【労働環境】日本とアメリカ、働き方があまりにも違いすぎる件

【労働環境】日本とアメリカ、働き方があまりにも違いすぎる件

 

「日本の労働環境は最悪だ」と言われることもしばしばありますが、英語には日本語の「過労死」がそのまま英語になった「Karoshi」という単語が存在するほどです。

また、日本は社会的なストレスからの自殺率が先進国で圧倒的に高いのも知られています。

 

ニュースでよくあるような「過労死」や「ストレスからの自殺」というのは海外にはないのでしょうか。

現在日本では「働き方改革」が進められていて、私たち日本人の労働環境への意識も変わりつつありますが、本記事では日本とアメリカの労働環境を比較しながら両国の文化の違いを詳しく解説しています。

 

「アメリカではみんなどんな感じで働くの?」

このような疑問にお答えします。

 

 

①「即日解雇」が可能

 

日本⇨よっぽどのことがないとクビにはできない

アメリカ⇨差別的な理由じゃない限り明日にでもクビにできる

 

日本とアメリカの労働環境の違いが最も顕著なのは「解雇」に対しての法律の違いです。

日本では「会社は社員をクビにはできない」と実質的には労働基準法で定められています。

 

つまり社員は法律で守られています。

クビにできる理由として、「重度の病気やケガ」「整理解雇(リストラ)」「犯罪を犯した」などなどの理由がありますが、社員のクビを決定する前に会社はあくまで「解雇を避ける努力」をしなければいけません。

 

また、クビにする時も、前もって「解雇予告」というのを渡さなければならないことがほとんどなので、「即日解雇」というのは非常に難しいです。

 

一方でアメリカはどうでしょうか。

アメリカや海外の多くの国では社員をクビにできるのが基本です。

 

「お前の髪型嫌いだから明日から来なくていいよ」

極端な話ですが、こんな理由でも正当な手続きを踏めば解雇にできます。

 

また、日本のように事前に通知する必要もなく「即日解雇」も可能です。

これは辞めるまで1ヶ月ほど期間を与えると仕事をしなかったり、情報流出の恐れがあるからですね。

 

「来月クビになるってわかっているのになんで働くの??」

アメリカではこのような考え方です。

 

「どっちがいいの?」

 

これに関しては一長一短です。

 

社員が法律で守られているからこそ、日本は先進国の中で最も低い失業率を誇っています。

しかし経営者からしてみれば会社の方針にそぐわない人や能力が極端に低い人もクビにできないので、生産性が落ちるというデメリットがあります。

 

3年で契約が満了する「契約社員」や、期間が決められた中で働く「派遣」というシステムの中で働く人が増えているのはこのような背景からです。

つまり会社は一度雇ってしまうとクビにできないので、一定期間の中で働いてもらうというものです。

 

アメリカには「契約社員」や「派遣」という働き方は日本ほど主流ではありません。

 

 

②転職のハードルが低い

 

日本

A「今の会社で5年働いたけどやめて転職するわ」

B「もう一回考え直してみたら?

 

アメリカ

A「今の会社で5年働いたけどやめて転職するわ」

B「結構続けたね」

 

クビに対してのハードルが低い分、アメリカでは転職することも大した出来事ではありません。

 

出典:ここまで違う!日米転職事情

 

この表を見てもわかりますが、日本は11.8年に対してアメリカは平均で4.6年に一度転職をしている計算になっています。

実際にアメリカでは一生のうちに数十回以上転職をすることも珍しくありません。

 

また、日本の大学では18歳〜22歳の「学生」が基本ですが、アメリカでは40歳の人も会社をやめて大学に通うことも珍しくありません。

 

「今までトラック運転手をやっていたけど、物流関係の仕事をしたくなったから大学に経済学を学びに来た」

こんな人も大学にはいます。

 

また、子供を生んでから学業に復帰する人もいます。

このようにアメリカは「融通の聞いた」働き方が可能です。

 

 

③実力主義&学歴社会

 

アメリカは日本とは比べ物にならないほど実力主義&学歴社会です。

日本では大学卒業と同時に「新卒」として会社に入社して、一年目二年目は自分の専門とは関係なく「とりあえず与えられた仕事をきっちりやる」というのを重要視されます。

 

「飲み会には絶対に参加する」

これはある意味で「与えられた仕事をきっちりやる」という考え方があるからこその日本独特の文化でもあります。

 

一方でアメリカでは入社して大学での専門分野とは関係ない仕事や部門に配属されることはまずありません。

そもそもアメリカでは就職の際にレジュメ(履歴書)を書きますが、性別、年齢、人種は一切書かずに自分のやりたいこと、専門分野、大学や前の会社での実績のみを書きます。

 

つまり、性別や年齢ではなく、実力と学歴のみが判断材料となっています。

 

「アメリカのほうが全然いいじゃん!」

こう思う人も多いかと思いますが、これも一長一短です。

 

日本では「仕事ができない」、「会社に向いていない」人も会社がなんとかして教育し育てます。

これは上で書いてある「クビにできない」というシステムがあるからこそ「教育すること」が会社の利益にとって唯一の手段でもあるからですね。

 

しかし、アメリカでは丁寧に教えてくれることはありません。

できなければ切られます。

 

つまり、これがアメリカの格差社会を生んでいる原因ともなっています。

 

 

④「残業」に関して

 

日本での残業の多さはよく知られていますが、「アメリカ人は残業をしない」と言ったらそれも間違っています。

しかし、日本では基本的に「上司がまだ働いているときに先に帰るのは気まずい」という圧力がありますが、アメリカにはそれはありません。

 

仕事をしたい人はやるし、帰りたい人は帰ります。

週末でも会社のメールをチェックする人もいれば、しない人もいます。

 

つまり、仕事に意欲のある人、早く昇進したい人は定時以外でも働きますが、「自由な時間を大切にしたい」、「家族と一緒に過ごしたい」という人は定時で終わらせます。

生産性、効率さえ良ければすべてOKという考え方です。

 

 

⑤サービス業

 

アメリカや外国に行ったことがある方はわかるかと思いますが、日本のサービスは素晴らしいです。

レストランに入ればおしぼりが出てくるし、何も言わずに水を出してくれます。

 

コンビニに行ってカップラーメンや弁当を買えば、何も言わなくとも箸をつけてくれます。

これはアメリカではありえません。

 

逆に言えばこのような「過剰なサービス」のしわ寄せが労働者にきているとも言えます。

 

「あの店員箸つけてくれなかった」

「水が出てこない」

「いつまでたっても食事がでてこない」

 

アメリカでは、「水が欲しいなら先に店員に伝えるのが筋」という考え方が基本です。

何も言わなかったら出てこないのは当たり前で、「店員がお客さんの気持ちを読み取る」というのは日本のサービス業のみだと言えます。

 

つまり、アメリカでの労働はレストランでのチップ制度からわかるように、やった分だけの報酬があります。

一方で日本では「ここまでやるのが当たり前だ」という基準の中で労働が決まっています。

 

極端な例ですが、台風(ハリケーン)が来た日に出社する人の考え方の違いとして、

 

日本人「みんな出社するだろうから行かないと」

アメリカ人「こんな日は誰も来ないだろうから俺が行かないとだめだ」

 

このような違いになります。(かなり極端です)

 

 

ここまで日本とアメリカの労働環境の違いを見てきましたが、「どちらかが良い」というわけではなく一長一短です。

日本では「働き方改革」というのが言われていますが、アメリカにも格差社会など多くの問題があります。

 

しかし、以前は一つの分野だけでもなんとかなったけど、これからは色々なスキルが必要になってきます。

そんな時に、アメリカのような融通のきく働き方はこれからもっと重要になってくるかとも思います。

 

 

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