こんにちは。筆者は現在アメリカで生活しています。
2020年4月26日現在、アメリカではコロナウイルス感染者が世界で最もいます。
その数は未だに衰えることなく、ものすごい勢いで増え続けています。
当ブログでは近々のニュースや政治問題などにはあまり触れてきませんでしたが、本記事では「なんでアメリカでこんなに感染者が増えているの?」という疑問に対してお答えしていきたいと思います。
なお、筆者は医療関係者でもなければ、エキスパートでもないので、政治や文化的側面、ここで生活していて気づくことを主に書いていきます。
必要があれば引用元や出典などのリンクを貼らせていただきます。
コロナウイルスの現状 (アメリカ)
アメリカでコロナウイルスが急激に増え始めたのが3月中旬頃のことでしたね。
ちょうどこっちでは、大学が春休みになる頃でした。
2020年3月というのは、わりと誇張なしで、「今まで経験したこともないほど」生活が一変するのを感じました。
春休みになった途端、普通に学校に通っていた学生や友達が姿を消し(帰省した)、大学はすぐに閉鎖、周りの飲食店は次々と営業を停止し始めました。
ここノースダコタ州はかなりの田舎ですが、街はもはやゴーストタウンのような様相に一気に変わったほどです。
人がいるとすればスーパーやウォルマートくらいでしょうか。
そのスーパーでも、「Social Distancing(社会的距離)をとりましょう」ということで、3メートルごとにテープが貼られ、レジに行けばいわゆる「ゾーニング」がされてる状態です。
この頃から、アメリカの各地でマスク着用の義務化、外出禁止令、ロックダウンが始まり、「あの」アメリカ人でもマスクを着け始めました。
3月15日の時点で、全米で3600人ほどの感染者だったのが、3月の終わりには19万人と莫大に膨れ上がります。
「このときにコロナウイルスの本当の恐ろしさを知ったよ」
こんなアメリカ人もかなり多いかと思います。
その頃には、ウォルマートに行けば、トイレットペーパーのセクションで取り合いしている人がいたり、「あぁこれから大不況が来るなぁ」という会話が聞こえてきたり、まさに3月上旬には想像もしていない世界でした。
さて、現在のアメリカはどうなのかというと、今も変わらず感染者の数は増え続けています。
むしろ増え方がもっとえげつなくなっていますね。
「3月の終わりには感染者数が19万人まで増えた」と前述しましたが、4月23日、この記事を書いている今現在の感染者数は84万人で一日に数万人の規模で増え続けています。
先週、専門家が「ピークはもう過ぎた」と発表し、それをもってトランプ大統領も経済活動を再開させるという方針を明らかにしました。
というのも、先週くらいから「ロックダウンを解除しろ」とのデモがアメリカの各地で発生していて、「もう無理」というのが現実でもあります。
スポーツはしたいし、髪をきりに行きたい、働きたい、こんな人の不満が溜まって、実際にアメリカ全土で治安が悪くなっているのが現実です。
この抗議というのは主に保守派によるもので、「私たちの権利を侵害するな」「外に出て働くが権利がある」ということですね。
どちらもわからなくないですが、コロナウイルス感染者を増やさないためにも今はロックダウンすべきという声も多いのも事実です。
ということで、前置きがだいぶ長くなりましたが、ここから「アメリカでコロナウイルス感染者が急増している5つの理由」ということで見ていきましょう。
①政府の判断の遅さ
一番最初の理由として、「リスポンスの遅さ」にあります。
対応が遅すぎるというのは、日本も間違いなくそうですね。
1月下旬にはコロナウイルスの驚異がすでにアジアでは認識されていましたが、そこから3月の下旬まで約二ヶ月をアメリカは無駄にしたことになります。
これは民主党と共和党の分断から始まります。
この二つは「アメリカの二大政党」と言われていますが、常に意見が別れています。
今回のコロナウイルスでも同じでした。
こちらの記事によると、共和党など保守系の政治家は3月はじめの時点で40%が「コロナウイルスを心配していない」というのに対し、民主党議員は5%とかなりの開きがありました。
というのも、ニューヨークやサンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、シカゴなど、そのへんの大都市は民主党地域なのに対し、比較的田舎である農村部などは共和党でした。
人口密集地のほうが今回のウイルスに敏感になるのは当然のことですね。
結果的に民主党と共和党で、ウイルスに対しての意識の差が生まれ、、政治的決断がかなり遅れた、ということになりました。
②多様性
単純ですが、アメリカは世界で3番目に観光客に人気の国です。
観光客ももちろんそうですが、アメリカは移民の国でもあります。
特に全米で最も感染者が多いニューヨークは、「人種のるつぼ」とまで言われ、世界各国から様々な人が来ています。
僕のような留学生もそうですね。
留学生の数では、アメリカは世界のトップです。
アメリカに住んでいると、「明日からバケーションで国に帰るんだ」とか、「故郷から家族が遊びに来る」とか、そんな人がかなり多くいます。
特に春休みやロングウィークエンド(祝日付きの週末)などになると、人の移動が多いのがアメリカです。
それが今回のコロナウイルスではあだになりました。
③貧富の差
上の動画でもご紹介していますが、アメリカでは各地で「働かせろ」というデモが起こっています。
これは「働かないと生活ができない」ということの裏返しでもあります。
アメリカには貧富の差がかなりあります。
アメリカの貧困に関しては、当ブログでも何度も書いていますが、わりとかなり深刻です。
ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市に行くと、ある一線で街の様相が一変するのがわかりますが、アメリカの「キラキラ」したイメージは富裕層のものですね。
今回のコロナウイルスでも、高所得者はまっさきに家にこもり、貧困層は死んでも地下鉄に乗り仕事に向かいました。
高所得者層はテレワークでも仕事ができるのに対し、貧困層はそんなわけにはいきませんからね。
アメリカ・ニューヨークで感染者が多いのは、貧富の差がどこよりもあるからとも言えます。
さらに感染者に黒人やヒスパニック系の方が多いのも、まさにそこにリンクしていきます。
④50の州
①でも書きましたが、アメリカは合衆国です。
50の州があり、その一つ一つにほぼすべての決定権があります。
つまりある州では、コロナウイルスに対してすばやく対処したのに対して、ある州ではコロナウイルスに対する判断が遅れました。
例えば、ニューヨークでは3月22日の夜に「行政命令」として、市民全員家にいることを義務付けました。
それと同じ日にフロリダ州・マイアミでは、春休みで遊びに来ていた学生や若者でビーチが溢れかえりました。
こちらのインタビュー動画は、「コロナウイルスで感染拡大しているのにマイアミに遊びに来たの?」という質問を若者にしたものです。
「もしコロナにかかったら、それはその時だよ。パーティーはしたいじゃん」
こんなことを言い、ネットで炎上、最終的に本人のインスタグラムで謝罪することになりました。
さて、少し話がそれましたが、まさにこんな具合に州によって決定権に遅延が起こります。
そこで、州をまたいで移動した人々が全米にコロナウイルスを拡大させたとされています。
⑤食生活
「コロナウイルスがアメリカで拡大した理由」
これらを見ていくと、「すべてはリンクしている」というのがわかります。
最後はアメリカ人の食生活にあります。
「貧困に苦しむ人は痩せている」
こんなのは当然の事かもしれませんが、アメリカでは真逆です。
貧困層の人は逆に肥満体型です。
というのも、ここアメリカではお金のない人はジャンクフードばかりになってしまうからです。
外食が高いここアメリカでは一番安く食べれるのはファストフード一択になってしまいます。
家で作るのも、脂っこい冷食ばかり、食生活に関して日本とは比べ物にならないほど劣悪です。
③では、「貧困層の人たちが主に犠牲になっている」と書きましたが、まさに悪循環ですね。
食生活が悪く、肥満体型のため免疫力が落ち、コロナウイルスの中でも地下鉄で仕事に行き、最終的に犠牲になってしまう。
こんな状況です。
ということで、本記事では「アメリカでコロナウイルス感染者が急増している5つの理由」ということで、アメリカの文化や政治に照らし合わせながら解説してきました。
以下の記事では、「新型ウイルスが毎回中国で発生する理由」ということで、中国の食産業に関して詳しく解説しています⇩
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