出典:14 photos for Walmart Supercenter
こんにちは。当サイト「ミナトのすゝめ」では、アメリカの文化や歴史、社会問題や英語に関してまで幅広く発信しています。
ということで、先日ツイッターにてこんなことをつぶやきました⇩
僕の街には買い物、と言えばウォルマートの他にマーケットプレイスというスーパーがあるんだけど、その2つ明らかに客層が違くて、後者の方が明らかに雰囲気も商品の鮮度も違う。
これはアメリカであればどの街もそうだと思うけど、ウォルマートは基本的に低所得者が行くし、夜は治安もよくない。
— マサヤ🇺🇸田舎で自宅待機中 (@masaya_minato) April 24, 2020
当ブログでもちょいちょい「ウォルマート」に関して触れているのですが、正直ウォルマートについて知れば知るほど闇が深い企業だということがわかります。
ということで、その「闇」とは一体なんなのかを本記事では詳しく解説していきます。
ウォルマートとは?
ウォルマートとはアメリカ・アーカンソー州で生まれた世界最大規模を誇るスーパーマーケットです。
留学や仕事の関係でアメリカに住んだことある人は一度は聞いたことがある、利用したことがある人は多いのではないでしょうか。
オンラインショッピングの頂点がAmazonだとしたら、スーパーマーケットはウォルマートというくらいアメリカでは知名度を持つ超大企業ですが、日本ではあまり知られていませんね。
「どのくらいすごいの?」ということですが、全世界で11000店舗を持ち合計売上金額は日本円にして50兆円を超えます。
日本最大企業のトヨタの売上金額が27兆円なので、この金額がどれくらいすごいか分かりますね。
ウォルマートの2017年の歳入が5000億ドルで、この額は韓国とインドネシア二国の歳入を合わせた額よりも高い。
もう意味がわからなすぎるほど巨大企業
— マサヤ🇺🇸田舎で自宅待機中 (@masaya_minato) November 13, 2019
以前こんなことをつぶやいていますね。
まさにウォルマートはこんな感じで、ケタ違いの企業です。
「ウォルマートってなんなの?」という方、もっと詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく書いているのでおすすめです⇩
とまぁこのように、筆者は当ブログで何度もウォルマートに関して紹介しているほど、ウォルマートが大好きです。
彼らの商品や企業理念が好きというわけでは決してありません。
ウォルマートを知れば、アメリカの闇が知れるからです。
ウォルマートこそ、アメリカの社会問題や文化を反映していると言えます。
ではここから、ウォルマートの闇を実際に見ていきましょう。
“毎日低価格”の理由
出典:14 photos for Walmart Supercenter
なにを言おうと、ウォルマートは小売業の頂点に位置しています。
その人気の理由は「Everyday Low Price (毎日低価格)」というスローガンのもとにあります。
というのも、ウォルマートは週末の値下げやセールは一切行いません。
値下げをするとすれば、ブラックフライデーなど特別な祝日のみですね。
毎日安いので、値下げする必要がそもそもないからですね。
「毎日セール状態」というのも、消費者にとっては嬉しい限りですが、その安さには理由があります。
①仕入れ価格
例えば街にある電器屋さんが、1本500円のケーブルを、仕入れ先から5万円で100本買うとします。
そこで買った100本のケーブルを1本1000円で一年以内に売ることにします。
一年後5万円で仕入れたものが10万円になったので、利益は5万円ですね。
こんなことをやっている横で、ウォルマートは1本500円のケーブルを一億円で20万本、様々な仕入先から購入します。
ウォルマートはものすごいネットワークを駆使し、最終的に街の電器屋さんが購入した金額の半額である1本250円、40万本=1億円を買い占めます。
それを一年以内に売るので、利益はもうケタ違いの数字になりますね。
まさに大資本がなせる技です。
②”激安”の人件費
さて、上では「安く商品を仕入れる」と書きましたが、ウォルマートは労働者も安く仕入れています。
というのも、ウォルマートは徹底した低賃金で人を雇い、そこから最大利益を得ています。
例えば、ウォルマートは世界の至るところにある工場で商品を大量生産し、それを仕入れているのですが、それらの工場は中国やメキシコなど発展途上国です。
そこでは、過酷なライン作業、賃金もかなり低いのが現実です。
そこから仕入れた商品の調達、在庫管理、工場への運送、店舗での販売、これらを「サプライチェーン」と言いますが、これらのプロセスに使われる「労働者」すべてが低賃金です。
実際にウォルマートで働いている人が、食べるものに困ってフードスタンプ (生活保護)を受けているのが現実です。
「あんだけ安くて労働組合はなにも言わないのかな」
こう思いますが、実際にアメリカ国内でのウォルマートの評判は悪いです。
「ウォルマートでは絶対に買い物しない」
こんなアメリカ人に筆者は何度も会いました。
低価格の行く末
そしてこれだけ低価格にした末にぶつかる問題があります。
それは冒頭でも書いたような「治安の悪化」です。
もはや「一個の街」みたいな話ですが、スーパーマーケットでも、安売りすれば治安が悪化するのです。
それをウォルマートが教えてくれています。
ウォルマートの店員さんは低賃金で雇用されているため、それ相応の対応になっていきます。
当然かも知れませんね。
接客というものがなくなり、商品の陳列もまともしていません。
出典:14 photos for Walmart Supercenter
こちらの写真は大げさではなく、本当にウォルマートの店内はこんなことがよくあります。
洋服売り場にアイスクリームが置いてあったり、お肉売り場に雑貨が置いてあったり、そんな感じです。
さらに大量生産したものなので、電化製品の質は悪く、生鮮食品でさえ全く新鮮ではないです。
冒頭のツイートにもありますが、普通にお金を持っている人でウォルマートに食料品を買いに毎週買いに来るアメリカ人はめったにいません。
ウォルマートに毎週のように行く層というのは、学生か、それこそ低所得者です。
実際に夜中になると、ウォルマートにホームレスが集まります。
言ってしまえば万引し放題でもありますからね。
まだ筆者が10代だった時に友達数人と夜中ウォルマート行ったことがありました。
ウォルマートはかなり広いということもあって、店内で友達とはぐれてしまい、20分ほど一人で店内をブラブラしていました。
アメリカ人の友達でしたが、そのあと青い顔して僕のことを探していてくれたらしく、わりと本気で心配させてしまったことがありました。
1番年下ということもあって「危ないから一人で歩くな」とみんなに言われましたね。
夜中のウォルマートはそんな感じです。
19歳のときでしたが、店内を一人で歩けないレベルの治安の悪さです。
アメリカ最大の闇
ここまで「ウォルマートの実態」というのを書いてきましたが、最大の闇はその大資本にあります。
「アメリカってなんであんなに治安が悪いの?」
こんな質問をたまにされますが、それはズバリアメリカの貧富の差にあります。
つまり行き過ぎた資本主義によるものですね。
アメリカ国内には5000店舗を越えるウォルマートがあると言われています。
ウォルマートが国内至る所に進出していることによって、個人小売り店が相次いで潰されているのが現実です。
もう最近では、「ウォルマート進出反対」と各地の街でデモをするようになりました。
ウォルマートが街に出店すれば、みんなウォルマートで買い物をするようになり個人経営のお店は厳しいですからね。
上でも書きましたが、海外に多くの工場を持ち、格安の人件費で商品を生産&輸入している大企業に個人が勝てるはずがありません。
このような超裕福な資本家によって個人のビジネスや職が奪われてアメリカ国内の格差をどんどん拡げています。
これが「資本主義」の実態とも言えます。
ということで、本記事では「ウォルマートの闇」ということで、詳しく解説してきました。
「このへんの”アメリカの貧富の差”についてもっと詳しく知りたいな」
こんな方は以下の記事がおすすめです⇩
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