コストコが日本で成功した理由⇨マーケティング戦略を解説

コストコが日本で成功した理由⇨マーケティング戦略を解説

   

出典:Costco Wholesale

 

こんにちは。当サイト「ミナトのすゝめ」では、主にアメリカの文化や歴史、英語学習や留学に関しての記事を数多く書いています。

以前にアメリカ最大規模を誇る巨大小売店でもある「ウォルマート」が「日本市場で失敗した理由」というのを書きました。

 

本記事ではその逆で、「コストコが日本市場で成功した理由」に関して、「マーケティング戦略」の観点から詳しく解説していきます。

 

コストコとは?

 

最近では日本でもかなり知名度が高くなってきている「コストコ」ですが、日本ではコアなファンはかなり多いのかなとも思います。

そんなコストコはアメリカに本社を置く「小売チェーン」です。

 

アマゾンや楽天などの「通販型ショッピングサイト」の台頭で、小売業界はかなり厳しくなっているとも言われていますが、コストコはウォルマートに続いて2位の売上を誇っています。

コストコが日本に進出したのは1999年で、現在では日本国内に26店舗、全世界に782店舗を有します。

 

ちなみにですが、「コストコ(Costco)」は英語で「コスコ」と発音します。

日本でも当初「コスコ」という表記にするはずだったのですが、「コスコ」という会社名がすでに存在したため無理やり「コストコ」にしたみたいです。

 

コストコのすごさ

 

コストコはすごいです。

コストコのマーケティング戦略を知れば知るほどそのすごさに気付きます。

 

まずは「顧客単価」ですね。

コストコによく行かれる方はわかるかもしれませんが、一回の買い物で1万円〜2万円使うことも珍しくないかと思います。

 

多い人であれば5万円ほどの買い物をコストコでします。

そして平均滞在時間が2時間〜3時間、長ければ半日だとも言われています。

というのも、コストコの店舗は巨大でなんでも置いてあります。

まさに「アメリカサイズ」ですね。

 

考えても見れば、普通のスーパーに買い物に行き半日滞在することなんてなかなかないかと思います。

したがって、土日に朝から家族みんなで行き、車で数時間かけてコストコに行くお客さんもいます。

 

もはやテーマパークに出かけるような感覚ですね。

というのも、本場アメリカであればこの規模の小売店は珍しくありませんが、日本でコストコはまさに「異文化」を体験できる場所でもあります。

 

ではここからコストコのマーケティング戦略を詳しく見ていきましょう。

 

①顧客単価が高い

出典:https://camphack.nap-camp.com/4131

 

上でも少し言及しましたが、コストコの顧客単価はものすごく高いです。

一回の買い物で数万円使うのも珍しくありません。

 

コストコにお買い物に行ったことのある人ならわかってもらえるかもしれませんが、コストコで買い物をすると「ついつい買い過ぎちゃう」という現象がおきがちです。

会計をすると「あれ、思っていたより高いな」という現象ですね。

 

「珍しいものだからこそお客さんの目を引き付ける」というのもありますが、中には「カートの大きさ」や「商品の配置」まで細かく気を配っています。

例えば数百万円を超えるようなジュエリーを店内の一番最初のセクションに置き、その後にテレビなどの家電製品を配置することによって「アンカリンク効果」というものを生んでいます。

 

つまり先に高額の商品を見せることによって、後から見る日用品や食品が安く感じる効果を利用しているということですね。

それに加え、日本ではまずありえない巨大な製品や大容量の物を置くことによって、顧客単価を上げることに成功しています。

 

②フードコート

出典:https://www.businessinsider.jp/post-169384

 

コストコでの買い物の中で最もお得なのは「フードコート」にあります。

例えば「アメリカのステレオタイプそのもの」みたいな巨大なホットドックとおかわり自由のドリンクで180円、日本では珍しいピザのスライス売りなどですね。

 

このフードコートだけでも「コストコに行く理由」になります。

これを利用して「来店動機」を作り、ついでにお客さんに大量の生活用品を買い物してもらうという戦略です。

 

マクドナルドでも同じかもしれませんね。

マクドナルドでは100円バーガーをウリにしていますが、実際に食べに来るお客さんは100円のハンバーガーにプラスしてフライドポテトやドリンクを頼むことがほとんどです。

 

つまり激安のもので「来店の理由」を作っています。

 

③有料会員制

出典:https://tokubai.co.jp/news/articles/1470

 

もう一つコストコが他の小売店と違うのは、「有料会員制」という点です。

年会費4000円ほど払って会員になれるのですが、「会員以外は買い物ができない」と言えばそうでもなく、会員の友達や家族であれば同伴で買い物ができます。

 

これにより、口コミでどんどん会員を増やしています。

というのも、この4000円がお得に感じるほどコストコに売っている商品は激安なものが多いです。

 

10万円のカナダグースのジャケットが3万円で売られていたり、正規店で3万円ほどするキャリーバッグが3個で1万円などなど、これは筆者の体験談に過ぎませんが、驚くほど激安です。

この会員制度の狙いは優良なお客さん&リピーターを増やすだけでなく、お客さんの消費行動や客層、在庫管理などすべてをデータで管理できることにあります。

 

これにより、コストコは経営の効率化を実現しています。

 

【結論】コストコはすごい

 

ということで、本日はコストコのマーケティング戦略をざっとご紹介してきました。

コストコが他の小売店と違うのは、「非日常を体験できる」ということですね。

 

これはまさにアメリカの消費文化をステレオタイプそのまま日本に持ってきたことによって成功しています。

 

 

こちらの記事では「ウォルマートが日本で成功しなかった理由」というのを詳しく書いています。

ウォルマートは「日本の商品」を「アメリカのやり方」で売りました。

 

コストコは「アメリカの商品」を「日本のやり方」で売ったところにマーケティング戦略の差が見えてきますね。