【相容れない】トランプとオバマの違いから学ぶアメリカの政治と社会問題

【相容れない】トランプとオバマの違いから学ぶアメリカの政治と社会問題

 

 

はじめに▼

僕「トランプ大統領がオバマのこといつも非難してるのはなんでなの?」

アメリカ人「現政権の正当性を高めるためじゃない?」

僕「結局なにが違うんだろう」

アメリカ人「彼らは性格的にも真逆だね」

 

トランプ氏が大統領に就任して早くも2年が経ちました。

本記事では前大統領のオバマ氏とトランプ大統領の政策理念や考え方の違いをわかりやすくまとめて、アメリカの政治を詳しく解説しています。

 

「結局オバマとトランプの違いってなんなの?」

このような疑問にお答えしていきます。

 

そもそも相容れないアメリカの理念

 

自由と平等

 

アメリカが建国してから常に掲げているのがこの「自由と平等」という理念です。

オバマ前大統領とトランプ大統領の政策を考える上で、「この二つはそもそも相容れないもの」というのを念頭に入れておかなければなりません。

 

考えてみれば当然ですね。

 

経済政策を決めていく中で、国が個人のビジネスに介入して国民の平等を優先したら「自由経済」ではなくなってしまいます。

一方で、自由経済を活性化させれば貧富の差は広がり「平等」では当然なくなります。

 

「でもみんな生まれ持った平等の権利は与えられてるじゃん!」

 

このように思う方もいると思います。

アメリカに行けばこれがいかに違うかが分かります。

 

貧困の激しい地域で生まれた瞬間にその子供の将来は75%くらい決まってしまいます。

その環境の中・アメリカという国で成功する、もしくはその貧困の中から脱出するのはかなり困難なことです。

 

逆に日本のように(最近では貧富の差が言われてますが)平等を追求すれば、アメリカ人が理想とする自由はなくなってしまいます。

よって、「自由と平等」は相容れないんですね。

 

理想と現実

 

「自由と平等」に続いて相容れないのは「理想と現実」です。

理想を追求するのがオバマ氏だとしたら、トランプ大統領は現実をより直視していると言えます。

 

これはこの二人だけでなく「民主党」と「共和党」の違いでもあります。

また、全世界の政治は「理想と現実」の間で揺れています。

 

本音と建前

 

「メキシコに壁を建設して移民を徹底的に取り締まる」

トランプ氏がこの発言をした時にアメリカでは熱狂的な支持をされました。

 

「アメリカは自由の国。後から来た移民の人達も同様の権利を与えられるべきだ」

これがアメリカの建前上の言葉だとしたら、

 

「アメリカを建国したのは先人。自分たちの親や先祖がアメリカに来た時と同じような権利は与えるべきではない。そもそも移民を入れたら治安が悪くなる」

ある意味でこれが本音です。

 

トランプ大統領の政策が支持されるのもこのようなアメリカ人の「本音」を表していると言えます。

 

ということで、次は双方の政策の違いを実際に詳しく見ていきましょう。

 

 

トランプ VS オバマ 〜政策の違い〜

 

オバマケアの廃止

 

「自由と平等」⇐これが相容れないものだとよくわかるのがこの政策です。

前大統領のオバマ氏の公約の一つで最も有名なのがこの「オバマケア」ですが、これはつまり「医療保険制度の改革」のことを言います。

 

2010年に成立した法律・Affordable Care Act (ACA) を通称「オバマケア」と呼んでいます。

 

「オバマケア」とは?

「もっと保険料を安くして低所得者の方も保険に加入できるようにしましょう」

「保険会社はどんな人にも(思い病気を持ってる人でも)差別なく保険の加入をさせてあげるように」

「そのかわり保険に入らなかった人は確定申告の時に罰金ね」

 

このようなものです。

 

しかし、現在トランプ大統領になってから、このオバマケアの見直しがされています。

というのもオバマケアでは「保険料を安くする」とあるけれど、この高額な医療費を支払うのは国ということになります。

 

トランプ大統領の主張

「そんなことしたら法外なコストがかかる」

「持病を持っている人が加入してきたら全体の保険料が上がってしまう」

「罰金を取られるなんて、選択の自由を奪っている」

 

というように、トランプ大統領はオバマケアを全否定しています。

 

「低所得者の方も保険を受けられるようにするべき」

このようにオバマ氏は主張する一方、

 

「国が罰金を取るなんて選択の自由を阻害している」

トランプ大統領はこのように主張します。

 

 

移民政策

 

オバマ氏がまだ大統領だった頃、こんな法案を提出しました。

「一定の条件をクリアした移民には国が市民権を与えよう」

 

これはアメリカの26の州で否決になり、結局この法案は通りませんでした。

 

「なにがダメだったの?」

 

というのも、この「国が」という部分が問題なんですね。

アメリカはあくまで州の権限が強く、州が集まった「合衆国」なので、「国がそんなことを許可する権限はどこにもない!」ということで、可決には至りませんでした。

 

例えば、不法移民が多いとされているテキサスやアリゾナでは「治安の乱れやアメリカ人の職が奪われている」なんていうことも起こっています。

そんな各州の深刻な状況を知る由もない連邦政府が勝手に市民権なんて与えだしたら歯止めが効かなくなるということですね。

 

一方でトランプ氏は不法移民を徹底して規制し、移民による深刻な問題を直視するように訴えています。(オバマ氏も不法移民には厳しかった)

 

 

TPPからの離脱

 

トランプ氏が大統領就任後すぐに「アメリカのTPP離脱」を発表しニュースでは大騒ぎになっていましたが、これもトランプ大統領は「オバマの負の遺産だ」として徹底否定してました。

 

オバマ氏の主張

「TPP(自由貿易)で海外への輸出(主に農産物)を活性化できるから」

⇛農民(共和党支持者)に支持されたい

 

トランプ氏の主張

「そんなことをしたら国内の生産工場がコストのかからない海外に移転して国内の雇用が減る」

⇛工場労働者に支持されたい

 

本音を言えば、トランプ大統領のTPP離脱は「工場労働者」が多く住む州からの支持が欲しかったからです。

 

TPPを離脱したら怒るのは農民の方々ですが、昔から農業が盛んな州(主に南部)は共和党支持者なので、「いくら怒らせても俺に投票してくれるだろう」という安心&工場労働者の票がほしい。

⇛ということから、トランプ大統領はTPP離脱を決めました。

 

 

パリ協定からの離脱

 

前述したように、トランプ氏はなにがなんでも「工場労働者」からの支持が欲しいんです。

そこで目をつけたのが、オバマ氏が結んだ「パリ協定」でした。

 

オバマ前大統領はこの時に、「2025年までに地球温暖化ガスの排出量を5年比で26─28%減らす」と表明しました。

 

「地球温暖化対策にアメリカも国際社会と共に協力するよ」

オバマ前大統領はこう言ったわけですが、トランプ大統領はこれを瞬時に離脱してしまいました。

 

トランプ大統領の主張

パリ協定による規制で最も不利益を被るのは工場だ。

地球温暖化の懸念は中国によるでっち上げだ。

私はパリの市民に選ばれたわけではなく、アメリカ国民に選ばれてアメリカ合衆国の大統領をやっている⇛したがって、常にアメリカを第一に考える。

アメリカ国民の大半は海面の上昇・気温の変化よりも目の前の生活の方が大切だと思っている。

 

オバマ氏⇛理想主義

トランプ氏⇛現実主義

 

これがすごくわかりますね。

 

 

外交方針

 

続いては外交方針から両者の政策&性格の違いを詳しく見ていきます。

「核兵器なき世界」を訴えたオバマ氏ですが、国際問題への対応の仕方を見てもオバマ氏&トランプ氏の考え方・理想と現実の違いが明らかです。

 

中東

オバマ政権発足後すぐの時も、トランプ大統領同様に前政権でもあった「ブッシュ政権の批判」から始まりました。

その足かせとなったのが、泥沼となったイラクからの撤退です。

 

「アメリカはもう世界の警察ではない」

 

この言葉が有名ですが、この時にアメリカは「他国への干渉」はしないと発言しました。

しかし、現実にはこれにより中東情勢がさらに悪化しました。

 

イスラム過激派テロリストISIS(イスラム国)が台頭し、その他の地域での情勢悪化にも繋がりました。

これはトランプ氏がオバマ政権を避難する口実にもなっているのが現実です。

 

中国

「アメリカはもう世界の警察ではない」

この発言には中国も喜びました。

 

実際にオバマ政権時に中国の東アジア・南シナ海での影響力が圧倒的に高まります。

代表的なのが、中国が南沙諸島に作った謎の人工島ですね。

 

この中国の横暴極まる行為に当時のオバマ政権はなんの強硬策も取りませんでした。

結果として、アジアにおける中国の影響力が圧倒的に高まると同時に、フィリピンの大統領である「ドュテルテ氏」には「Go to Hell」と罵られフィリピン&中国の関係が急激に近くなりました。

 

一方、トランプ氏は中国に対する「関税の押しつけ」などでかなり強硬に対応しています。

 

北朝鮮

オバマ氏「北朝鮮が非核化の表明をしない限り対話をしない」

トランプ氏「北朝鮮がこれ以上挑発すれば、世界が見たことがないような火力と怒りに直面するだろう」

 

対照的ですね。

オバマ政権時にアメリカは北朝鮮に対して「忍耐強く」対応していましたが、現実には北朝鮮の核開発は大幅に進んでしまいました。

 

ロシア

オバマ政権時代の世界の混乱は中東・アジアだけでなくヨーロッパにまで及びました。

オバマ政権時代の2014年2月にロシアはクリミア半島の併合を強行します。

 

これにより日本含む欧米諸国はロシアに対して猛反発し、ロシアを「G8」から離脱させます。

しかし、トランプ政権になった現在、アメリカはロシアの復帰を主張し始めます。

 

トランプ大統領は比較的「親ロシア派」として知られていますが、国内では「ロシアの犬」だと言われ批判されています。

 

イラン核協定廃止

オバマ政権時に「イランが秘密裏に核開発をしている」ということが明らかになり、イランと米国・英国・フランス・中国・ロシア・ドイツで「核協定」というのを結びます。

これは各国がイランに対しての経済制裁を緩めるのと引き換えに、イランに対しての核兵器の原料や機械を10年間の間制限するものでした。

 

しかし、トランプ氏はこれも「バカバカしい」と一蹴し、イランに対して経済制裁を再び実行すると言いました。

トランプ氏の言い分としては、「期限付きで全く意味のない合意、こんなことしていてもイランはいずれ核を作り始める」こう言ってオバマ政権がやった「イラン核協定」をひっくり返したのです。

 

キューバ

 

オバマ政権の時の「遺産の一つ」だったのが、「キューバとの関係回復」です。

オバマ政権時代の2015年にキューバとの国交を回復し、両国間の渡航も解禁されました。

 

しかし、トランプ政権になった途端に「キューバとの不均衡な取引を今すぐに解消する」とトランプ大統領が発言し、例によってキューバとの関係も見直しがされています。

 

 

保守VSリベラルの構造

 

ここまで見てきても分かりますが、この二人の政策は真逆です。

 

オバマ氏が大統領になり、ある特定の人たちの不満がたまりアメリカの右傾化が進みました。

その結果としてトランプ氏という超保守主義の大統領が生まれたとも言えます。

 

アメリカで今もっとも懸念されているのは「国家の分断」です。

 

保守派はリベラルを罵り、リベラルは保守を罵倒する。

こんなことが起きているのが現実で、過激な思想を持った人も増え、過激なデモや時にはテロも起こします。

 

行き着くとこには「人種問題」・「差別」・「自国史上主義」にまで発展しているのが現実です。

かなり深刻な問題ですが、今後の動向を見守っていきましょう。

 

 

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