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アメリカ人「アメリカの歴史には詳しい?」
僕「高校生の時勉強してた」
アメリカ人「ちなみに日本にも奴隷制度ってあったの?」
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アメリカやヨーロッパの国々はかつてアフリカ大陸から黒人を拉致、または売買し、アメリカ大陸の労働力として強制労働させていた歴史が存在します。
これは現在の人種間での分断や感情的な亀裂ともなっています。
その一方で日本は「歴史上奴隷制度がなかった国」と言う人も多くいますが実際のところはどうなのでしょうか。
本記事では日本史を振り返りながら、「日本の奴隷制度の歴史」を詳しく解説しています。
古代の日本
ここでは「古代の日本」ということで、飛鳥時代から鎌倉幕府成立前、平安時代までの「王朝時代の日本」を見ていきます。
「大化の改新」によって中国の政治制度を広く取り入れた日本ですが、と当時中国にあった「良賤の別」という身分制度を取り入れたという記述が「日本書紀」にあります。
これにより、身分制度がはっきりと「良民」と「賤民」とに別れるようになりました。
賤民の子供は当然のごとく「賤民」として一生を過ごさなければならず、賤民と良民の子供も「賤民」として扱われました。
「良賤の別」はこのように明文化されていました。
国家権力によって賤民と良民との婚姻を禁じられていたり、衣服の差別、人身売買などが行われていました。
実際に東大寺の大仏建立工事の際(749年)には藤原仲麻呂が15歳〜30歳の賤民を東大寺に貢進するように全国に命じています。
またこれだけでなく、主人が賤民を虐殺しても「所有物」ということなので、罪にはなりませんでした。
平安時代になると戦乱や重税で多額の借金に追われ最終的に自分自身を奴隷化する人が急増しました。
また自分の子供を売ったり、兄弟、身内を奴隷として売り出すというケースも存在したのも事実です。
人さらいや人身売買が横行した時代でもあります。
出典:日本の奴隷制
中世の日本
ここでは「中世の日本」鎌倉時代から江戸幕府成立までの「武士政権時代の日本」を見ていきましょう。
アフリカからアメリカ大陸に強制的に連れて行かれた黒人奴隷は、「拉致された」というよりもアフリカ大陸での部族間の争いや紛争で捕虜となった人が売り出されたというのが実際のところでもあります。
つまり戦時中には捕虜の売買が横行するというのは昔では世界のどこにでもありました。
戦国時代、日本も100年以上内戦が続いていたわけですが、この時代は日本も例外ではなく奴隷の売買が横行していました。
自国の労働力のために敵国の農民をさらったり、戦場には「生け捕り」を目的とした盗賊がいて、捕まえた捕虜を自国の領土で高価に売るということもありました。
また、ポルトガルが初めて日本と交流を持ち始めてから、ポルトガル人が日本人の奴隷や傭兵を買い付けていた記録も残っています。
豊臣秀吉が全国を統一した後、「日本人の奴隷を海外に売ること」が禁止されましたが、朝鮮出兵の際には大量の朝鮮人が生け捕りにされ、日本国内や東南アジアに売り飛ばされました。
ポルトガルと日本の奴隷貿易は豊臣秀吉の死後16世紀から17世紀にかけて続きます。
江戸時代
最後に日本の近世でもある江戸時代を見ていきます。
桃山時代に豊臣秀吉は京都再興のために島原に「遊郭」というものを作りました。
これは日本で初めての「政府公認の風俗街」ですが、江戸時代になるとこの風俗の文化がどんどん発展を遂げていきます。
京都、大阪、江戸(吉原)に遊郭が作られ、多くの女性が「遊女」として働いていました。
当時徳川幕府はさすがに人身売買を厳しく禁止していましたが、年貢上納(税金の支払い)のために娘を売ることは認められていました。
したがって、多くの女性が自分の意思に反して遊郭で働かされていたのが実際のところです。
これらの遊女で働く女性は24時間監視され、逃げることもできませんでした。
また、「身請け」という制度もあり、お金を払って女性そのものを買うという人もいました。
日本にも奴隷制はあったけど…
結論として日本にも奴隷制度は存在していました。
しかし、多くの事例が「借金返済のため」や「日本人同士の奴隷」というのが特徴的です。
ヨーロッパや中東では他人種や他民族を大規模に奴隷にするということが歴史的に多くあります。
日本でこの例があまりないのは、単に大陸での戦争や民族紛争などがなかったからだと言えます。
実際に朝鮮半島に出兵した際には多くの朝鮮人を生け捕りにしたというのもありますし、ポルトガルと奴隷貿易していたのも事実でもあります。
このように民族や人種が違えば日本の奴隷制度はもっと大規模なものになっていたのかも知れません。
ということで、西欧やアメリカの奴隷制度を他人事にはできないのも現実ではあります。
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