2001年9月11日、ニューヨークのど真ん中、ビジネスの象徴でもあるツインタワーに乗客を乗せた旅客機が2台連続で突っ込みました。
同時多発テロですね。
この時に歴史が動き、全世界で「テロとの戦い」が始まりました。
この事件はアメリカ社会、政治を大きく変える出来事となったのですが、具体的にどんな影響を与えたのでしょうか。
本記事ではそんな疑問にお答えしていきます。
同時多発テロ
2001年の9月11日はおそらく一生忘れません。
筆者はまだ小学一年生でしたが、あの日のことを今でも鮮明に覚えています。
テレビ画面が急に変わり、ニューヨークの映像が映し出され、飛行機がビルに突っ込む映像を何度も繰り返す…
軽いトラウマになったのを覚えていて、その後は飛行機の音を聞くだけでも「あの飛行機もどこかの建物に突っ込むんじゃないか」という不安に襲われました。
こんな日本にいる一人の小学生にまで、軽いショックを与えていたわけですが、同時多発テロの世界的な影響は計り知れません。
現在では「コロナウイルスの後の世界はどう変わるのか」というのが注目されていたりもしますが、同じように同時多発テロその前と後では世界は間違いなく変わりました。
①空港のセキュリティ
最も顕著に変わったのは空港のセキュリティではないでしょうか。
9.11の前と後ではセキュリティのレベルが違います。
9月11日当日、アメリカ国内は大パニックに陥ります。
「テロリストはここにも来る」
こんな流言が回ったり、不安を煽るように情報が一気に出回りました。
国内の飛行機は全てストップし、飛行中の旅客機は近くの空港に緊急着陸を余儀なくされました。
学校はすべて中止、高いビルにいる人はすぐに避難するようにと全米で指示がでます。
ここから一週間はすべての空港が封鎖し、再開後も厳重なセキュリティが敷かれるようになりました。
現在では、搭乗前のスキャンニングなど当たり前かもしれませんが、これも9.11以降に始まったものですね。
あとはセキュリティカメラもこの事件を機に一気に開発され、至るところに設置され始めました。
「Racial Profiling(人種に基づいて安全捜査を行うこと)」
これがアメリカ国内で議論され始めたのもこの頃からでした。
というのも、空港でアラブ系の人、イスラム教徒の格好をした人を集中的に捜査をすることが「人種差別に当たるのではないのか」ということですね。
これに関しては今でも議論されています。
②テロとの戦い
ブッシュ大統領は「テロとの戦い」を宣言し、主犯でもあるビン・ラディンの殺害を大義名分にアフガニスタンに侵攻します。
しかし、ビン・ラディンとその周りの首謀者たちはすぐに姿をくらまし、ここから中東での泥沼の戦争が始まりました。
ビン・ラディンの思惑通りだったのかもしれませんね。
イラクでの戦争も始まり、2011年にようやくビン・ラディンを殺害しますが、生前に創設したイスラム教スンニ派の過激テロ組織は、姿を変え、今も各地に存続・活動しています。
そして、イラクやシリア、イエメンでも内戦が続き、ISISなどの組織が生まれてきました。
アメリカ国民が「テロ」に敏感になったのはまさにこの同時多発テロの時ですが、これにより多民族国家であることの脅威や、移民問題などが浮上し始めました。
今のご時世では、外国人がアメリカで働いたり、グリーンカード、市民権などを得るのは至難の業とも言われていますが、このへんもまさにこの頃くらいから厳しくなっていきました。
留学するための学生ビザですら厳しいのが現実です。
外国人に対しての国民感情も同じですね。
真珠湾攻撃の時も、「リメンバーパールハーバー」ということで、アメリカ国内の日系人は迫害されたという歴史がありますが、まさにそんな感じで、アラブ人やイスラム教徒への差別が増えました。
③国土安全保障省
英語では「Department of Homeland Security」と言いますが、この省庁は同時多発テロを未然に防げなかったという反省からその一年後に創設されました。
その2002年からわずか10年の間に国家保障のための予算も一気に3倍まで上がりました。
平時、戦時に関わらず大統領の命令に直接的に従うものとされていて、2005年に相次いだハリケーンの際には活躍しました。
このように、必ずしもテロ対策だけでなく、災害や事件などにも活躍しています。
さて、本記事では「同時多発テロがアメリカにどのような影響を与えたのか」というのを書いてきました。
同時多発テロの前と後では全く違います。
空港のセキュリティーに関しても、テロに対しての国民の意識も前の状態に戻ることはありません。
現在のコロナウイルスでも同じようなことが言えるかもしれませんね。
空港の検疫システムやウイルスやインフルエンザに関しての国民の意識がこれを機に大きく変わろうとしています。
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