをとっています。

 

言い換えれば同盟国0の状態です。

その為、他国が侵略してきた際には自国だけで防衛しなければならないので、非常に防衛力には力を入れています。

 

ということから、スイスには徴兵制があり、国内にはかなりの数の核シェルター、防衛の為の街づくりや道路整備などの工夫がなされています。

そして、スイスでも一家に1丁銃器の所持が許されています。

 

いざという時の為に家庭や徴兵の際などに訓練する為の物です。

つまり「有事の際は民兵として戦う準備ができていますよ」ということです。

 

しかしスイスではアメリカのような銃乱射事件はなかなか起こりません。

そこでアメリカの保守派は「銃をただ規制するのではなく、スイスを見習うべきだ!」と主張します。

 

「ロンドンだって!!」という主張

また、今年の4月のニュースでは「ロンドンの殺人件数がニューヨークを上回る」というニュースがありました。

そこで、ロンドンで起きている殺人事件の多くは銃器ではなく刃物という点もアメリカの保守派が主張するところの「人を殺すのは銃ではなく人」というのに当てはまります。

 

したがって保守派の方々は、「ロンドンだって銃器の規制してるけど殺人事件が多い!」ということを主張します。

 

 

アメリカで銃の規制は難しい

 

ということでこれらがアメリカから銃が一向になくならない理由です。

現実的に考えた時に、アメリカから銃をなくすのは不可能です。

 

銃の数を減らしたり、銃の保持を制限して、銃乱射事件を減らすことは可能です。

しかし、それを政治家がやろうとは一向にしません。

 

そのへんを踏み切れないのは歴史的な理由だけでなく、政治的な圧力もあるのが事実ですね。

今後ともアメリカの問題を見守っていきましょう。