出典:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/9190/
「スペインかぜ」というのを歴史の教科書などで聞いたことがある人も多いと思います。
スペインかぜというのは、1918年から1920年までの3年間に大量の死者を出したインフルエンザによるパンデミックのことを言います。
2020年4月現在、「コロナウイルス」による感染の拡大や、経済の停滞が未だに続いていますが、歴史を見ることにより、今回のパンデミックで「一人ひとりがするべきこと」が見えてくるかもしれません。
ということで、本記事ではスペインかぜについて歴史的背景を交えながら詳しく解説していきます。
スペインかぜとは?
「武漢発祥だから」という理由で、今回のコロナウイルスが「武漢ウイルス」と呼ばれていますね。
ですが「スペインかぜ」の方に関しては、なにもスペインが発生源というわけではありません。
スペインからしてみたら、いい迷惑ですね。
当時の世界情勢を見てみると、1918年というのは第一次世界大戦真っ只中でした。
日本も欧米列強とともに、欧州の戦争に参加していましたね。
で、スペインはその頃なにをしていたかと言うと、「中立国」として傍観していました。
中立国で、情報統制もしていなかったので、他の国々は「謎のインフルエンザ」の情報がすべてスペイン頼りになっていました。
戦争中に他国と情報をシェアするわけにもいかないので、当然といえば当然ですね。
そんなことから、この時に起こったパンデミックを「スペインかぜ」と呼びます。
無理やり感がすごいですが、本当の話です。
歴史上最悪の感染病
「それで発生源はどこだったの?」
という疑問ですが、これが未だに確定されていません。
当時は「発生源不明のウイルス」ということで、恐れられました。
現在と比べて、科学や医療の進歩もまだ進んでいなかったからかもしれませんね。
しかし、「アメリカが発生源だった」という説が一番濃厚みたいですね。
アメリカで伝染病にかかったアメリカ軍兵士が、世界大戦中、世界中の国々に派遣され、そこから世界に広まっていった、とされています。
こんなこともあり、伝染病が起きるタイミングとしては最悪ですね。
全世界で5000万人から1億人が亡くなったとされています。
日本の人口が1億2000万人ほどなので、相当な数の人が犠牲になったことがわかりますね。
この伝染病を経て、アメリカの平均寿命が12歳低くなったとも言われています。
各国の対策
「日本はどうだったの?」
日本も例外ではなく、この伝染病の被害をかなり受けました。
3年間で3回ほどの「流行の波」があり、最終的に39万人近くの方々が犠牲になったとされています。
上の写真を見てわかりますが、和服の女性がみんなマスクを着けていますね。
こちらはアメリカ・シアトルの警察官ですが、アメリカ人もみんなマスクをしています。
今回のコロナウイルスでは、外出禁止、全面休校がされていますが、このときも全く同じ状況です。
100年前も学校はすべて閉鎖され、各地での集会は禁止、興行、力士の巡業、活劇はすべて中止・閉鎖されました。
当時はスマホもなければ、パソコンもないので、そのへんも大変ですね。
逆に言えば、今回のコロナウイルスでは、飛行機や電車など、グローバル化により、人が動く速度や距離の概念が100年前とは全く違うので、そのぶんウイルスが拡大しているとも言えます。
戦争終結へ
そして、1918年11月、スペインかぜが流行し始めたわずか半年後に第一次世界大戦が終結します。
この終戦はスペインかぜが原因だったとも言われています。
というのも、今回のコロナウイルスとは違い、スペインかぜの犠牲者はほとんどが若者でした。
多くの若者が犠牲になってしまったため、徴兵対象となる人が減り、兵力が目に見える形で減ったとも言われています。
【結論】情報操作が敵
結局のところ、疫病の最も効果的な対策は、今やっていることと変わりませんね。
人ごみを避け、マスクをする、顔を触らない、人との距離を取る、などは、100年前のスペインかぜのときから言われてきていることですね。
あとは、このスペインかぜの場合もそうですが、「情報統制・情報操作」が伝染病を深刻化させる大きな原因でもあるかもしれませんね。
この頃は戦争中でしたが、現在も各国が情報をしっかりとシェアすれば、少しでも収束に近づくのかもしれませんね。
「新型ウイルスが中国で発生する理由」というのも、以下の記事で詳しく解説しています⇩
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