【永世中立国とは?】スイスのすごさを5分でご説明します

【永世中立国とは?】スイスのすごさを5分でご説明します

 

はじめに▼

僕「移民をするならどの国が良い?」

アメリカ人「スイス一択だね」

僕「スイスかー、アメリカ人も好きだよね」

アメリカ人「スイスってのはね…」

 

当ブログ「ミナトのすゝめ」では世界情勢から海外の文化まで幅広い情報を発信しています。

ということで、先日こんなツイートをしました⇩

 

 

日本では「永世中立国」として広く知られているスイスですが、世界中から人気を集めています。

特にアメリカでは「理想の国」「国際社会の優等生」としてしばしば取り上げられています。

 

本記事ではそんなスイスの魅力とすごさをさらっと解説していきます。

 

 

①中立国家スイス

 

 

「核戦争が起きたらまっさきにスイスに行け」

 

こんな縁起でもないことを言いのけたのはアメリカの友人でした。

スイスは「永世中立国」つまり「どの国との戦争にも加担しませんよ」というのを掲げています。

 

言い換えれば同盟国0、どの国と戦争になっても守ってくれる国がいないので自分たちで「専守防衛」をしなければなりません。

したがって、スイスはいつ隣国が侵略してきても良いように、徴兵制があり個人装備一式をその時に配給します。

 

「核戦争の時はスイスが一番安全だ」

 

というのも、スイスはそんな有事の際には6時間以内に30万〜40万の兵力を動員できる態勢が整っています。

人工1億人の国、日本の自衛隊で30万ちょっとと言われているのでこの数がどのくらいすごいのかが分かるかと思います。

 

さらにスイスは「街づくり」から戦争を想定しています。

スイスはよく知らているように、アルプス山脈をはじめ多くの山脈に囲まれている「自然の要塞」です。

 

フランス・ドイツ・オーストリア・イタリアとこのように歴史的に大国である隣国から守ったのはこの地形です。

スイスの主要都市はどれもこれらの山脈のど真ん中に位置しています。

 

それだけでなく、交通事情もこれらの山脈を利用しているということから非常に侵略しずらいということになっています。

これは偶然ではなく常に有事を考えているからです。

 

さらに言えば、東西冷戦の時にもスイスは「中立」を貫いたので、その時から国中至る所に核シェルターが設置されました。

個人宅にもあるくらいです。

 

したがって、840万人の人工に対し、114%ほどの人工を守れる核シェルターが国内にあると言われています。

これは「移民や難民が来ても大丈夫なように」とかなり多めに配置されています。

 

日本もスイスのように…

 

「日本はなんでスイスのように永世中立国じゃダメなの?」

 

こういう方も多くいるかと思います。

残念ながら難しいです。

 

中立=味方0なので、自己防衛するならそれだけの軍事費を積まなければなりません。

ただでさえ、日本はアメリカの「核の傘(アメリカの核兵器に守られている)」から抜け出せないというのが現実です。

 

さらにスイスには徴兵制があります。

日本で徴兵制を復活させるのはかなり困難ですね(歴史的に)。

 

アメリカ人「スイスには銃乱射事件はない」

 

スイス人の2人に1人は銃を持っていると言われています。

これだけ多くの銃が国内にあるのにスイスではアメリカでよくあるような銃乱射事件は起こりません。

 

「銃が人を殺すのではない、人が人を殺すんだ!スイスを見てみろ!」

 

アメリカの保守層はこぞってこのように主張します。

しかしこれも見当違いです。

 

何度も言うように、スイスには徴兵が義務付けられています。

したがって、銃の取り扱いに関してはかなり厳しく指導します。

 

これはあくまで「防衛のための銃」であり、「自由のための銃」を掲げているアメリカとはそもそも概念が違うと言えます。

 

とにかくこのようにスイスは他の国からしばしば「理想・模範」として見られることがありますね。

 

 

②国際信用がある

 

 

「中立国」というのは戦争に加担しない=平和というメリットだけではありません。

国際的に中立を掲げているので、どの国(テロリスト含む)からも国際的な信用があります。

 

北朝鮮の最高指導者・金正恩氏も「かつてはスイスに留学していた」ということからも分かるように、どの立場からも「スイスならOK」ということになっています。

 

さらに、これによりテロの標的となることもないので、世界の様々な支援団体などが集まる「人道支援の地」としても信頼がある国です。

 

結果的に文化が集まる

 

この国際信用があることによって、世界から様々な文化が入っていきます。

例えば、「ルツェルン音楽祭」、「モントルー・ジャズフェスティバル」、「ロカルノ国際映画祭」、「ローザンヌ国際バレエ・コンクール」といった国際的な文化イベントの開催地として選ばれています。

 

「世界の優等生」として知られていますが、このようにスイスは国際社会からの信頼を集めてきました。

 

 

③経済競争力 No. 1

 

 

中立国としてのもう一つのメリットとして、国際ビジネスの場でも「スイスは頭一つ抜き出ている」と言えます。

国際信用があるので、スイスの国際金融機関には様々な外貨が入ってきて、世界の大企業からも色々なビジネスを展開できる国際都市として認識されています。

 

さらには、「UBS」、「クレディ・スイス」などのスイスの金融機関は世界最大規模を誇ります。

実際に、「世界フォーラム(WEF)」の経済競争力ランキングでは2009年から2016年まで連続で1位を獲得し、「1人当たりのGDP」に関しては2位です。

 

参考:国際競争力ランキング、スイスが8年連続首位 日本は8位に後退

参考:WORLD ECONOMIC OUTLOOK DATABASES

 

高い技術力

 

国土が狭い&そのほとんどは山に囲まれ、天然資源もかなり少ない小国がこれだけの経済力を維持できているのは高い技術力です。

「ロレックス」、「オメガ」、「ブラゲ」など、このへんの有名時計は全てスイス製です。

 

このようにスイスは時計を中心に精密機器、製薬、化学などの面で大量の輸出をしています。

 

また、赤十字社創立のアンリ・デュナン氏などノーベル賞受賞者は27名いますが、この人数はスイスの人口比から見て、圧倒的に多いです。

 

 

④世界最高の教育システム

 

 

スイスの高い技術力の裏には「世界最高」と謳われる教育システムがあるからです。

スイスの義務教育は日本と同じ小・中の9年間ですが、スイスでは中学校を卒業するとともに「高校進学」か「職業訓練コース」のどちらかを選ぶことになります。

 

中学卒業後、職業訓練コースに進学するのは約6割とも言われていて、そこでは貿易、医療、教職、電気技師、調理師などさまざまな分野から選択することができます。

これは一般企業が直接生徒の受け入れ先となってるので、より「実務的な」スキルを得ることが出来ます。

 

その後に大学進学することも可能ですが、ほとんどの人は大学に行きません。

というのも、技術がすでに身についているので「即戦力」として企業で働くことができるからですね。

 

 

⑤幸福度ランキングから見るスイス

 

 

毎年国連が発表している「国の幸福度ランキング」

これでスイスは北欧の国と共に毎年こぞって5位以内に入ります。

 

「人の幸福度は測れない」

 

もちろんですが、それだけ政治が安定しているという指標でもあります。

 

直接民主制の国

 

スイスは「直接民主政」という政治体制をとっています。

これには「国民発義」と「国民投票」という制度があります。

 

国民発議(Initiative)というのは、「有権者なら誰でも法案を発案することができるよ」という制度です。

「こういう法律作りたいな」こういう人はある程度の署名を集めることによって、国家レベルの投票に持ち込むことが出来ます。

 

国民投票(Referendum)というのは、聞き馴染みのあるものかも知れませんが、これは国が決めた法案を「最終確認」として国民が直接投票で決めることができる制度です。

 

このように国民が直接政治に関われるということでかなり安定した国家を運営しているのがスイスです。

 

外国人にも嬉しいスイスのサービス

 

「物価が世界一高い」、「税金が高い」と言われているスイスですが、その分サービスがすごいです。

観光客は市内の宿泊施設に泊まればバスなどの公共交通機関がすべて無料になります。

 

さらに国立の美術館・博物館はもちろん無料、さらには上記でも書いてあるような教育にもかなりの力を入れています。

したがって、多くの外国人が「高度な教育」を求めてスイスに渡ります。

 

これにより、良い人材が集まるし外貨も入るというメリットがあります。

 

 

スイスをゴリ押ししてきましたが…

 

ここまでスイスをかなりゴリ押ししてきましたが、こんなスイスも数多くの問題を抱えているのも事実です。

しかし、同時に日本がスイスから学ぶ点はかなりあるのかな、とも思います。

 

他国を知ることにより日本の改善点が見えてくると思いますので、当ブログ「ミナトのすゝめ」ではこれからも国際情報を発信していきたいと思います。

 

 

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